目指せ収益UP!LPO講座

目指せ収益UP!LPO講座(2)―効果の測定指標、CPA、ROASとは

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広告の課題を発見し、改善につなげていくためには、さまざまな広告効果の指標を正しく読み取る必要がある。今回はLPOの効果を測定するための基本的な指標となる、コンバージョン数(率)、CPA、ROASについて解説する。

高ければ高いほど良い「コンバージョン率」

検索連動型広告で思うような成果を得られていないときは、まず運用中の検索連動型広告の状況を把握してみてほしい。前回、説明した通りスポンサードサーチのコンバージョン測定機能を用いると、インプレッション数やクリック数、クリック率といったデータだけでなく、コンバージョン数、コンバージョン率、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用1円あたりの売り上げ)といった指標も確認できるようになる。これらはLPO(ランディングページ最適化)の効果を測定する際にも有用なので、しっかりと使いこなせるようになっておこう。

まずコンバージョンとは、前回説明したとおり、見込み客をウェブサイトに誘導したことにより獲得した、何らかのビジネス上の成果のことだ。具体的には商品の購入、資料請求や会員登録、セミナーなどへの申し込みがコンバージョンに該当する。

そしてコンバージョン率(コンバージョン・レート=CVRとも呼ばれる)とは、検索連動型広告がクリックされた回数(クリック数)のうち、コンバージョン獲得件数(コンバージョン数)の割合を示す指標だ。以下の式で計算する。

コンバージョン率(%)=コンバージョン数÷クリック数×100

たとえば、クリック数が500、コンバージョン数が10の検索連動型広告であれば、10÷500×100で、コンバージョン率は2%になる。

検索連動型広告の最終的な目的は、できるだけ多くのコンバージョンを効率的に獲得すること。コンバージョン数及びコンバージョン率は、数値が高ければ高いほど良いと単純に考えることができる。

逆にコンバージョン数やコンバージョン率が著しく低いときは、キーワードや広告(タイトルと説明文)よりも、ランディングページに問題があることを疑った方がいい(図参照)。

キーワードや広告の見直しで改善できる問題点
問題点主な原因主な対策
インプレッション数が少ない
  • 入札キーワードの検索数が少ない
  • 広告予算が少ない
  • 入札キーワードを増やす
  • ビッグキーワードへの入札
  • 検索方式は「部分一致」を選択
  • 予算を増やす
クリック数が少ない
  • キーワードと広告(タイトルと説明文)の関連性が低い
  • 広告掲載順位が低い
  • 広告に訴求力がない
  • キーワードと広告の関連性を高める
  • 広告掲載順位を上げる
  • 訴求力があり他社と差別化できる広告を制作
クリック率が低い
  • クリック数が少ない
  • 余計なインプレッションが発生している
  • 「クリック数が少ない」場合と同様の対策を実施
  • スモールキーワードを活用する
  • 2語以上のキーワードの組み合わせに入札
キーワード/広告の見直しに加え、LPOが必要な問題点
問題点主な原因主な対策
コンバージョン数が少ない
  • ランディングページの設定が不適切
  • 広告とランディングページの内容の不一致
  • ランディングページの情報が十分でない
  • ランディングページの使い勝手が悪い
  • トップページではなく商品ページにランディングページを変更
  • 広告とランディングページのコンテンツの関連性を高める
  • 顧客が意思決定を促すための情報を提供
  • 商品購入手続きの簡略化などランディングページの使い勝手を向上させる
コンバージョン率が低い
  • コンバージョン数が少ない
  • クリック数が多すぎる(不必要なクリックが発生している)
  • 「コンバージョンが少ない」場合と同様の対策を実施
  • あいまいな広告表現を改め、広告の訴求ポイントを絞る
  • コンバージョンにつながっていないキーワードの入札をストップする
CPAが高い/ROASが低い
  • コンバージョン数が少ない
  • コンバージョン率が低い
  • 広告コストが高い
  • 入札価格(平均CPC)が高い
  • 「コンバージョンが少ない」「コンバージョン率が低い」と同様の対策を実施
  • 広告の品質を高める(クリック率などを向上させる)
  • ビッグキーワードへの入札を見直す
  • 入札価格(平均CPC)を下げる

CPAとROASで広告の費用対効果を把握

検索連動型広告を上手に活用するためには、広告の「費用対効果」を常に意識する必要がある。できるだけ低いコストで、多くのコンバージョンを獲得できる広告を目指し、継続的に改善を積み重ねていくことが大事になる。そしてその改善のモノサシとなる指標が、CPAとROASだ。

CPAは顧客獲得単価とも呼ばれており、1回のコンバージョンを得るために、いくらの広告コストがかかっているかを表す。計算式は、以下の2通り。

CPA=広告コスト÷コンバージョン数
CPA=平均CPC÷コンバージョン率
※CPC(クリック単価):クリック1回当たりの料金。

下段の式は、上段の式を変形したものだ。広告コストは 平均CPC×クリック数 とも言えるので、CPA=(平均CPC×クリック数)÷コンバージョン数 となり、平均CPC×(クリック数÷コンバージョン数)=平均CPC÷(コンバージョン数÷クリック数) と変形できる。さらに、本記事の冒頭で述べたように、 コンバージョン数÷クリック数 はコンバージョン率であるため、CPA=平均CPC÷コンバージョン率となる。

計算式を見ればわかるように、CPAは値が低ければ低いほど費用対効果の高い広告であることを示している。逆に商品価格(売り上げ)に占めるCPAの割合が多いケースは、広告コストが利益を圧迫している可能性が考えられる。早急な改善が必要だ。

一方、ROASは広告コストの回収率、つまり広告費用1円につき、いくらの売り上げを得られたかを表す指標で次のように計算する。

ROAS=売り上げ÷広告コスト

ROASは、CPAとは逆に数値が高いほど、売り上げに効率よく貢献している広告であることを表す。期待していたほどの売り上げが得られていないときには、CPAと同様の改善策を実行する必要がある。CPA、ROASとも、数値を改善するためにはコンバージョンの向上が不可欠であり、ランディングページも含めて広告を見直さなければならない。

なおROASを測定するためには、販売案件ごとの売り上げを動的な値として取り込める環境を整えたうえでコンバージョン測定用タグを設置する必要があり、専門的な知識が必要だ。しかし、「固定平均値」に平均客単価を設定したコンバージョン測定用タグを使うことで、簡易的にROASを計測することもできる(画面参照)。ぜひ活用してほしい。

ROASの計測。
簡易的にROASを計測するためには、「効果測定の設定」画面下部の「コンバージョン測定」において、売り上げ額のプルダウンメニューから「固定平均値」を選択し、金額欄に平均客単価を入力する。その後「保存」ボタンを押し、発行されたコンバージョン測定用タグを、自社のウェブサイトに貼り付ける。ROASの数値は、管理画面のレポート画面で確認できる。

※上記画面はサンプルです。実際の表示とは異なる場合がありますのでご了承下さい。

用語集
CPA / CPC / CVR / LPO / Overture / ROAS / インプレッション / オーバーチュア / キーワード広告 / クリック率 / コンバージョン / コンバージョン率 / スポンサードサーチ / 効果測定 / 検索連動型広告 / 顧客獲得単価
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