モバイルSNSの利用率は35%、利用しないのは「面倒だから」/モバイルSNSに関する利用調査
Webマーケティングガイドは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、モバイルSNSに関する調査を行った。
調査結果によると、モバイルユーザーの35%がモバイルSNSを利用しており、利用頻度については「1日に数回」利用するユーザーが41%で最も多いことがわかった。
※調査概要に関しては、記事の末尾に記載している。
35%がモバイルSNSを利用、知らないユーザーも40%
まずQ1では、モバイルSNSの認知と利用状況を尋ねたところ、「知っており、利用もしている」というユーザーは35%、「知っているが、利用はしていない」が25%、そしてモバイルSNSを「知らない」というユーザーは40%存在していることがわかった。
サンプル数などの調査条件は異なるが、参考までに『ケータイ白書2007』によると、インプレスR&Dが2006年10月に行った調査では、モバイルSNSの認知は58.8%だった。しかし、今回の調査では60%(「知らない」と回答したユーザー以外)となっており、その認知が若干ではあるが増えていることがわかる。
利用率が高いのはモバゲータウンとmixモバイル
Q2では、Q1でモバイルSNSを利用していると回答した105人のユーザーに対して、実際に利用しているモバイルSNSサービスを尋ねた。
その結果、「モバゲータウン」を利用しているユーザーが62.9%で最も多く、次いで僅差の2位には「mixiモバイル」が61.9%、そして大きく差が開くものの「モバイル版GREE(EZ GREE)」が18.1%で続く結果となった。
現在では500万人の会員を保有する巨大メディアと化したモバゲータウンがサービスを開始したのは2006年の2月。モバオクの会員を活用したことが功を奏し、会員数はわずか26日間で10万人を突破するという快挙を遂げるにいたった。
その後、GREEとauがモバイルSNS「EZ GREE」を開始したのが2006年11月。当時は携帯キャリアが提供する初のSNSであったため、広告主だけでなく、ユーザーも非常に高い関心を抱いており、会員数はローンチからわずか1週間で10万人を突破、モバゲータウンよりも早いスピードで成長した。
そして、2006年12月には日本最大級のSNSであるmixiが携帯電話からの会員登録を解禁し、モバイルSNSの3大サイトが誕生するに至った。
利用者の41%はモバイルSNSを1日に数回利用
Q3では、Q2と同様にQ1でモバイルSNSを利用していると回答した105人のユーザーに対して、どれくらいの頻度でモバイルSNSを利用しているかを尋ねた。
その結果、「1日に数回」という回答が41%で最も多く、次いで「1日に1回程度」と「1週間に1回程度」が16.2%の同率で並ぶ結果となった。
現在、モバゲータウンの会員数は500万人、EZ GREEは100万人、そしてmixiはPC会員を含めると1000万人を超えている。
ただし、Q3の調査結果からもわかるようにサービスを頻繁に利用するユーザーばかりがいるわけではない。また、中には会員登録をしたものの、その後1度も利用せずにいるユーザーがいる可能性もある。
今回の調査結果では、1日に1回以上モバイルSNSサイトにアクセスするというユーザー(「1日に数回」と「1日に1回程度」の合計)は57.2%となっているが、これらのアクティブユーザーが多いサービスほど魅力的なモバイルSNSだといえる。
モバイルSNSを利用しない最大の理由は「面倒だから」
次に、モバイルSNSを知らない、もしくは知っているが利用していないというユーザーに対する意識調査を行った。
Q4では、Q1の調査でモバイルSNSを「知っているが、利用はしていない」と回答した75人に対して、利用していない理由を尋ねた。
その結果、「面倒だから」という回答が50.7%で最も多く、次いで「自分の情報が他人に見られるのが嫌だから」の37.3%、そして「興味がないから」が33.3%で続く結果となった。
ユーザーがモバイルSNSを利用しない理由として、「面倒だから」という回答が最も多く唯一50%を上回っていることを考えると、SNSサイトの運営・企画者には、いかにわかりやすく、そして簡単に始められるような仕組みが求められるのではないだろうか。
また、「パケット代がかかるから」と回答したユーザーが26.7%、そして「通信速度が遅いから」と回答したユーザーは21.3%となっている。『ケータイ白書2007』によれば、パケット定額制の普及率は2006年10月の時点で58.8%となっている。通信速度に関してみても、2007年3月現在での3G携帯端末の契約数に対する普及率(推計)は73%となっており、現在ではさらに多くのユーザーが定額制や3G端末を利用していると考えられる。このままパケット定額制や3G携帯のように高機能機種が普及すれば、「パケット代がかかる」や「通信速度が遅い」といった理由からモバイルSNSを利用しない層は減るのではないかと思われる。
非利用者の今後の利用意向は30.7%に留まる
続いてQ5では、現在モバイルSNSを利用していないという175人のユーザー(「知っているが、利用はしていない:75人」と「モバイルSNSを知らない:100人」の合計)に対して、今後の利用意向を尋ねた。
その結果、利用意向があるユーザー(「非常に利用してみたい」と「少し利用してみたい」の合計)は30.7%に留まることがわかった。
Q5の調査結果から明らかになったように、半数以上である69.3%のユーザーが今後もモバイルSNSを利用する意向はないと回答したことには注目する必要があるだろう。
この背景には、Q4で明らかになった面倒臭さやプラバシー上の問題、そして料金や端末の問題などもあると考えられるが、それ以上に、モバイルSNSと相容れないユーザーやターゲット層というものが存在するのは当然だろう。
もし、SNSとは結びつかないようなターゲット層のニーズをくみ取りことができ、そしてそれわかりやすく簡単なサービスとして紹介することができたのなら、今後モバイルSNS業界はさらなら拡大を遂げる可能性があるのではないだろうか。
Webマーケティングガイドでは、今後もモバイルSNS業界について定点的なリサーチを行っていく予定である。
調査概要
調査対象は、15歳~49歳のモバイルユーザー300人。男女比は、50%ずつの均等割り付けを行った。年齢比については、10代:10.3%、20代:25.3%、30代:39.0%、40代:25.4%となっている。
また、キャリア比は、DoCoMo:48.0%、au:37.3%、SoftBank:14.7%となっている。
- サンプル数:300
- 調査期間:2007年09月20日~2007年09月25日
- 調査方法:モバイルリサーチ
- 調査機関:ネットエイジア株式会社
- 対象者:15歳から49歳の男女
- 本調査は、業界の全般的な調査であり、あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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