企業のコミュニケーション調査で消費者は「つながらない」「見つからない」などに不満
ITアウトソーシングサービスのトランスコスモスの人工知能(AI)研究組織「Communication Science Lab(コミュニケーションサイエンスラボ)」は、「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2017」の結果を11月14日発表した。消費者が企業に不満を感じるのは「つながらない」「見つからない」「わずらわしい」の3要素が上位を占めた。消費者の4割近くは「待ち時間の少なさ」「回答スピード」「手軽さ」からチャットやAIを活用したデジタルコミュニケーションを使いたいと答え、不満体験を解消する手段として期待が高まっている。調査は直近6ヵ月の間に企業とのコミュニケーション経験がある男女を対象にインターネットで8月に実施した。3096件の有効回答があった。
企業とのコミュニケーションでの不満体験は「電話で長い時間待たされた」63.9%、「Webサイトでほしい情報がすぐに見つからなかった」62.8%、「Webサイトに知りたい情報が載っていなかった」59.4%、「平日・昼間しか対応してくれなかった」55.8%の順。消費者が求めることは「無料・無償で対応してくれる」52.1%がトップで、「提供してくれる情報や回答内容が正確・的確」45.0%、「自分の要望や行動に対する対応スピードが速い」42.8%、「気持ちのこもった親身な対応をしてくれる」40.9%と続いた。 いつでも好きなコミュニケーション手段で問題解決できるとしたら企業の評価は高まるか、の質問には「とても」「どちらかといえば」を合わせて約8割が肯定的だった。
消費者は利便性や目的に応じて利用チャンネルを使い分け、チャットやAIにはスピードや手軽さを期待していた。企業のチャットやAIを活用したデジタルコミュニケーションの対応状況では、メッセージアプリの実装比率が高いがそれでも13.6%。チャットは3.8%、AIスピーカー2.7%、ロボットによる自動回答2.7%、自動応答チャット1.4%となる。消費者の利用意向はそれぞれ45.5%、40.7%、28.5%、30.5%、36.8%あり、ギャップが生じている。消費者の多くがスマートフォンによる日常生活のデジタル化を実感している一方、企業とのコミュニケーションのデジタル化は進んでいない。企業は、デジタルコミュニケーションで消費者の不満を解消する必要がある、と分析している。
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