SEOサイト状況レビュー(SEO監査):監査初日のモデルケース
私は通常、1件のSEOサイト状況レビュー(SEO監査)を完了するのに50時間ほどを費やす。1000ページ未満の小規模なサイトであれば、効率的に作業して、クライアントが山ほど追加の要望を出さない限り、35時間ほどに抑えることもできる。サイトの規模が大きくて報告する項目が多い場合は、70時間近くかかることもある。
SEOmozでは、サイト全体のレビューを仕上げるために、6週間というプロジェクトスケジュールを提示している。複数の人間が関わる場合には、リソースの調整、意見を統一するための編集のほか、考慮すべき内容が増えるため、長めのスケジュールが必要になるからだ。私は、自分ひとりで作業するときでも、6週間というスケジュールを好んで採り入れている。それは、日程に余裕を持たせることで、同時に複数のプロジェクトを勧めたり、状況に応じてさまざまな要素を排除したり採用したりできるからだ。
レビューにかける時間の長さにかかわらず、最大のチャンスが転がっているのは初日だ。プロジェクトが始まるとき、レビューする側もクライアント側も高揚していて、そこには未開拓の好機が広がっている。
今回の記事では、新規のSEOレビュープロジェクトの初日を最大限に活用する、お勧めの手順を紹介していく。
8:00テンプレートの準備
午前9時にはクライアントとの電話があるので、さっさと仕事に取り掛かろう。書類の準備を前もって済ませておくために時間を取っておく。正式な契約を取り交わしたら、私はまず2つのファイルを準備する。1つはExcelのスコアカードで、もう1つはWordの監査書類だ。
私がこれまで手掛けてきた監査は、極端な特別注文のあるものばかりだった。そんな場合でも、クライアントのコンテンツが含まれない基本的な書類はだいたい20ページ程度だ。とても量が多いように聞こえるかもしれないが、表紙、目次、すべての重要なSEO要素に対する適切な見出しと小見出し、そして各要素についての(再利用可能で)簡潔な説明などを用意すると、自然とこのくらいの量になってしまう。
WordとExcelでテンプレートファイルを作成して保存しておくことをお勧めする。すでに別のクライアントの監査で使っているファイルを一部書き換えて使い回すのは避けるべきだ。私自身、SEOを手掛ける前は、優秀なSEO業者たちのクライアントだった。そして、当時私が受け取った提出物には、他のクライアントの名前が含まれていたことが1度ならずあった。見落としは起きるものだ。「CTRL + F」(検索/置換)も万能ではない。
9:00クライアントとの電話
自分で契約をまとめたにしろ、幸運にも外回りの仕事をやってくれる営業担当チームを抱えているにしろ、契約が成立してから最初にするクライアントとの電話は重要だ。1時間ほどかけて、顧客側の主な担当者たちをしっかり把握しよう。この中に、上級管理職やマーケティング責任者、開発責任者が含まれていることが望ましい。たいていの場合、こうしたミーティングは電話を使い、GoToMeetingのようなウェブ会議ツールを活用して行われる。
以下に、議事の例を示しておく。
- 紹介(全員)
- サイトツアー(クライアント)
- 過去に実施したSEO、および現在実施中のSEO(クライアント)
- 特に注力したい分野(クライアント)
- 実施に必要とされるもの(クライアント)
- 作業指示書のレビューと納品スケジュール(監査担当者)
監査担当者としては、ミーティングが終わった時点で、クライアントのウェブサイト、事業のニーズ、主な弱点について、深く理解していなければならない。同時に、期待値調整を行う機会もあることだろう。
おまけのヒントクライアント側の社内SEO担当者と協力するのであれば、先方が推し進めようとしているプロジェクトを聞き出してみるといい。そういったSEO強化策を推進し、有望なものにする手助けができるかもしれない。
10:00休憩!
このひと時を使ってカフェインを補給し、クライアントとの電話のメモを取っておこう。
10:15同僚の力を借りる
あなたがもし、SEOmozにあったようなコンサルティングチームの一員なら、他のメンバーに協力してもらおう。今話題にしているようなプロジェクトに単独で取り組むのなら、このやり方は特に有効だ。同僚に電子メールを送り、15分程度の簡単なサイトの評価を頼もう。SEOmozでは、これで実際に大成功を収めている。ランド、ジェン、ダニーを含むドリームチームで、合計45分の簡単な評価から驚くべき成果を出していた。
独立してSEOを手がけている場合であっても、やはりこのような「チーム」を活用できる。信頼できるSEO業者を集めてグループを作り、こういうサポート体制を互いに提供しあうのだ。
ただし、機密保持契約の内容や、利害の対立が起きる可能性があることについては、留意が必要だ(コンサルティング契約の詳細については、サラの記事を参照してほしい)。
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