ひとりSEO担当者の疑問に答えます

商品比較サイトが、SEOで生き残るためにできることは?

SEO担当者の質問に、SEOのエキスパートである住 太陽さんが実践的で有効な解決法を答えます。今回のテーマは「商品比較サイトが、SEOで生き残るためにできることは?」です。

住太陽[執筆], 渡辺 淳子[編集]

7:05

ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「商品比較サイトが、SEOで生き残るためにできることは?」です。

この回答は「一般論でいえば極めて厳しいため、SEO以外の方法を模索すべき」です。

「商品比較サイトが、SEOで生き残るためにできることは?」
に対する回答は
「一般論でいえば極めて厳しいため、SEO以外の方法を模索すべき」です

商品比較サイトを運営し、掲載料をもらうモデルの場合

今回の質問は「商品比較サイトが、SEOで生き残るためにできることは?」というもので、匿名の質問者さんが寄せてくださいました。ありがとうございます。相談者さんは商品比較サイトを運営する会社にお勤めで、その比較サイトは掲載料をもらって商品を比較するモデルだそうです。

相談者さんは、E-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)やコンテンツ品質の向上に課題感をお持ちであるほか、そもそもサイトのコンセプトそのものがAIに代替される可能性が高いと考えておられ、生き残りのための方策を求めていらっしゃいます。こうした情報だけで率直に判断するなら、「SEOは厳しい」となります。

検索流入を狙うSEOでは、致命的に厳しい

まず「SEOで検索流入を狙う」という観点でサイトの将来を考えれば、質問者さんが懸念を覚えておられるとおり、今後はAIや検索のAI機能に代替されていき、厳しくなっていくのは間違いないでしょう。現時点ですでに流入は減少していると思いますが、今後も下げ止まることはないと思われます。

ユーザーが商品の比較情報やその他の情報を知りたいと思ったとき、検索エンジンやAIチャットボットに尋ね、AIが生成する回答を見て、必要に応じて追加の質問をすることで、ほとんどの情報ニーズは満たされます。これは人々の情報との接し方の問題であり、サイトの問題ではありません。

AIの回答よりもさらに具体的に突っ込んだことを知りたい場合に利用者が見るのは、製造元や販売会社のサイトと、利用者の生の声が掲載されているCGM(Consumer Generated Media)サイトや個人ブログなどであって、商品比較サイトではなさそうです。こうした場合でもやはり、商品比較サイトが検索流入を得るのは厳しいでしょう。

AIが回答を生成するときの情報源として生き残る

検索流入を得ることは厳しくても、AIが回答を生成するときに使用する情報源として生き残る道はあります。相談者さんのサイトは掲載料をもらい、裏付けのある情報と客観性のある情報をもとに商品を比較しています。検索流入がわずかになったとしても、そのサイトに掲載され、比較されること自体の価値を高めていけばサイトは生き残れます。

検索エンジンやAIにおすすめの商品を質問した場合、AIは商品のメーカーの公式サイトの情報よりも、ウェブ上にある信頼できる第三者による言及をもとに回答を生成します。信頼できる第三者による言及とは、実際の利用者によるクチコミや、専門家によるレビュー、各種の報道などです。ここに注意しながらコンテンツを作ることで、AIの情報源としてのサイトの価値を高めていきましょう。

相談者さんのサイトであれば、比較コンテンツの制作者をその商品カテゴリにおける専門家として打ち出すとともに、専門家ならではの公正・公平な視点で比較を実施していけば、AIが情報源として利用する「信頼できる第三者」としての地位を築くことは可能でしょう。それは、クライアント企業のメリットにもつながると思います。

まとめ

検索エンジンのAI機能やAIチャットボットの利用が一般化してきた現在、これまで商品比較を実施してきたサイトの多くが検索流入を失って苦戦しています。発信の軸足をYouTubeやInstagram、TikTokなどのプラットフォームに移す動きも活発です。「サイトへの集客」から「クリエイター個人とのつながり」への方向転換です。

AIの利用の拡大によって、正しいだけの情報の価値は暴落しています。これを受けた世界的な動きとして「記者にインフルエンサー的な活動を求める」傾向が加速しています。僕のニュースレターでも話題にしましたが、こうした方向転換も考慮していくとよいかもしれません。

P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。誰にも聞けずに困っていること、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。

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