検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
Google「アドワーズ広告」オーバーチュア「スポンサードサーチ」
で利益を生み出すプロの秘策!
この記事は、第5章「クリック率を上げる運用メンテナンス」の記事です。
分子を増やすか、分母を減らすか
では、可能な限り高いクリック率を保つには、一体どうしたらいいのでしょうか? その方法は、次の2通りです。
- クリック数を増やす
- インプレッション数を減らす
「検索数からクリック数を予測する計算式」で説明したとおり、クリック率はクリック数とインプレッション数の関係で決まります。要は、分子を増やすか、分母を減らすかの片方または両方を選択し、実行に移していくというのが第一歩です。
ただクリック数を増やせばいいわけではない
ここで注意してほしいのは、クリック数が増えれば、その分コストも増えていくということです。コンバージョン数は多ければ多いほど良いのですが、クリック数はそういうわけにはいきません。
もちろん、クリックされなければ集客もできず、当然コンバージョンも生まれないので、できるだけクリック数を増やそうという考え方は間違ってはいません。
しかし、検索連動型広告の最大のメリットは、質の高い見込み客にアプローチできることです。自サイトの商品に興味がない人には広告を見せない、またはクリックさせないという仕掛けが、工夫次第で簡単に作れます。
クリック率を上げる戦略を実行する上では、「クリックしてほしい人だけにクリックさせる」という視点を忘れてはなりません。それがひいては、費用対効果を最大化するという理想の実現にもつながるのです。
これまでの運用状況から原因を特定する
以上を踏まえた上で、まずはクリック率を下げているクリティカルな原因を見つけていきます。次の項目に思い当たることがないか、確認してください。
- 部分一致のキーワードが多すぎないか?
- 1語のキーワードばかりに出稿していないか?
- キーワードと関係が薄い広告文を出していないか?
- 広告文でいろいろな訴求をしすぎていないか?
(1)が思い当たる場合は、まず間違いなくインプレッション数が多すぎます。「とにかく大量に露出したい」など、部分一致を使う明確な理由がない限り、多用するべきではありません。クリック率は相対的に下がっていきます。
(2)も、不要なインプレッション数が増えていると考えられます。必ずしも1語のキーワードが悪いわけではありませんが、何の狙いもなくビッグキーワードを単独で出稿するのはお勧めできません。
(3)の場合、広告は認知されても、クリックされていない可能性が高いです。キーワードはユーザーの関心事と同義ですから、それに連動した広告文でなければ、ユーザーは広告文に何の魅力も感じません。
(4)は、例えば「激安」「新製品」「省スペース」などの訴求がてんこ盛りの広告文で出稿しているケースです。それだけユーザーを絞り込むことになり、インプレッション数が適正でも、ごく少数にしかクリックされません。
これらは原因さえ特定できれば、これまでに紹介した方法でもメンテナンスが行えるはずですが、より効率的な方法を次項から紹介していきます。掲載順位、広告文、マッチタイプなどの視点から、クリック率低迷の「打ち手」を探っていきましょう。
この記事は、書籍『検索連動型広告を成功に導くSEM戦略』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
検索連動型広告を成功に導くSEM戦略
成長を続けるネット広告の中でも、もっとも注目なのが検索エンジンを使った「検索連動型広告」。その代表例であるGoogle「アドワーズ広告」、オーバーチュア「スポンサードサーチ」のキーワード選びやメンテナンスを通し、費用対効果を最大化していくSEMのセオリーとノウハウを、ネット専業代理店のSEMストラテジストが解き明かします。さらに、SEMのニュートレンドであるコンテンツ連動型広告、モバイルリスティング広告の新章を追加。検索エンジンを活用したプロモーションで成果を出したい人には必読の1冊。
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