衣袋宏美のデータハックス

新規開拓とコンバージョン率アップ、どちらが優先か? [アクセス解析tips]

アクセス解析の原則に従えば容易に判断できる。

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新規開拓とコンバージョン率アップの優先順位を判断するには

下記施策AとBのうち、あなただったらまずどちらを実行するだろうか?

施策A新規獲得キャンペーンに1,000万円のコストを掛け、売上を2,000万円増やす

施策Bコンバージョン率を改善するための内部施策に1,000万円のコストを掛け、コンバージョン率を0.1%上昇させて、売上を1,000万円伸ばす

この問いに対する答えは本稿の後半で明らかにするが、「新規開拓とコンバージョン率アップのどちらを優先すべきか」を考えるにあたっては、対処療法的なノウハウやアクセス解析の具体的なテクニックよりも、原則を押さえておく必要がある。ここで言う「原則」とは、アクセス解析の施策を対顧客の視点から4つのフェーズ(後述)で手順を把握すること。そうすれば、サイト改善施策を考える際にも、優先順位を容易に判断できるようになるのだ。

原則をしっかりと知っておけば、応用は簡単だ。アクセス解析ツールが変わろうと、Webサイトの目的が変わろうと対処できる。

いきなり具体的な100個の応用テクニックを学んでも、実際に自分のサイトではうまくそのテクニックを使えないことが多いが、それは原則を理解していないからだ。回り道をするようだが、実は原則をじっくり先に学ぶことが、結果的に近道になることを覚えておこう。

アクセス解析を考える4つの顧客フェーズ

アクセス解析の手順は、顧客のフェーズを次の4つに分けて考えよう。

  1. 集客フェーズ
  2. 接客フェーズ
  3. 成約フェーズ
  4. 再訪フェーズ

別に新しい概念ではないが、対顧客という視点から整理すると、このようになる。もう少しサイトあるいはアクセス解析に近い言葉を補足して整理すると、次のようになる。

表1:アクセス解析4つの手順
対顧客用語アクセス解析用語内容
集客する流入分析サイトへの訪問理由を知るために参照元を活用する
接客する回遊分析コンテンツに満足しているのか知るために、サイト内の利用実態を見る
成約するコンバージョン分析サイト運営者側のゴールをユーザが達成しているかを知るために、成果を見る
再訪してもらうリテンション分析最大利益を生む出すために、生涯価値でみる

4つの分析に入る前にベンチマークを把握する

実際に4つの分析に具体的に入っていく前に、自分のサイトのベンチマークを把握しておく必要がある。キャンペーンとかを意識的に仕掛けていない時期の自分のサイトの動き、バイオリズムをきちんとつかんでおこう。

今までに既にお話ししてきたが、月次データで季節変動を把握し曜日別時間別の閲覧傾向からユーザーの行動パターンを把握しておくことが、すべての始まりとなる。しかもサイト全体ではなく、最低限主要コンテンツ別くらいのセグメントに分けて把握しておこう。

上の4つの分析も、結局はセグメント化しトレンドで動きを見ていくという分析手法そのものは今までに何度もお話ししたとおりで、今後の話の大前提ともなることを再度確認しておく。

用語集
PPC / SEO / アクセス解析 / アフィリエイト / キャンペーン / コンバージョン / コンバージョン率 / 直帰率 / 訪問

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