“効く”広告クリエイティブは“ニーズに響かせるもの”は本当に正しいのか
今日は、広告クリエイティブやコミュニケーションメッセージの作り方に関する話題を。単に商品を推す広告と、潜在顧客のニーズに響かせる広告で、どちらのパフォーマンスが良いかを実際に試してみました。この考え方は、広告だけでなく、Webサイトのコンテンツなどさまざまなコミュニケーションに重要ですよ。
広告は「特徴を伝える」べきか「ニーズに響かせる」べきか
クイズです。次の2種類の広告クリエイティブ、どちらが良い成果になると思いますか?
- 商品やサービスの特徴を具体的に説明するもの
- 顧客がもっているだろうニーズや悩みに響かせるもの
概念だけだとわかりづらいので、具体的な例も示しましょう。たとえば、Web担のメルマガ購読者さんを募集する広告だと、次のような感じですね。
- 商品やサービスの特徴を具体的に説明するもの
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- 顧客がもっているだろうニーズや悩みに響かせるもの
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ふつうに考えれば、明確なニーズをフックにした後者のクリエイティブのほうが効きそうですよね。
でも、前者のアプローチをとっている広告も、山ほど目にします。
本当に、ニーズを拾いにいく広告のほうが効くのでしょうか? 実際に少し試してみました。
Facebook広告でクリエイティブをテストしてみた
今回試したのは、Facebook広告です。
前述のように、特徴を解説する広告と、ターゲット層が抱いているであろうニーズに響かせる広告とランディングページをそれぞれ用意し、1か月ほどまわしてみました。インプレッション数は数万と少ないのですが、そこはご容赦ください。
その結果は、次のようなものでした。
ニーズに響かせる広告+LPのほうが、特徴を解説する広告+LPよりも、良好な結果。
インプレッション→申し込みのコンバージョン率は1.5倍良好で、CPAは15%低かった。
「ターゲット層が抱いているであろうニーズなどに響かせるほうが良い成果になるだろう」の予測を裏付けてくれました(ここでは「ニーズ」と書きましたが、実際には「ニーズ・欲求・願望・悩み・不安・疑問」などさまざまです)。
もちろん、単に「ニーズに響かせれば良い成果になる」というわけではありません。
実際に今回は「Web担当者さんって忙しいよね、最新情報をラクにキャッチアップできますよ」というクリエイティブも試したのですが、こちらは商品解説型に比べると少し良い程度でしかありませんでした。
クリエイティブ作成の工数もありますから、見込み客がもっているだろうニーズを想定し、コンバージョンとの相性で大きくいくつかのセグメントに分けてテストしていくのがいいでしょう。
もちろん、常にこうなるとは限りませんから、実際にコミュニケーションを行う際には、可能な限りテストを行ってくださいね。
当たり前のことでは?
このコラムを書くにあたって、「こんな当たり前のことを、わざわざ解説するべきだろうか」と悩みました。
でも、前述のように世の中には、見込み客のニーズなんてお構いなしに言いたいことだけを言う広告は多いです。
また、企業のWebサイトでも、製品の機能や特徴を解説する内容ばかりで、どんなニーズに対応しているのか、どんな課題を解決できるのかがほとんど示されていないことが多いです。
そういう私も、自社が開催するセミナーや講座の告知をするときには、つい「何を提供するか」を中心に考えてしまい、「どんなニーズや課題感に応えられるのか」の視点が弱くなることが多いです。
ネットでのコミュニケーションは、「伝える・推す」の前に、「おっ? いいかも」「あ、それ思ってた」と振り向いてもらい、その反応をコンバージョンまで誘導していくのが大切です。
広告に限らず、Webサイトに書く内容、チラシの内容、メールの文章、作成するホワイトペーパーなどなど、ターゲット層の抱えているニーズや悩みを中心に考えていきたいものですね。
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