初代編集長ブログ―安田英久

JavaScript無効でWebを見ている人はどれぐらい? Web担で実際に調べてみた

普通のやり方では測れないので、ちょっとサイトに手を加えて調査しました
Web担のなかの人

今日は、WebサイトをJavaScript無効でWebを見ている人がどれぐらいいるのか調べてみたという内容です。普通のやり方では測れないので、ちょっとサイトに手を加えて調査しました。

JavaScriptを動作させずにWebサイトを見ている人って、今どれぐらいいるんだろう?

Web担当者なら、気になるところでしょう。「かなり少ないんだろうな」と思いながらも、それでもJavaScript無効でも見られるようにサイトを工夫しているのではないでしょうか。

そこで、JavaScriptを無効にしている人がどれぐらいいるのか、実際に調べてみました。

結論からいうと、こんな感じでした。

JavaScriptが動作していない割合:1.74%
内訳
JavaScript無効:1.01%
無効ではないがJavaScriptが動作していない:0.72%
グラフ:HTMLで画像読み込み:100%、JavaScriptで画像読み込み:98.26%、noscriptで画像読み込み:1.01%、JavaScriptでもnoscriptでも画像読み込みなし:0.72%

JavaScript無効の割合は、調べるのが意外と面倒なものです。アクセス解析ツールのほとんどはJavaScriptがないと動きませんし、サーバーログを調べてもロボットの影響などでうまく調べきれないからです。

そこで、英国政府デジタルサービス(GDS)のブログで解説されていた調査のやり方を参考に、Web担のサイトで調べてみました。

調査方法は、同じページ内から以下の3つの方法で画像を読み込むようにして、各手法の画像へのアクセスをサーバーログで調査するというものです。それぞれパラメータを付けて、どの画像へのアクセスかログでわかるようにしてあります。

  • 通常のHTMLでimgタグを入れて画像を読み込み(test_baseimg)
    →すべてのブラウザで画像が読み込まれる(画像を無効にしていない場合)

  • JavaScriptで画像を読み込み(test_js)
    →JavaScriptが有効なブラウザでのみ画像が読み込まれる

  • noscriptタグ内にimgタグを入れ、ページから画像を読み込み(test_noscript)
    →JavaScriptを無効にしているブラウザでのみ画像が読み込まれる

<img src="blank.gif?source=test_baseimg" width="1" height="1" alt="" id="test_img" />

<script type="text/javascript">
$(document.createElement('img'))
  .attr({
    src: 'blank.gif?source=test_js', 
    width:1, 
    height:1, 
    alt:''
  })
  .insertAfter($('#test_img'));
</script>

<noscript>
<img src="blank.gif?source=test_noscript" width="1" height="1" alt="" />
</noscript>

調査方法に関する情報は次のとおり。

  • 調査期間は、2013年10月29日~11月16日
  • 対象は、Web担のトップページ
  • サンプル数は、数万アクセス
  • GooglebotやGooglebot-Imageなどのロボットのアクセスは除外

冒頭にグラフを出しましたが、HTMLでの画像の読み込み数を100%とすると、次のような結果になりました。

HTMLでの画像の読み込み回数test_baseimg100%
JavaScriptでの画像の読み込み回数test_js98.26%
noscriptでの画像の読み込み回数test_noscript1.01%
JavaScriptでもnoscriptでも画像読み込みなし① - ② - ③0.72%

98.26%がJavaScriptで画像を読み込んでいるということですが、test_jsとtest_noscriptを合計しても、まだtest_baseimgの0.72%分、数が足りません。JavaScriptでもnoscriptでも画像を読み込んでいないこの部分に関して、前出のGDSのブログでは、次のような原因ではないかとしています。

  • 企業ネットワークなどでJavaScript要素をブロックまたは削除している
  • ブラウザで他のJavaScriptエラーが発生していて読み込まれなかった(アドオンやツールバーなど)
  • JavaScriptの画像読み込み前にページから離れた
  • ブラウザの先読み機能でHTML画像だけが読み込まれた
  • ネットワークエラー(特にモバイル環境)

Web担は企業で働いている方からのアクセスが中心ですので、家庭からのアクセスが中心のサイトでは、また状況が違うかもしれません。

さて、1.74%というのはかなり小さな割合ですが、それでもやっぱりサポートは続けるんですよね。これが0.5%ぐらいになったら、またJavaScript非対応ブラウザへの対処を考えるようにしましょうかね。

あ、そうそう。JavaScriptが動作しないと読めないはずの画像ファイルに、結構な数のGooglebot-Imageのアクセスがありました。おそらくGooglebotがJavaScriptを解釈してURLを抽出してるんですね。さすがです。

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