コの字? 逆L字? メルマガはいつ出す? 時間別データの解釈で誤りがちな点 [アクセス解析tips]
今回は時間別データを解釈する際に犯しがちな間違いについて解説するが、まずはテレビのスポットCMの露出パターンを見てみることにしたい。「ネットとテレビではユーザーの行動パターンが違うのでは?」と思われるかもしれないが、ここで学んでほしいのはユーザー属性からその行動パターンを類推し、仮説を立てるという考え方である。
テレビ視聴率の曜日別時間別アクセスのモデルから学ぶ
テレビのスポットCMの露出パターンで、次のパターンはどの属性ターゲットに狙いをつけたものだかわかるだろうか? それぞれを結び付けてみてほしい。
逆L型などという表現について説明しておこう。下の図を見てみよう。どれも横軸に曜日(月曜日から始まって日曜日)、縦軸に朝から晩までの時間軸を置いたグラフである。逆LというのはLの横軸が逆になったパターンの意味で、毎日の晩と土日に視聴されるパターンということになる。
さて答えだが、逆L型は成人男性で、忙しくてテレビを見るひまが一番ない属性といえる。続いてコの字型は成人男性やOL、ここも忙しくて、せいぜい逆Lに加えて朝少しだけテレビを見るという層だ。最後のヨの字型が主婦や学生。早朝や夕方など家事の時間以外でテレビの接触が比較的多くなる専業主婦、比較的自由時間のある学生などがここに相当する。
これはテレビ視聴率データから長年にわたって積み重ねてきた知見ということになるのだが、言われてみれば当たり前のことである。しかしデータの裏づけのあるなしの違いは大きい。
もちろん昨今このような画一的なマーケティングで基本属性だけを狙ったマーケティングはあまり通用しなくなっているとはいえ、ベースの考え方としては分かりやすい。
ネットの属性別利用パターンを想像する
下図をご覧いただこう。これは若者向け商品のECサイトの土曜日と木曜日の時間別利用者数の推移グラフである。
なぜ平日12時台にアクセスが増えているのかといった、ユーザーの利用シーンを想像できるだろうか。仕事をしている女性が昼休みになってアクセスしているといった仮説がでてくるとして、それをきちんと証明できているだろうか?
このようなユーザー行動をきちんと把握できていれば、このアクセスパターンに合わせて、キャンペーンのメールをいつ流すのがよいのかを考えられることになる。この図では見やすいように単に平日の1日と休日の1日をグラフ化しただけだが、月曜日の昼のアクセスが高ければ、たとえば月曜日の昼にメルマガを出すといった施策につなげるというのも1つの手だろう。
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