成功事例に学ぶ“成果を出す”SEO/SEM手法(施策前後のGAレポート画面あり)
検索エンジン最適化(SEO)で扱う戦術は膨大な範囲に及び、そのすべてがWebサイトに直接的な恩恵をもたらし得る。
今回の記事では、さまざまなWebサイトで使われたいろいろな戦術の例を挙げ、それによってもたらされた効果(成果)を紹介していこう。それぞれの事例には、Google Analyticsの実際のスクリーンショットを施策の前後で紹介する(ただし、サイト名や具体的数値は伏せてある)。
自分のサイトでSEOキャンペーンの実施を検討している人や、誰かを説得してインターネットマーケティングに投資してもらおうとしている人にとって、この記事がインターネットマーケティングの可能性を示すのに役立つことを願う。
ターゲットにする用語を絞り込む
「キーワードターゲティングを完璧にしたページの構築」をテーマにした記事のことを覚えているだろうか? SEOmozが理屈をこねていただけじゃなかったことが、この実例を見るとよくわかる。
家庭雑貨を販売する某Webサイトは、サイト構造とページ内でのキーワードターゲティングにいくつかの問題を抱えていた。このサイトの第1階層カテゴリのページは、
- http://kitchenequipment.sitename.com/
- http://livingrooms.sitename.com/
といったサブドメインに置かれていたのに、それぞれの第2階層カテゴリのページは、
- www.sitename.com/find_product2.asp?url1=living+room&url2=rugs+and+carpets
というメインのサブドメインに戻るようになっていた。
さらに、第1階層カテゴリのページと第2階層カテゴリ以下のページには、コンテンツの特徴を表すHTMLマークアップや、コンテンツ内でのキーワードターゲティングが明らかに欠落していた。
手っ取り早い解決策は、各ページに適切なh1要素を配置することだった。また、title要素の構造を改め、少し長くて明確でわかりやすいURLにした。さらに、適切なアンカーテキストを持つ内部リンクも追加した。
その結果、サイトのランキングは全体的に上がり、ヘッドから中間、ロングテールにいたるまで、すべてのキーワードを通じて新しいトラフィックが生まれた。こうした変更がいつ加えられたか、グラフを見れば一目瞭然だよね(^^)
グーグルプレイスに登録する
地域検索における順位決定要因や驚くほど単純な戦術の核心に触れる前に、基本中の基本に立ち返ることが重要だ。
ある大手レストランチェーンが、各店舗に関する正しいデータを含んだ「一括アップロード」ファイルを作成した。ファイルのアップロード完了後、このレストランチェーンは、グーグルプレイスによる確認を受けるためのフォームを送信した。事業主がアップロードし、そのことが確認できたローカルデータは、電話やハガキによる確認作業を経た情報と同様に信頼できるものとして扱われる。
さまざまな問題がある(グーグルのベストプラクティスが最善のソリューションとならないケースも依然としてある)ローカル検索ではあるものの、ローカル検索に掲載されることで相当数のトラフィックが生み出され、価値あるものとなってきた(アップロードファイルが確認されたのは2009年11月の後半だったが、それから堅実な増加が始まっている)。
アーキテクチャを変更する
ある時事雑誌が、Webサイトからの収益を増やせないかと考えた。この雑誌は、広告収入が落ち込んだせいで廃刊の危機に直面していた。これまでの経験から、SEOによってある程度の成長がもたらされることはすでにわかっていたが、自サイトにはそれ以上の価値があることを証明したかったんだ。
このサイトは、立派なブランドを確立し、優れたコンテンツもいくつか持っていたが、ニュースを扱う多くのWebサイトが抱えるのと同じような諸問題に苦しんでいた。たとえば、コンテンツのアーカイブ化の不備、複製コンテンツの問題、キーワードターゲティングや各記事の検索順位向上を妨げるコンテンツ管理システム(CMS)などだ。そこで、サイトのアーキテクチャを改善して構造を刷新するアドバイスを受けた。
変更の効果はすぐに現れ、3か月でオーガニック検索からのトラフィックが257%上昇した。しかし残念ながら、さらに1か月後、雑誌のオーナーは、紙媒体の広告による収入が減り、雑誌の発行でこれ以上資金を失い続けるわけにはいかないために廃刊を決めてしまった。
リンクベイト記事を書く
あるオフィス清掃会社が、SEOを通じてサイトの知名度を向上させたいと思った。数ある戦術の中で、スタッフの1人が丸一日がかりで「リンクベイト」記事を書き、自社ブログに掲載した。これがソーシャルメディアサイトから大量のトラフィックを生みだし(常連の訪問者の数がかすんでしまうほどだ)、それに続いて数十ものサイトからリンクを獲得した。この記事は、リンクを獲得するために同サイトに掲載された他の記事とともに、サイトの順位獲得能力と信頼度を高めるのに役立ち、今やこの会社のサイトは、その国で「オフィス清掃」を検索すると3位に表示されるようになった。
有料広告を有効に利用する
スクーターを販売しているサイトのPPC(リスティング)広告を担当している仲間から得たグラフを紹介したい。そのサイトは、最初は非常に漠然としたキーワード(「scooter」「scooters」「buy a scooter」など)で入札していた。しかし、ある時期に広告キャンペーンを調整して、製品の特徴や仕様など、ロングテールになりそうなキーワードをより多くターゲット化するようにした。
それから約6週間が過ぎたころ、1クリック当たりのコストが30%減少し、よりターゲット化されたトラフィックがコンバージョンの向上をもたらした。これにより、サイト所有者は広告予算を増額し、それまでに実施した有料の検索キャンペーンよりも売上高を増やせるようになった。
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