居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り

世界がもし“なんでも1つだけ”の村だったら - 明日のモバイルほろ酔い語り

今回のテーマは「“たった1つだけ”の世界」。この言葉の意味とは?

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居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り

ここは、東京下町のとある居酒屋。板だけ載せた酒瓶ケースの上に、ずらりと焼鳥やもつ煮を並べ、路上で立ち飲みが基本の店だ。気さくなおかみさんが、手作りの肴を振る舞ってくれ、深夜までずっと賑わっている。

そんな気取らない店に、IT系勤務のホットなやつらが夜な夜なつどって業界の噂話に花を咲かせ、ときには激高しときには愚痴をこぼし、ときには成功を喜び合う……。店内では、聞き逃せないような最新情報、そしてモバイルの未来に関わるような貴重なアイデアが飛び交っているのだ。

今日も、おもしろそうな会話が耳に飛び込んできたようだ。

文、写真:清水亮(ユビキタスエンターテインメント)

登場人物

筆者

筆者=モバイルサービス研究者(?)。業界10年目。iモードからiPhoneまで興味の幅は広い。
A氏=モバイル系ゲーム企画者。業界4年目。

北京で開催されるGlobal Mobile Internet Conferenceでの講演を終え、ホテルの部屋で一息。そんな筆者のマシンに、IMが飛び込んできた。この連載のネタを探すのを忘れていた筆者はよし、今回はこれをネタにしよう、と心に決めたところから今回はスタート。テーマは「“たった1つだけ”の世界」。この言葉の意味とは?

世界がもし“なんでも1つだけ”の村だったら

■中国のモバイル事情を体感して

居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り in 北京

A氏「いま北京なんですか?」

筆者

「うん、そう」

A氏「中国のコンファレンスに行ってるんですよね。どうですか、そちらは」

筆者

「うーん、まあいろいろと考えるべきことはあるけど、おおむね好評だったみたいだよ」

A氏「北京語で講演されたとか?(笑)」

筆者

「そう。凄く練習したんだけど、やっぱり一夜漬けには限界があるねえ。なんとか通じたみたいだけど、こっちの女性に『なんかちっちゃい子供が喋ってるみたいでかわいい』って言われちゃったよ」

A氏「発音は難しいですよねー」

筆者

「ふつう、外国にいくとだいたい英語で話しかけられるんだけど、こっちだとみんな北京語で話しかけてくるんだよね」

A氏「まあ外見は変わらないですしね」

筆者

「中国語がわからないっていっても、おかまいなしで北京語でまくしたてるんだよ。あれには参った」

A氏「おつかれさまです」

筆者

「けど、そのうち、言葉がわからないなりに意思が通じるような気がしてくるんだよね。とりあえず、肯定の意味の『シー』と、否定の『ブーシー』は覚えた。それだけでも、結構違うね」

A氏「根性北京語ですね」

筆者

「いや、日常会話の場合、あまり根性は要らないかな。もう普通に日本語で話しかけてたし。複雑なことでなければ、結構通じちゃうという」

A氏「なにか雰囲気で伝わるものがあるんでしょうか」

筆者

「そんな感じ」

A氏「そちらのモバイルってどうなんですか?」

筆者

「端末のこと?コンテンツのこと?」

A氏「両方」

筆者

「端末はね、物凄いバリエーションがあってとても追いきれないね。そのせいか、いわゆるアプリ的なものはまだまだって感じかな。コンテンツも、PCの補助的な位置づけみたい

A氏「ゲームとかはないんですか?」

筆者

「もちろん着メロもFlashもゲームもあるよ。ゲームは文字ベースのゲームのほうが人気ありそうだったね」

A氏「たとえば?」

筆者

「僕が見せてもらったのは、三国志のテキストRPG。全部中国語で、ぜんぜんわからなかったけど、ところどころHPとか見なれた文字を見つけて『ああ』っていう。」

A氏「いずれ日本みたいに本格的なゲームが流行るんでしょうか?」

筆者

「どうなんだろうね。最近、iPhoneでゲームしてるけど、けっきょく僕がはまっているのは単純なテキストベースのゲームだったりするね。やっぱりときどき起動して遊ぶってのがおもしろいんだよ」

■今の世界は“バベルの塔が壊される一歩手前”の状態

居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り in 北京

A氏「なにか印象的なことはありましたか?」

筆者

「思ったのはね、バベルの塔を壊した神様は正しかったかなってことかな」

A氏「えっ?それはどういう意味でしょう?」

筆者

「旧約聖書では、昔は言語は1つしかなかったんだよね。けれども、驕った人間たちを戒めるために神様は人間の作ったバベルの塔を壊し、人間たちの言葉はバラバラになってしまった、と伝えられている」

A氏「ああ、うっすらと聞いたことは有ります」

筆者

「だいたい、その逸話は『神は凄いんだぞ。人間はいい気になっちゃダメだ』みたいな文脈で伝えられるんだけど、今みたいな時代になると、言葉も共通化してきて、いろいろと言葉がフラットになる弊害もわかってきたよね」

A氏「私、ぜんぜん英語はわかりませんけど」

筆者

「ふだん使うPCは?」

A氏「え、普通のMacですが」

筆者

「そのMacは大部分がWindowsと同じ部品で作られてるって知ってた?」

A氏「え、そうなんですか?」

筆者

「それに、最近のMacはWindowsも動くようになってるじゃない?あれもそういうこと」

A氏「ああ、そういえば」

筆者

「いまコンピュータは大部分が共通の部品、共通のやり方でできている。違うように見えるのは、表面だけなんだよね」

A氏「ケータイみたいなものですか?各社デザインは違うけど、中身はだいたい一緒という」

筆者

「近いね。言葉というのは、なにも人間が喋る言葉だけじゃない。機械が喋る言葉の大部分は、共通化されていくつかの系統しかなくなってるんだ」

A氏「そうなんですね。Javaとかですか?」

筆者

「それも一種だけど、たとえばHTMLやそのプロトコルであるHTTPなんかは、それを話す機械がなんであろうと共通したコミュニケーションが取れるようになっている。これ自体が1つの世界共通語と言えるね」

A氏「そういう考え方もできますね。MacとWindowsとケータイで、だいたい同じように動くし」

筆者

「もちろん細かな差異はあるんだけど、だいたいは一緒だよね。これはもちろんそのように作ったから当然といえば当然なんだけど」

A氏「ええと、ということは今はまだ神様がバベルの塔を壊す前の状態ということですか?」

筆者

「コンピュータ、特にHTTPに限って言えば、そういうことになるね」

A氏「便利でいいじゃないですか」

筆者

「表面上は確かに便利だけど、たとえば、Windowsに欠陥が見つかると、それは全世界に影響を及ぼしてしまうよね」

A氏「私は使ってないのでいいですけど」

筆者

「じゃあ、インテルのCPUそのものに欠陥があったら?Macでも使ってるよ」

A氏「CPUに欠陥なんてあるわけないじゃないですか」

筆者

「ほら、それだよ」

A氏「えっ?」

筆者

「そういう先入観が蔓延することが危険なんだ。残念ながら、CPUだって人間の作ったものである以上、欠陥はある。実際、欠陥はいくつか見つかっているんだ」

A氏「知りませんでした」

筆者

「たいていの人はそんなことに関心を払わないよね。でも、ケータイだって、一時期はひどいセキュリティホールが見つかったりしたんだ。電話帳のデータをまるごと誰かに送信してしまうバグとかね」

A氏「えええっ!!!!」

筆者

「そのときは特定の会社の特定の機種だけだったから、被害というか、影響は最小限に留まったけど、もし仮にすべてのケータイが共通のソフトウェア基盤で動いていたら、影響は計り知れなかっただろうね」

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