検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

掲載順位を見直す(2)—プレミアムポジションは特別な場所

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

Google「アドワーズ広告」オーバーチュア「スポンサードサーチ」
で利益を生み出すプロの秘策!

この記事は、第5章「クリック率を上げる運用メンテナンス」の記事です。

出たり消えたりするプレミアムポジション

アドワーズ広告のプレミアムポジションは、実は常に表示されているわけではありません。同じキーワードの検索結果のうち、品質スコアが低い広告ばかりの場合は表示されないのです。

プレミアムポジションは、ある一定の品質スコアを上回った広告が検索キーワードに一致した場合に限り、特別に表示されるようになっています。

プレミアムポジションの表示・非表示
図5-4-1

いったんプレミアムポジションにロールアップした広告は、クリック率が上がることで品質スコアが上昇し、その結果、クリック単価も下がるという好循環に入ります。

このままの状況が続けば、プレミアムポジションとそれ以外の広告は、品質スコア、ひいては広告ランクの差がどんどん広がり、掲載順位の固定化が起こる……と思われますが、実際はそうはなりません。

いつまでも「特別」な広告はない

プレミアムポジションの広告はずっとそのままで、それ以外は入る余地がないという状況が続くのは、Googleにとって歓迎すべき事態ではありません。

なぜなら、他の広告と同じく、検索連動型広告も時流に応じて変化していくからです。現時点でユーザーから支持されている広告が、今後も支持され続けるという保証はどこにもありません。

Googleはユーザーにとって利益のある広告を上位表示するという思想上、先にプレミアムポジションに入った広告だけがクリック率の高い掲載順位を独占する状況は望んでいないのです。

プレミアムポジションばかりが得しない仕組み

よって、アドワーズ広告では、プレミアムポジションを固定させないための変数を適用していると予想されます。プレミアムポジションと通常の掲載枠、すなわち右側の掲載場所では、クリック率を品質スコアに変換する際の比率を変化させているようなのです。

例えば、プレミアムポジションの広告はクリック率を70%だけ参照し、それ以外は100%参照するといった具合です。この場合、プレミアムポジションのクリック率が10%、右側最上位が7%だとすると、プレミアムポジションでは10%×70%=7%、右側最上位では7%×100%=7%となり、公平な状態で品質スコアが算出されます。

品質スコアと同じくブラックボックスなので、はっきりとしたことは分かりませんが、このような仕組みによって掲載順位の固定化は起こらないようです。

ただし、画一的にこの仕組みを適用すると、今度は逆にプレミアムポジションが不利になり、結局はクリック単価による競争と変わらなくなってしまいます。そのため、ある一定の競争範囲で収まるよう、キーワードごとに「ならし」をしていると思われます。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
  • 『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』
  • ISBN:978-4844325697
  • 1,680(税込)
  • 紺野俊介(著)
  • インプレスジャパン

この記事は、書籍『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。

検索連動型広告を成功に導くSEM戦略

成長を続けるネット広告の中でも、もっとも注目なのが検索エンジンを使った「検索連動型広告」。その代表例であるGoogle「アドワーズ広告」、オーバーチュア「スポンサードサーチ」のキーワード選びやメンテナンスを通し、費用対効果を最大化していくSEMのセオリーとノウハウを、ネット専業代理店のSEMストラテジストが解き明かします。さらに、SEMのニュートレンドであるコンテンツ連動型広告、モバイルリスティング広告の新章を追加。検索エンジンを活用したプロモーションで成果を出したい人には必読の1冊。

用語集
SEM / アドワーズ / アドワーズ広告 / オーバーチュア / キーワード広告 / クリック率 / コンテンツ連動型広告 / スポンサードサーチ / リスティング広告 / 検索エンジン / 検索連動型広告 / 費用対効果
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