居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り

モバイル業界「これだけは知っておけ!という情報の押さえ方」- 明日のモバイルほろ酔い語り

居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り

ここは、東京下町のとある居酒屋。板だけ載せた酒瓶ケースの上に、ずらりと焼鳥やもつ煮を並べ、路上で立ち飲みが基本の店だ。気さくなおかみさんが、手作りの肴を振る舞ってくれ、深夜までずっと賑わっている。

そんな気取らない店に、IT系勤務のホットなやつらが夜な夜なつどって業界の噂話に花を咲かせ、ときには激高しときには愚痴をこぼし、ときには成功を喜び合う……。店内では、聞き逃せないような最新情報、そしてモバイルの未来に関わるような貴重なアイデアが飛び交っているのだ。

今日も、おもしろそうな会話が耳に飛び込んできたようだ。

文、写真:清水亮(ユビキタスエンターテインメント)

連日大賑わいの、上野アメ横ガード下の焼き鳥屋。本郷に拠点を置く筆者にはお馴染みの店で、モバイル業界に転職したばかりの新米Webディレクター、K子さんとモバイル業界歴5年のプロデューサーW氏が酒を酌み交わす。

モバイル業界
「これだけは知っておけ!という情報の押さえ方」

■モバイル業界人がとりあえずiPhoneを買う理由

登場人物

筆者

筆者=モバイル歴9年。モバイルCMS開発を手がける
K子=モバイル歴1か月。モバイル業界に転職したばかりの新米Webディレクター
W氏=モバイル歴8年。勝手サイトから公式サイトまで豊富な経験を持つベテランプロデューサー

「大統領」01

K子「わー!凄い!それ、iPhoneですか?白?」

W氏「そうだよ」

筆者

筆者「Wさんも買ったんだ?」

W氏「取りあえずね。一応押さえとかなきゃでしょ」

K子「いいなあ、自分で買ったんですか?」

W氏「うん。うちはiPhoneにはまだ参入してないからね。とりあえず自腹」

K子「リッチだなあ」

筆者

筆者「やっぱりiPhoneを買う人って、そういうイメージなのかな」

K子「リッチですよー」

W氏「この業界に来たんだったら、こういう新しいガジェットは自腹切って体験しないと駄目だよ!

筆者

筆者「確かに。この業界はガジェット好きは多いからね」

K子「どうしてでしょうかね?」

W氏「最先端のモバイル機器に触れて、そこにどんなコンテンツがあるのか、在りうるのか、常に考えるのさ」

K子「でも、モバイルサイトって、ものすごくたくさんありますよね、公式サイトだけでも。とても全部見切れないですよ。本に書いてあるのを読むんじゃ駄目なんですか?」

W氏「自分で体験しないとわからないことってあまりにも多いよ。たとえば旅行とかしない?」

K子「あ、旅行は好きです」

筆者

筆者「どこらへんに行くの?」

K子「アジアとか、ヨーロッパとか海外が多いですね」

W氏「実際に行ってみるのと、写真で見るのと違ったでしょ?」

K子「そりゃもうぜんぜん違いますよー。写真や言葉じゃ絶対伝わらないことって多いですよ」

W氏「それと一緒だよ。モバイル関係の情報も、ガイドブックに載っている紹介記事と、実際に使うのでは全然違う。実際に持ち歩いて、使ってみて初めてわかることがあまりにも多いよね」

筆者

筆者「iPhoneの良さは使わないとわからないしね。良いところもそうでないところも。“体験に勝る勉強なし”だよ

K子「なるほどお」

■出版業界とモバイル業界の共通点は?

「大統領」02

W氏「ところでK子さんはどうしてモバイル業界に転職して来たの?」

K子「景気よさそうじゃないですか。前は出版社にいたんですけど……」

筆者

筆者「モバイル業界って、景気いいのかなあ……」

W氏「ちょっと前はよかったけど、最近は微妙かもね。大手もどんどん縮小してるし」

K子「え、モバイル業界って景気悪いんですか!?

W氏「いや、一極集中が崩れただけで、業界全体は成長を続けているよ。ただ、いまはちょっと停滞気味かな」

筆者

筆者「iPhone以降、次の展開が各社なかなか見えて来ませんねえ」

K子「そうそう。聞こうと思ってたんですけど、モバイルサイトってどうやって作るんですか?

W氏「根本的な疑問だなあ(笑)。会社では教わらないの?」

K子「それが、あんまり教えてもらえないんですよねえ。今は先輩に付いていって、なんとなく仕事の流れを確認している感じです」

筆者

筆者「モバイルコンテンツ業界と出版業は比較的似てるからね」

K子「え、ぜんぜん違いますよ?」

筆者

筆者「ところが業態は似てるんだ。どちらもコンテンツ、つまり文章や写真といったものを編集して、エンドユーザーに提供するというところは同じ」

K子「なるほど。記事を作る作業そのものが似てるんですね。

■モバイルサイトの管理システムの特徴

W氏「実際、出版業界から来るモバイル業界人は多いよね。“おもしろい記事を作る”ノウハウがそのままサイト運営にも活きるから」

筆者

筆者「そのぶん、逆に細かい勝手が違って戸惑うことがあるかもしれないけどね」

K子「そうなんですよ。とにかく驚いたのは、サイトによって更新方法や管理のやりかたがぜんぜん違うことでした」

W氏「ありがちだね」

筆者

筆者「サイトごとにバラバラな場合が多いよね。そういうときのために“CMS(コンテンツ管理システム)”が必要なんだけど」

K子「システムごとに担当者が違うし癖やできることも違うから、担当が変わると運用方法そのものも変えないといけないんですよ」

W氏「それは明らかに非効率なんだけど、業界が急成長してくるときに生まれてしまったひずみだね。うちは汎用的なCMSですべてのサイトを管理しようってことで一念発起して清水さんとこのCMSを入れたけど、まだすべてのサイトを統一するところまでは行ってない」

筆者

筆者「既存のシステムを引き継ぐというか、引っ越すというのはもっとも多い依頼ですね。ただ、そこまで予算を掛けられるサイトばかりではないので、不人気なサイトについては古いシステムのままの運用を余儀なくされることもしばしば」

K子「そうそう。私がこんど担当になったサイトのシステム、ひどいんですよ。全部のページをエクセルの表で作って、CSV形式にして出すんですけど、番号の管理とか全部手動なので、よく間違えるんです」

W氏「きちんとしたCMSを導入してないとその手の話は良く聞くよね。システムの欠陥を人的リソースで賄うっていう……」

筆者

筆者「ただ、そうしてしまうと、初期費用は抑えられても、運営費に響いてくるんですよね。開発者以外使えないようなシステムっていうのは」

■モバイル大手サイトとCMSの関係

「大統領」03

K子「手間が多いと、企画を考えたくても考える暇がないですからね。なんとかしてほしいです。Wさんが手がけていらっしゃるような大手サイトはどうされてるんですか?」

W氏「うちは月間2000万PVくらいのサイトをいくつかやってるけど、劇的に効率化できたのは、CMSを統一してからかな。もちろん、新しい企画やオマケ的な機能拡張もちょこちょこやってるけど、日々の運用という一番手間のかかる部分を効率化できたというのがとても大きい。人の教育も楽だ」

K子「えっと…いまさら聞くのもあれなんですけど、“CMS”ってどういうものですか?」

W氏「コンテンツ管理システム。ま、それは清水さんのご専門だけど」

筆者

筆者「しゃべっていい?(笑)」

K子「CSVとは違うんですよね」

W氏「ぜんぜん違うよ」

筆者

筆者「CMSはContent Management Systemの略で、つまりコンテンツ管理システムのこと。Webサイトを作るツールだと思えば間違いない」

K子「ブログみたいなもの?」

W氏「そう。ブログみたいな」

筆者

筆者「ブログはCMSの形態の1つだね。ただ、ブログ形式で表現できるサイトには限界があるし、ブログ型CMSでは苦手なサイトもある。その際たるものはモバイルサイトだね

W氏「とくに公式サイトは苦手だね」

K子「え、どうしてですか?」

筆者

筆者「公式サイトは課金するコンテンツが前提になるし、入退会の処理も必要。モバイルサイトの場合は、さらにキャリアごとに違う絵文字への対応や、動画、Flash、デコメなど、モバイルならではのデータへの対応をきめ細かにやらないとならない」

K子「それってもしかして、PCのWebサイトより大変ですか?」

W氏「そりゃそうだよ。PCの場合、ブラウザなんてIEとFirefoxくらいを想定しとけばいいだろ?」

筆者

筆者「それとSafari」

W氏「そう。MacユーザーはSafari(笑)。たった3種類。バージョン違いを考慮しても10種類くらいだろう。ところが携帯では何百という種類のブラウザ(端末)がある

筆者

筆者「しかも増え続ける。新機能もどんどん出てくる。こういうものにきめ細かに対応するには、従来のCMSでは難しいんだ

K子「そういえば、まったく同じサイトなのに、キャリアごとに管理システムがぜんぜん違ったりするんですよ〜」

W氏「それは古い世代のシステムを使ってるからだね」

筆者

筆者「もっとも、他の理由、たとえば契約上の理由とか料金的な問題とかで複数のシステムが混在するケースは確かにあるよ。もちろん、同じサイトなら3キャリアで共通のシステムを導入するのが理想的だけどね」

K子「知りませんでした。うーん、システムがもっと効率的なら、残業は減るのかあ」

W氏「まあ難しい話はいいや、飲もう」

■モバイル業界を知るには?

「大統領」04

W氏「この煮込み、美味しいね」

筆者

筆者「ここは何を食べてもおいしいんですよ」

K子「モバイルって知らないことばかりだなあ」

W氏「まあね、変化の激しい業界だから」

K子「みなさん、どうやって勉強してるんですか?」

筆者

筆者「やっぱり、人気のあるサイトの噂を聞き付けたら、まずやってみたりとか」

W氏「そうだね。あとは業界の人のインタビュー記事読んだり」

筆者

筆者「ほんとに読んでるの?(笑)」

W氏「読むよー、日経より役立つよ」

K子「なるほどぉ。なにか一冊の本にまとまってないんでしょうか」

W氏「業界紙っぽいものは今はないからねえ」

筆者

筆者「ネット上のサイトもニュースしかないしね」

W氏「モバイル業界って、なんていうか、“知識”より“魂”が重要なんだよ

筆者

筆者「いいこと言うね」

K子「ソウルですか?」

W氏「そう。なんていうかな、まあ言ってしまえば“変な奴ら”しかいないワケ。でもそいつらが“どう変なのか”を知っておくと理解が早いと思う」

筆者

筆者「そうだねえ。それだったら、『iモード事件』がまずお勧めかな

iモード事件
『iモード事件』
松永 真理著
定価:税込み1,365円
角川書店刊

K子「『iモード事件』…それって本ですか?」

W氏「そう。松永真理さんといって、iモードを立ち上げた、女性編集者の自伝なんだ」

筆者

筆者「読みやすいし、業界の『ソウル』についてはだいぶ解るんじゃないかな」

K子「へー」

W氏「この業界の人はだいたい読んでるよね。主要な登場人物は未だに重要な役職に付いていることが多いし」

筆者

筆者「そうだね。うちも新人が来るととりあえず『iモード事件』を読ませるよ」

K子「そんなにメジャーなんですねえ、解りました。こんど本屋さんで注文します」

筆者

筆者「いや、いまケータイからAmazonで注文したよ。君の会社に届くようにしといたから」

K子「えっ早い」

筆者

筆者「ささやかな転職祝いってとこかな。こうでもしないと忘れちゃうでしょう」

K子「うー、図星かも。わかりました。ちゃんと読みます。」

W氏「じゃあしっかり読んで、オモシロいサイト作ってね」

K子「はーい、頑張ります」

※写真はイメージです。

その三! モバイル業界人なら『iモード事件』を読むべし!
残業をなくすため、CMSを見直すべし!

筆者のお気に入り居酒屋情報
大統領

大統領
住所:東京都台東区上野6-10-14(地図
電話:03-3832-5622

もつ焼きが美味しい超有名店。路上でわいわいと飲み交わすスタイルは老若男女に人気。昼間から大賑わいの下町らしい居酒屋だ。

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