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起業生活で逆境を乗り切る10の知恵

不景気でも心が負けないために、SEOmozのRandfishが心のよりどころにしている、ごみの山から見つけたダイヤモンドのように貴重な知恵を10項目、お届けする

どんな経済状況の下でも、起業するのは大変だ。それに加えて、今はこの経済危機だ。心が折れそうな困難にぶつかることも珍しくない。でも僕は、これまで出会った多くの起業家たちと同じように根っからの楽観主義者だから、こんな厳しい状況の中でも希望を持っていたい。そこで今回は、僕が心のよりどころにしている、ごみの山から見つけたダイヤモンドのように貴重な知恵をいくつか披露しよう。

When Startup Life Gives You Lemons

#1 無収入の生活は強み

起業した最初の数か月や数年間は、学生でさえ嫌気がさすくらいの給料しか出ないことが多い。でも、この苦しい生活が、あとあとすばらしい財産になる。大企業の何分の1という報酬で働いてくれる、とんでもなく有能なエンジニアや役員たちに恵まれるんだからね。浮いた利益は会社に再投資して、競争で大きな強みを得る目的に使える。

#2 優秀な人材を雇う金がなければ、自分でその能力を身につけろ

SEOmozでも、専門家に仕事を外注したり専門家を雇ったりする金のない時期がたびたびあった(特に最初の数年間はね)。だから僕らは、自分たちで「それ」を(「それ」が何であろうと)身につけるしかなかった。実際、僕がSEOの道に入ったのも、それが理由だ。うちには外注で有能な助っ人を頼む余裕がなかったから、困っているクライアントの力になるために僕はSEOを学んだんだ。

#3 困難な時期を生き抜くことは、しばしば成功につながる

ジリアンと僕は、1997年に一緒に仕事を始めた。そして2000年には、ウェブデザイン/開発会社を作り上げるすばらしい計画を手にしていると思っていた。そんなとき、技術系新興企業の世界を不況が襲った。Webサイトのために7桁や8桁の金額を払う人はいなくなり、僕らの事業は試練のときを迎えた。2004年に苦難から抜け出したとき、僕らは前より強く、賢くなっていて、次の好景気の波をうまく利用することができた。2009年がどんなに悪い状況に思えても、それだっていつかは終わる。ここをくぐり抜けた人は、飛躍への力を手に入れるはずだ。

#4 ゲリラマーケティングは、広告費がどれだけ増えても価値ある手法

新興企業は、会社/製品/サービスをブランドとして確立させるために大規模な広告キャンペーンを張るお金なんてないから、口コミなどのバイラルマーケティングに頼るしかない。でもこれは、会社がどれだけ大きくなっても有効な、とてつもなく価値のある手法なんだ。アイデアというウイルスを広めるのに何が必要かを知ることは、君の会社にとって競争を勝ち抜く上で大きな強みになる。

#5 混乱は創造性を培う

創業間もない企業は、いたるところで秩序が乱れ、手順が抜け落ち、構造が欠如している。これらは確かに解消すべき問題なんだけど、その一方で、古いやり方を見直して、より賢く、創造的で、小回りのきく会社を作り上げる機会でもあるんだ。何もかも揃っている環境では、「型にはまらない」発想なんて必要ないだろう? 必要は発明の母なりだ。

#6 厳格さからの解放が生産性を高める

これもまた、プロセスの欠如という困った要素を、逆に強みに変えようという話だ。管理統制は、大きな組織では確かに生産性を向上させるけど、小さな集団や個人ならではのやり方を妨げてしまう。僕は常々、デザイナー/開発者がたった1人しかいない中で、自分たちがこれだけの仕事をこなせていることに驚いていた。それにもまして感動的だったのは、無謀とも思える目標を掲げて、わずかな資金と自由だけを手に、わずかな人数だけで自分たちの道を切り開き、去年はそれをこんな形で結実させたことだ。

#7 間違いが許されない状況は、成功と失敗をいち早く見極める能力を育てる

成功か失敗かしかない状況に追い込まれているときは、すぐその先に破滅が待っているのではないかと、あらゆる行動を逐一分析するものだ。こういう厳しい監視の目は、もし失敗に向かっている場合には、いち早く軌道を修正するのに役立つし、成功する場合には、何が良くて何が悪かったのかを正確に知る手がかりになる。失敗への恐怖はやる気を引き出す大きな原動力だし、物事を批判的に考える風潮を育てる。そういう考え方を身につけた人は、先を見通す目を曇らせる会社組織にいるよりずっと早く、仕事のスキルを高めることができる。

#8 ゆるやかな上下関係は共感を高め、リーダーシップを育てる

単純な組織では、創業者や意思決定者が常に従業員と緊密な距離感を保っていられる。僕はこれが、より優れた経営者を育てるものだと考えている。従業員たちの日々の奮闘を知ることができるし、よそよそしいだとか、自分のチームが抱えている現実に無関心だとかみなされることがないからだ。それが常にいいこととは限らないけど、従業員をよく理解し、従業員からも理解してもらうことは、仲間意識を育む大きな力になるし、自分の事業が順調か行き詰っているかを見極める一番の近道でもある。

#9 上の人間が手出しをしなければ、下の人間は輝きを放てる

これを書いた日に話題を集めた記事がある。それは、「ビジネスの世界で悪趣味が幅を利かせる理由」について、ジョン・グルーバー氏の見解を取り上げた記事だ。同氏はこう指摘している。

悪趣味だったり、デザインの感性に欠けるリーダーは、優秀なチームのすばらしい仕事をすっかり台無しにしてしまう。こういうリーダーは、すでにかなり良くできているものに、思いつきでくだらない要素を付け加える。さもなければ、質の悪いものをそのまま出荷させてしまう。一番よくやるのは、まだ完成していない製品を無理やり市場に出してしまうことだ。たとえば、何が何でもリリース予定日に間に合わせようとすると、どうしても製品の品質が犠牲になってしまう。すでに失敗しつつあるプロジェクトに製品マネージャやプロジェクトマネージャを投入すると、多くの場合、火のついた人間にガソリンの入ったバケツを渡すような結果になるのはそのためだ。

起業して間もないうちは、自らプロジェクトを監督したり、細かいことに口を挟むような余裕はほとんどない。最初のうちは、それが弱点だと思えるかもしれない。だけど、いい面もある。自分のスタッフがすばらしいものを作り出すところを、何のフィルタも通さずに見られるし、それが本当に優れた仕事なら、放っておいても自ら光り輝くはずだ。

#10 孤独は成長の通過儀礼

新興企業のCEOという地位にある多くの友人から、会社を率いることは、彼らがそれまで経験した中で最も孤独な仕事だという話を聞かされる。自分の友人を雇っても、多くの場合はけんかになったり、レイオフで失ったり、仕事上の関係を維持するため距離を置かなければならなかったりという羽目になる。彼らは、自分の立場を理解してくれる人などほとんどいないと感じている。あるいは精神的に、興奮と落胆、不安と期待を行ったり来たりしている。

だが実際には新興企業のコミュニティ、とりわけ技術系分野のコミュニティはどんどん結びつきを強めていて、そうした繋がりが僕たちみんなを強く、賢くしてくれている。孤立することを、世捨て人みたいになるきっかけなんかにしちゃダメだ。むしろそれを、経験を同じくする人たちで作られた新しい会員制クラブに入会し、仲間の起業家たちと交流を持つための、手荒い歓迎の儀式だと考えよう。きっとそこには共感と、互いに手を取り合い、よき助言者となり、励まし合おうという思いが溢れているはずだ。

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