長文ページほど検索上位に来るのはなぜか? その鍵はコンテンツの「包括性」だ(前編)
長くて内容豊富なコンテンツほど、検索エンジンで上位に表示されやすい傾向にある。これが事実だということはわかっているが、理由はなぜなのだろうか。さらに、この知見を活用する道は何かあるだろうか。
今日のホワイトボード・フライデーでは、グーグルがコンテンツの包括性をどのように重視しているのかについてランドが解明し、検索ユーザーのニーズに対応して競争相手に差をつける3段階の手法について説明する。
Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、僕やMozのスタッフが気づいているある事実について取り上げよう。グーグルが現在非常に重視しているように思える事実だ。
ここではこれを、コンテンツの包括性と呼ぼう。包括性とは、ユーザーが検索する可能性のあるすべての質問に、コンテンツがどの程度まで答えを提供できるかということだ。
語句の長さやドキュメントの長さといった基準が順位の高さと大いに関係しているように見えるのは、これが1つの理由になっていると思われる。また、より長文のドキュメントの方が検索結果で上位に表示されるのも同じ理由だろう。
詳しく見ていこう。
検索順位決定にかかわる幅広い情報収集
検索順位決定のための情報を幅広く収集するにあたって、グーグルボットは考える。「検索結果に表示するのはどのURLにすべきか」とか「就職活動に最適な時期を調べている人には何が必要か」とか。そして、膨大な情報に目を向ける。
「ドメインオーソリティ」や「ページレベルのリンクオーソリティ」や「キーワードターゲティング」はもとより、「トピックオーソリティ」「ドメイン名」「読み込み速度」「コンテンツの新鮮さ」などなど。
だが、次の4つは、ある意味互いに関連している。
検索ユーザーのエンゲージメントと満足度。
これは、そのページにたどり着いたユーザーが、検索結果画面に戻って他の検索結果をクリックすることなく、適切な情報を得られる度合いだ。
検索結果にある他のすべてのコンテンツと比較した際の、コンテンツの多様性と独自性。
コンテンツそのものの質。
グーグルは多くの指標を用いてコンテンツの質を測定していると思われる。これにはエンゲージメントや満足度も含まれるため、重複している要素があるかもしれない。
そして、包括性だ。
おそらくこれは、コンテンツが備えるところの奥深さ、信頼性、価値の3つの適切な組み合わせが関わってくるのだろう。
グーグルは現在、特にこの1年ないし1年半ぐらい前から、これにきわめて重きをおいているようだ。複数のクエリに対応できる、包括性が非常に高いコンテンツが、これまで考えられていた以上に検索順位を上げているように見える。
まるで、リンクの指標やキーワードターゲティングの指標といったものは無視されているような状況なのだ。SEO担当者なら「何が起こっているんだ」と言いたくなるかもしれない。
これが顕著なのは、情報の入手や調査を主な目的としたクエリで、製品やブランドを比べる種類のものだ。たとえば、「最高のステレオ」とか「最高のノイズキャンセリングヘッドフォン」といった検索がこのタイプだ。
範囲の広い質問は、その質問が具体的か否かにかかわらず、複雑でいろいろな見方の答えがありうる。おそらくそのため、包括性の非常に高いコンテンツが順位を上げる傾向が見られるのだ。
僕は実際に、検索して表示されるSERPを確認してみた。
幅広い内容が含まれていたり、情報や調査が目的だったり、製品を比べたりする次のようなクエリでは、包括性の高いコンテンツが上位に表示された。
- 「就職活動の成功事例」
- 「採用における性差別」
- 「履歴書の例」
一方、順位の上昇があまり見られないクエリもあった。「ウォルマートの求職申し込み」といったものだ。こんな質問をすれば、そのままウォルマートの採用情報ページが示される。特に包括性が高いページではない。包括的なコンテンツは、ずっと下位に表示される。
あるいは、「性差別の定義」というクエリなら、定義の説明を記したページが提示される。
「Google Docsの履歴書テンプレート」と検索すれば、テンプレートのページが表示される。こういったクエリはたいていその性質上、ナビゲーション的な答えか簡潔な形の答えを導く。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、包括性の高いコンテンツを作るための3つのプロセスについて見ていく。→後編を読む
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