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「Google裏金」問題――検索エンジンと有料リンクのバトルは当分終わらない

今朝、アンディ・グリーンバーグ氏がForbes誌のテクノロジセクションのフロントページに「Googleが裏金を追放(Google Purges the Payola)」と題する記事を書いていた。検索エンジンと有料リンクとのバトルに焦点を当てたものだ。大方の見るところでは、このバトルはまだ終わりそうにない。

たいていのユーザーは、スポンサー付きのリンクと広告の違いがはっきりはわからない。英国の雑誌『New Scientist』のサイトで考えてみよう。New Scientistのサイトはホームページのいちばん下あたりに「スポンサー付きリンク」がある。歯の美白のサイトや、婦人靴を販売するドイツ語のサイト(New Scientist読者の多くはたぶん興味を示さない)など、意外なサイトにつながっていて不思議な感じがする。

※Web担編注 これらのスポンサードリンクは、編集時点ではNew Scientistのサイトでは確認できなかった。

実は検索エンジンの複雑怪奇な仕組みの世界においては、このようなリンクでも、誰かがGoogleで「白い歯」やドイツ語で「靴」と入力して検索したときに、その美白や靴のサイトの検索順位を上昇させる効果がある。

検索エンジンは、この手のお金で買う人気を嫌っている。Googleのウェブマスターのガイドラインは単に検索順位を上げるためのリンク購入を禁止しており、リンクを基に検索順位を決めるGoogleの手法をまねているYahoo!、Ask、MSNなど他の検索エンジンも、リンクの売買にはいい顔をしていない。

しかし、ウェブでの商取り引きが盛んになると、みんなにとってリンクの価値が高くなった(Googleを含む)。それが新しい動き(Googleからすれば詐欺行為)につながっている。

今夜、みんなのメールに返信を書いているとき、いくつかタブを開いては「stumble」ボタンをクリックしていた。そう、僕はStumbleUponが大好きなんだ。だって、StumbleUponはウェブからすばらしいサイトを教えてくれる。そのとき、僕はある奇妙なパターンに気がついた。僕が最初にたどり着いたサイトは、右下の隅がこんなふうになっていた。

右下

うわ……有料リンクが並んでいる。案の定、「nofollow」属性は付いていない。でも、もしかするとこれはたまたまかもしれないので、もうちょっと見てみよう。

次のサイトはフッターにこれがあった。

ワードプレスのテーマ

まさか! ウェブホスティングの企業がスポンサーになっているWordPressのテーマを使っている。このWordPressのテーマはクリエイターのところにリンクしているのだけど、ICDSoftのリンクは彼らのサイトにつながっていて、リンクタイトルが「web hosting by ICDsoft」ってなってる。これは奇妙な偶然の一致? ああ、そうかもしれない。でも気になるから調査してみよう。もしかすると、これで良いブログが書けるかもしれない(おちつけ。Randはいま「第四の壁」を破ってしまったのか?)。

3つ目のサイトはサイドバーにこれがあった。

onemansgoal-sidebar

「Feng Shui Store」へのリンクと「SEO Services」へのリンクは「nofollow」属性が付いていない。もちろん驚きだ。

それから20分かけて、僕はさらに16のサイトを見てまわった。すると、Googleのいうところの「裏金」に該当しそうなリンクがあるサイトがさらに6サイト見つかった。順に見ていこう。

バナーリンク

このサイトは、ページトップに広告リンクがあって、「nofollow」属性は付いていない。たしかに、もしかすると2つのサイトは所有者が同じなのかもしれないし、あるいは、このサイトは内容的にリンク先を推薦しているのかもしれない。どちらも大いにありえる話だけど、断言するのは非常に難しい。

次のサイトは、ずーっとスクロールしてもらうとわかるけど、怪しげなリンクが大量に並んでいる(ただ繰り返すと、このリンクが本当に「裏金」ありなのか判断するのは難しい)。

createbusinessgrowth-sideba

お次は、デザインのかわいいブログで、Feedburnerに関する投稿があった。でも、サイドバーを見てみると……。

afeedisborn-sidebar

僕が見たところでは、「MARKETPLACE」ウィジェット内にあるBizrate.comのリンクは直通していてリンクジュースを渡している。そのためか、いま現在Googleにおいて、これら4つのキーワードについてBizrate.comはかなり上位に入っている。

次のサイトも、(レイアウト的にだけど)かなり怪しくて、まさに「さっと通り過ぎてね」的なリンクが、ページのいちばん上にかわいらしく並んでいる。

pink-top-links

続いては、知っておくべきラテン語の言葉や表現について書いたすばらしい記事を掲載しているブログ。その記事は結構なんだけど、ただ……。右上の隅にあった4つの画像リンクを見てほしい。「nofollow」属性はなしだ。

four-image-links

次のサイトは、ピンク色のテーマを使った、乳ガンに対する認識を向上させようとしているサイトで、そのことはすばらしいと思う。サイドバーに怪しげなリンクはまったく見当たらなかったのだけれど、もう少し下へとスクロールしていくと、おなじみのPayPerPostのバッジ広告が目に入った。

thesocalledme-payperpost

個人的には、このPayPerPostなどのブログにお金を払ってくれるサービスは、そのことが明示されているかぎりすばらしいと思っている。さらに言うと、そのうちSEOmozのプレミアムコンテンツで利用してみようかと考えているところなんだ。でも、こうしたサービスは、間違いなくアンディがForbes誌に書いた条件に当てはまっていて、Googleはこれまでこのようなサービスを非難してきた。おそらく「裏金行為」に入れられてしまうのだろう。

もちろん最後は、一回りして最初に戻らなけばならない。Forbes.comにも怪しげなページがたくさんある。SEO界でもこれまでに何度か報告されていることなので(おそらく現在、Googleがリンク価値をゼロにしているはずだ)、話をしてもいいと思う。簡単に説明すると、Forbesの多くのページは、いちばん下に次のようなドロップダウンメニューがある。

Forbes Special Advertising
Forbesのスペシャル広告のドロップダウン・メニュー

問題は、サイトのHTMLコードを見ると明らかになる。たとえば次のようなコードがある。

Forbes Noscript Tag
Forbesサイトの「noscript」タグの内容

「noscript」とは、ブラウザでJavaScriptが有効な場合は無視されるが、JavaScriptが有効になっていない場合の代替表示コンテンツを書いておくHTMLタグだ。ドロップダウンリストと同じ内容がリンクとしてしっかりと示されているため、検索エンジンのロボットはこのリンク先にたどり着ける。

リンク先ページは以下のようになっている。

Forbes Mesothelioma Attorney Page
Forbesサイトの、中皮腫問題の弁護士のページ

ページの上部で、(雑誌の広告セクションのように)ここがスポンサー付きのページだということが明記してあるが、リンクは「nofollow」属性が付いていない。思うにこれが理由で、ForbesのこうしたページはGoogleのインデックスに見当たらないのだろう(ただ、確認したページはすべて、Yahoo!でもMSNでもインデックスに入っていた)。

こういうのは皮肉といってよいのだと思う。

この記事で僕がやりたかったのは、リンクを売っているサイトを「暴露する」ことではない。それは絶対に違う。僕は過去にクライアントにリンクの購入を勧めたことがあるし、これから先もそれはあるだろう(リンク購入には全般的にものすごく慎重になるとしても)。僕個人としては、リンクを販売し、検索技術の隙間を突いてやっていくというのは、悪いことでも違法なことでもないと思っている(と同時に、通常はもっと賢いやり方があるはずだ、とも思う)。

僕が本当にわかってほしいのは、Googleが「信頼できない」と判断しそうなやり方でリンクの売買に手を染めているサイトが膨大にあるということだ。何千という商業的に競争率の高いキーワードについて検索結果を見てもらえば明らかなように、有料リンクはいまも通用している。Forbes誌の記事の中で、ダニー・サリバン氏がこのことをじつに簡潔に語っている。

「Googleに、有料リンクを完全に止めることは決してできないだろう」とサリバン氏は話す。「Googleは、あからさまなものにストップをかける。Googleは不安を与え責任感に訴える。それでも、抜け落ちる部分はある」

そして、Googleが止められない有料リンクがあるかぎり、有料リンクの経済はウェブの一部という巨大な領域で売り上げを生み出し続ける。検索エンジニアが、この問題にスケーラビリティをもったやり方で取り組もうと思ったら、大変な仕事を背負い込むことになるのはまちがいない。

追伸:最後に1つ残念なことが。掲載したサイトの一部にリンクを張りたかったのだけど、それによって「バッドネイバーフッド」(悪しき隣人)の現象が起きることをとても僕は懸念している。もどかしい話だ。SEOmozから張ったリンクが(このページの場合のように)僕らのランキングを下げることになるのでは、なんてことを気にしたくはないのだけど。リンク先には気をつけていないと、検索エンジンがリンクジュースを受け渡す能力をゼロにしてしまう可能性がある。もっといい方法があるはずなのだけど。そう思わない?

Randからの更新情報:これで正しいのか、僕自身もまだ迷っているけど、問題のあるものについては実際のサイトへの参照を取り除いた。これによって記事の説得力が薄れるのは確実だし、有料リンクに対する検索エンジンの態度が見せかけだということを示すのは難しくなる。正当で質の高いサイトなのだが、おそらくはマット・カッツ氏の話や有料リンクに対するガイドラインの話を聞いたことがなくて、問題の行為をやってしまっているサイトがどれほどあるのか、それを知ってもらうには、実際のサイトを見てもらうのがわかりやすいからね。でも、ドナ・フォンテノー氏見識を信じて、詳細は取り除くことにした。

※Web担編注

この記事は、Googleの有料リンク問題に関するもの。10月下旬に、Googleは大規模な有料リンク対策を実施している。この件に関しては、以下の記事が詳しいので参考にしてほしい。

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