■一方、アメリカのWebサービスの日本進出は?
■一方、アメリカのWebサービスの日本進出は?
A氏「けど、アメリカのWebサービスは、よく日本でも話題になってますよね?」
「そうかな? Claigslistは知ってる?」
A氏「え? なんですかそれ?」
「『北米で生活するのになくてはならない』と言っていいほど人気のあるサイトさ」
A氏「どんなサイトなんですか?」
「ひらたく言うと掲示板だね。アメリカでは物々交換や個人売買がもともと盛んなんだけど、そういう情報から恋人探し、仕事探し、求人情報まで、ありとあらゆる情報交換が行われているのさ」
A氏「アメリカだけなんですか?」
「東京の掲示板もあるよ。流行ってないけど」
A氏「誰が使ってるんですかねえ」
「東京に住んでるアメリカ人だね」
A氏「ヘェ〜。でも私だったら怖くて利用できないな」
「そうでしょ? それが『国民性』ってやつなんだよね。やっぱり日本人って、正面切って自分の素性をあきらかにした上で知らない人と話をするのは怖いというイメージがある。けど、なぜかアメリカ人は平気なんだよね」
A氏「広いからですかねえ」
「要するに、こういうケース1つとってもこれだけ違いがあるんだよね。」
A氏「他にも日本で失敗したサービスってあるんですか?」
「それは星の数ほどあると思うよ。MySpaceやFacebookもそろそろその仲間に数えても良いかもしれないね……。Facebookは僕も使っているけど、IT業界以外の日本人にはなかなかお目にかからないしね」
A氏「Twitterはどうですか?」
「わからない。Tumblrも含めたマイクロブログは一部の日本人には流行ってるけど、mixiほどの知名度はないしね。まだ勝負はついてないんじゃないかな」
A氏「日本だと、すでにTwitter的なサービスはいくつかありますよね」
「ユーザー数で言えばすでにそっちの方が多いのかもね」
A氏「モバイルはこれからどうなるんでしょう」
「思ったのは、日本のコンテンツ会社が海外に進出するのは、まだ難しいんじゃないかということ。一時期に比べて条件は整ってきたと言えるけど、競争が世界規模で激化してるから、毎日が戦争みたいな感じだね」
A氏「iPhoneでは大手も苦戦してるようですね」
「うちも楽勝ってわけじゃないから、思うんだけど、iPhoneだとまだまだスケールメリットを出して行くのが難しい時期かもね。売り上げの上限がまだ低いから、素人の趣味レベルではチャンスでも、まだメインストリームのビジネス規模には遠い」
A氏「それでも可能性を感じてる人達は多いみたいですね。タッチ操作に魅力もあるし」
「ケータイは端末に多様性があるから難しいよね。同じタッチ操作を実現しようとしても、端末によってかなりバラつきが出てしまうだろうし」
A氏「そうですねえ、選択肢の幅が広がるのはいいことだと思うんですけど、多すぎると困りものですね」
「最近はどの端末を使ってるの?」
A氏「いや、プライベートではずっとiPhoneですよ。周りの人もみんなiPhoneになっちゃってますね。結果的に」
「まだケータイと併用してる?」
A氏「まだ一緒に持ち歩いてるんですけど、だんだんケータイ使わなくなってきて職業としてヤバイ。けど、コンテンツの確認とかありますからね」
「ケータイも、かつての少年マンガのように、読み手と作り手が違う人種だから上手く行ってるのかもね」
A氏「あー、それはあるかもしれませんね。自分で作ってて、『このサイト、こんなデザインじゃ見にくいだろ』とか思っても、あえて派手さを優先するというか」
「でも結果的に、お客さんは派手なサイトを喜んだりして。重いとかは二の次なサイトに人気が集まったりね」
A氏「もっとも、あんまり重いと今度はサーバ負荷がかかるんで、できるだけ軽くする努力はかなりしてますけどね。できるだけ軽いデータで、重く見えるサイトを作るノウハウはかなり貯まりました」
「ケータイ利用の中心世代がティーンエイジャーである限り、iPhoneとは使う人種が違うんだろうね。だいたい、我々はふだん着メロもデコメも使わないしね」
その八! ケータイコンテンツとiPhoneアプリは今のところ住み分けができている。 ケータイを卒業したらiPhoneを使うべし!
- この記事のキーワード :
関連記事
黒船襲来! 日の丸モバイルの明日はあるか? - shi3zの明日のモバイルほろ酔い語り
2008年12月24日 9:00
“iPhoneとAndroidの時代”のWEBデザイン- 明日のモバイルほろ酔い語り
2009年4月23日 10:00
iPhone「発売一か月。正直どうなの?」 - shi3zの明日のモバイルほろ酔い語り
2008年8月19日 11:00
iPhone「なにがあっても買うべし! 買うべし!」 - 明日のモバイルほろ酔い語り
2008年7月7日 9:00
人類の歴史上もっとも成功したモバイルコンテンツとは? - shi3zの明日のモバイルほろ酔い語り
2008年10月30日 10:00
読者投稿がTwitterやニコ動で済む時代の“メディア”の価値とは? - 明日のモバイルほろ酔い語り
2010年3月8日 9:00
バックナンバー
この記事の筆者
清水 亮
株式会社ユビキタスエンターテインメント
代表取締役 兼 CEO
電気通信大学在学中に米Microsoft Corp.の次世代ゲーム機向けOSの開発に関わり、1998年末に株式会社ドワンゴ入社。1999年に同社で携帯電話事業を立ち上げる。2002年退社し、米 DWANGO North America Inc.のコンテント開発担当副社長を経て2003年独立。2005年、独立行政法人情報処理推進機構により、天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定される。
筆者の人気記事
ソーシャルアプリが1か月で100万人も集められた裏事情 - 明日のモバイルほろ酔い語り
2009年12月22日 10:00
いま再び注目を集めるTwitter - 明日のモバイルほろ酔い語り
2009年11月9日 8:00
AR(拡張現実感)から見たモバイルゲームの未来像- 明日のモバイルほろ酔い語り
2010年5月6日 9:00
“iPhoneとAndroidの時代”のWEBデザイン- 明日のモバイルほろ酔い語り
2009年4月23日 10:00
バイバイ・コンピュータ ― Androidはクラウド携帯の夢を見るか?- 明日のモバイルほろ酔い語り
2009年9月17日 10:00
人類の歴史上もっとも成功したモバイルコンテンツとは? - shi3zの明日のモバイルほろ酔い語り
2008年10月30日 10:00

