読者投稿がTwitterやニコ動で済む時代の“メディア”の価値とは? - 明日のモバイルほろ酔い語り
今回のテーマは、「雑誌」。Webがさかんになる一方で、紙媒体は冬の時代と言われ続けている。実際に、書店も出版社も商業的に厳しい状況が続いている。しかし、「雑誌」という“場”のありようや、コンテンツの考え方は、Webの時代でも、形を変えてメディアを変えて発展しているものもある。今回はその周辺事情を語り尽くしてみた。
登場人物
H氏=某誌編集長。筆者とは長年の知己だったが最後に会ったのは5年前。
代わりゆくメディアとモバイル
■雑誌の先行きは暗い?
H氏「ごめんごめん。ずいぶん久しぶりだね」
H氏「そうそう。編集長になったよ。まあでも雑誌の編集長なんてさ、今頃なっても先行き暗いぜ」
H氏「でもこうしてひさしぶりに会って、さらに感じたけど、いまって驚きの時代なんだよな。個人的には」
H氏「いや、だってさ、2010年だぜ。おれ、10年前には絶対、2010年にもなったら紙媒体なんか消滅してると思ってたもん。」
H氏「しぶといよ。ただ今はサッカーで言えばロスタイムみたいなもんだからさ。ここでそろそろ次につながるシュート決めないと」
H氏「それに情報誌なんて一番キツいぜ? だいたい情報なんて全部ネットとケータイにあるんだからさー」
H氏「それがさー。実売(本の売上げの収入)なんだよね。広告ももちろんあるけど、ほとんどは実売」
H氏「やっぱ広告主体にすると、どうしても誌面がつまんなくなるんだよね。逆にそれこそネットの媒体って広告企画みたいなのばっかりじゃん? うちはガチンコでスキモノが集まって気に入ったネタしか載せないからさ。それくらいしか勝負どころないと思ってるし」
H氏「ただ、それくらいしか勝負どころないんだよなー」
H氏「っていうか久しぶりに見るなよ!」
H氏「まあそのための情報誌だしねえ」
■熱狂的な読者はどこにいった
H氏「あ、そうなの?」
H氏「そう来るか(笑)。まあ買ってもいいけど…なんか新しくてオモシロいことできないかなって考えてたんだよね」
H氏「雑誌の機能って、まさに“新しいことないかなー”“オモシロいことないかなー”って思ってる人に買ってもらうわけじゃん?おれ、知らなかったんだけど、『i書道』ってiPhoneの書道アプリって、清水んとこのやつなんだって?」
H氏「ああいうの、いいよね。なんかわかりやすいけど新しくて」
H氏「そういうダイナミズムが今の雑誌にはなくなってきちゃったんだよね。なんかすごい熱狂的な読者が勝手にすごいもの作って送り付けてくるとか。昔は結構あったんだけどな」
H氏「400号!?すごいねそれ。月刊誌ってことは、30年くらいやってんの?」
H氏「おれも聞いたことないような雑誌作ってて、よく会社も編集部も維持できてるよなー。しかもパソコン誌かあ。熱狂的な読者がいるんだろうね」
H氏「投稿って言葉自体、なんだか懐かしい響きあるね」
H氏「清水とか投稿やってそうだよな」
H氏「あ、そうなんだ」
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