アフィリエイト市場は813億で前年度比120.2%(2008年度)
今日は、アフィリエイトについて。PPC広告に並ぶ販促型の広告商品であるアフィリエイトは、2008年度も前年度比120%の伸びを示しています。
矢野経済研究所の発表によると、2008年度(2008年4月~2009年3月)のアフィリエイト市場は813億1,000万円で、前年度比120.2%の伸び。調査対象期間が2009年3月まで入っていますから、経済状況が悪化した後の市場も含んだ数値となっていますが、引き続き伸びを示しています。
内訳をみると、
・PC向けアフィリエイトが521億5,000万円で、前年度比117.3%
・携帯向けアフィリエイトが291億6,000万円で、前年度比125.7%
やはり、携帯向けの伸びが大きいですね。
同社は、2009年度のアフィリエイト市場規模見込みは949億円(PC向け590億円、携帯向け359億円)で、2010年度には1,071億円(PC向け664億円、携帯向け407億円)に達すると予測しています。
電通の「日本の広告費」によると2008年の検索連動型広告費は1,575億円ということですから、アフィリエイト市場はPPC市場の半分強ということですね(電通の数字は対象期間が1月~12月ですが)。
アフィリエイトというと個人がブログで商品を紹介する形を想像するかもしれませんが、実際には、SNSやブログなどのサービス事業者がシステムにアフィリエイトを組み込んでいたり、価格比較サイトからのリンクのほとんどがアフィリエイトだったりと、事業者によるアフィリエイトも多く存在していて、かなり大きな市場になっています。
またアフィリエイトは、バナー広告やテレビCMのような売り上げを生むための広告予算とは異なり、発生した売り上げに対して後から支払う報酬のため、企業の予算削減が進んでも、消費活動が冷え込まない限り市場としては伸びることが特徴。景気が悪くなったといっても、(社)日本通信販売協会の発表した通販売上高調査にもあるように、EC業界を含む通販業界は伸びているのです。そのため、アフィリエイト市場も引き続き拡大しているということですね。
調査対象はアフィリエイトサービス事業者や関連事業者18社ということですが、おそらくB2B向けで含まれていない数字もあるでしょう(リードジェネレーションや人材紹介など)。ネットを介したアフィリエイト(的な)売り上げは、今後もさらに伸びていくだろうという予測には同意します。
とはいえ、企業は今後もさらに費用対効果を厳しく見る傾向が高まっていきます(アフィリエイトに限らず)。ですから、同社の発表にもあるように、アフィリエイトに関するコンサルティングや、アフィリエイトサービス事業者と広告主の間に入る代理店などの果たす役割が重要になってくるでしょう。
逆に言うと、広告主側はアフィリエイト担当者をつけ、前述のような専門家を味方に付けていくことで、アフィリエイトの費用対効果を高められるのではないかと思います。
・アフィリエイト市場に関する調査結果 2009(矢野経済研究所)
→ http://www.yano.co.jp/press/press.php/000518
コメント
>2010年度には107億円
>2010年度には107億円(PC向け664億円、携帯向け407億円)に達すると予測しています。
ここは1071億円、でしょうか?
記事の間違いを修正いたしました
初出時に桁を間違えて表記しておりました。
hatoriさま、ご指摘ありがとうございます。
記事の本文を修正いたしました。関係各位へには失礼いたしました。注意するようにいたします。