ソーシャル分析やマーケ最適化に「定石」なんてない | Adobe Omniture Summit 2011レポート

ビジネスゴールに対する効果測定、ソーシャルメディア分析、オンラインとオフラインのデータ統合など

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オンラインマーケティングをテーマとした大規模イベント「Adobe Omniture Summit 2011」が2011年3月8日~11日に米国ユタ州ソルトレイクシティで開催された。オムニチュアがアドビ システムズ社になって2回目となる今回のサミットには、同社のオンラインマーケティングスイート製品の顧客企業やWeb分析などのエキスパートら約2600名が参加した。

アドビ システムズ社はこれまでの30年間、コンテンツの「制作」を支援してきた。これからは「制作」に加えて、「管理」「配信」「解析」「最適化」が容易になるような製品・サービスを提供していきたい。

アドビ システムズ社のCEOであるシャンタヌ氏がオープニングキーノートの冒頭でそう語ったように、サミット期間中に開催されたセッションの内容は、「コンテンツ管理」「コンテンツ配信」「データの計測」「自動化」「クリエイティブの最適化」など多岐にわたっていた。

ここでは、サミット参加を通じ、興味深く感じた点を次の3つに整理してご紹介したい。

ソーシャルメディア
ビジネスゴールに対する効果測定はまさに始まったばかり

基調講演でアドビ システムズ社 オムニチュアビジネスユニットのシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるレンチャー氏は、現在の顧客行動の大きな潮流として、ソーシャルとモバイルの台頭を挙げた。

レンチャー氏によると、ソーシャルとモバイルは個々の異なる動向ではなく、「モバイルでソーシャルメディアを利用する」という1つの大きな潮流なのだという。その一例として、オンラインが当然の世界で育ちモバイルでFacebookやTwitterなどを使いこなす新しい世代を主要ターゲットとするアパレル企業PACSUN社における取り組みを紹介した。

PACSUNの主な顧客層は高校生や大学生であり、彼らはモバイルを利用して、メールをし、Facebookで交流し、Twitterで情報発信をする。このあたりは利用するSNSが異なるだけで日本と相違はない。また、日本のECサイトと同様に最も収益に貢献するのはメールであることは認めながらも、その一方で顧客のロイヤルティ醸成の上ではFacebookが最適であるなど、それぞれのメディアの特性を活かしつつ、メール、Facebook、Twitterといったソーシャルメディアを統合的に活用することが重要だという。

オープニング基調講演がこうしたテーマであることからわかるようにソーシャルメディアに関する参加社の注目は非常に高かった。ソーシャルメディアに関するセッションのなかには、人気のあまり席が足りず急遽会場を広い場所に移したものもあった。また、テクノロジーラボのセッションではソーシャルメディアとWeb上のコンバージョンを結びつけてAdobe SiteCatalystで測定する具体的な実装方法が紹介されたが、こちらもほぼ満席になっていた。

Facebookのソーシャルプラグインを利用したデータ測定を解説するアドビ システムズ社のウィリグ氏

テクノロジーラボの最後には、VAIL Resort社のソーシャルメディアマネージャーであるテイラー氏が壇上に上がり、自身の苦い経験から、ソーシャルメディアの測定における重要なポイントとして、以下の2点を強調した。

  • さまざまなデータを取得しようとせず、ビジネスゴールと結びつけ必要な指標に絞る。
  • 複数の異なるツールを利用せず、1つのツールにデータを集約する。

同社ではこれまで、FacebookやTwitter、YouTubeなどのメディアごとに異なるツールを用いてさまざまなデータを取得しようとしていたため、複数部署の調整に手間がかかり、測定・データ抽出業務の工数が週40時間にも上り、問題となっていたという。しかし、測定する指標を絞り込んだうえでデータをSiteCatalystに集約したところ、データ分析にかかる時間を週に4時間へと大幅に削減できただけでなく、各メディアの評価を同一の指標で行えることができるようになったと話す。

ソーシャルメディア分析を統合することの主な利点は「同じ指標でデータを分析できる」「統一したKPIを利用できる」「1つのツールを理解するだけで済む」「効率が上がる」の4つ。

サミットの目玉の1つとして、新製品Adobe SocialAnalytics(アドビ ソーシャルアナリティクス)があった。このツールは、まさにこのようなFacebook、Twitter、YouTubeやブログといったソーシャルメディアの利用動向とビジネスゴールへの貢献度を結びつけた分析を可能とするものであり、単にソーシャルメディア上の会話を細かく分類し反響をデータで可視化することよりも、どのメディアが、どのインフルエンサーが、いかに企業収益に貢献しているのかを把握する点に主眼が置かれているものだ。

※Adobe SocialAnalyticsは米国で2011年下旬にサービス開始予定。日本でのサービスに関しては現時点では未定。

サミット期間中、朝食やランチなどの際に米国の参加者らと話をしていても、FacebookやTwitterなどは日常生活で欠かせないコミニュケーションインフラであることが感じられた。日本でもマーケティング上での活用に関してはすでに事例がいくつか出ているが、それに対して、ソーシャルメディアの効果測定、とりわけビジネスゴールへの貢献に関する測定に関しては、一部の先進的な企業を除けば、こちらでも今まさに始まったばかりという印象を受けた。

また補足だが、日本ではサイト来訪者をユーザー、ビジターと表現することが多いが、サミットでは「訪問者」という表現はしていなかったことを紹介しておこう。サイト来訪者は「people(人々)」であり、あえて「Customer(顧客)」と呼んでいるケースが一般的だった。アクセス解析というものは、日本ではまだ技術面から語られることがあるが、米国ではアクセス解析はマーケティング活動の一環として捉えており、その意識が「訪問者」ではなく「顧客」という表現に表れているのだろう。

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