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Google Discover向けにコンテンツを最適化する10のテクニック(中編)

Google Discoverで「表示されるようにするにはどうすればいいの?」「トラフィックを得るには、コンテンツをどう最適化すればいいの?」というアナタに、10のテクニックをお届けする
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている。Google Discoverの概要とそれに対する専門家の見識を紹介した前回に続いて、中編となる今回は、Google Discover向けに記事を最適化する10の方法を見ていこう。

まず前編を読んでおく

Google Discover向けに記事を最適化する方法

Google Discoverというチャネルがコンテンツクリエイターにとっていかに重要かを見て理解した人は、きっと次のような疑問を抱くだろう:

Discoverに表示されるようにするにはどうすればいいのか?

多くのトラフィックを得るには、コンテンツをどう最適化すればいいのか?

ここからはでは、このチャネルに合わせてコンテンツを最適化したい場合に覚えておくべき重要なポイントをいくつか紹介する。


Google Discover向けに記事を最適化する方法
トレンドトピックに注目する
トピックのオーソリティを理解する
タイトルのクリックベイトを避ける
画像を重視する
オーディエンスの位置情報を把握する
E-E-A-Tを守る
サイト内リンクを張る
「バズった要素」を活用する
AMPとCWVを比較検討する
埋め込み要素を活用する

それぞれの最適化方法について解説していこう。

Discover最適化テクニック 1
トレンドトピックに注目する

Discoverのフィードには、トレンドやニュース速報が表示されることが多い。そのため、関心を集めている要素やトピックに関するコンテンツを作ることを勧めたい。ただし、次のことを覚えておこう:

  • フィード上にコンテンツが表示されているのは24~48時間である
  • 記事はすぐには表示されず、表示されるまでに1日かかる場合もある

各国の現在のトレンドはGoogleトレンドで確認できる。

関心を集めている要素やトピックはGoogleトレンドで調べられる
Googleトレンド
Googleトレンドの[急上昇]>[リアルタイムの検索トレンド]で、いま盛り上がっているトピックがわかる

Discover最適化テクニック 2
トピックのオーソリティを理解する: キーワード対エンティティ

グーグルが以前から話していたことだが、Discoverではまさにトピックのオーソリティが重要となる

従来のSEOでは、特定の検索に対するウェブページの順位を決めるのにキーワードや検索意図が使われていたが、Discoverでのコンテンツ戦略は、エンティティ(つまり「コンセプト」「文字」「場所」「トピック」など、ナレッジパネルに盛り込めるあらゆる要素)をベースにする必要がある。

自分のサイトが「オーソリティや関連性が高い」とグーグルに見なされたトピックを把握することが必要となる。

Discover最適化テクニック 3
タイトルのクリックベイトを避ける

コンテンツの本質を捉えたページタイトルを、クリックベイト以外の方法で作成する。

これは、グーグルのドキュメントで「コンテンツが Discover に表示される可能性を高めるには」のセクション冒頭にある一文だ。私が常に言っていることだが、クリックベイトは使うべきではない。記者はいくらか創造力を発揮する必要がある。優れた見出しを生み出すことも、コンテンツ制作の仕事の一環だ。

グーグルは、次のようにも述べている:

  • プレビュー コンテンツ(タイトル、スニペット、画像)に誤解を招くような内容や誇張した内容を入れて注目を集めたり、コンテンツの内容を理解するうえで必要な重要情報を伏せたりして、人為的にエンゲージメントを高める手法は避ける。

  • 病的な好奇心を掻き立てたり、刺激的な内容や怒りをあおる内容で注目を集めたりするような手法は避ける。

  • 興味や関心をふまえたタイムリーなコンテンツ、ストーリーをうまく伝えるコンテンツ、独自の情報や考察を提供するコンテンツを作成する。

この情報は、Google Discoverで日々目にするコンテンツに当てはまるだろうか。残念ながら、守っていないのにDiscoverから大量のトラフィックを得ているサイトは多いというのが、私の考えだ。

しかし、ずっとそうだとは限らない。

グーグルは2023年最後のコアアップデートで、Discoverに焦点を合わせたコンテンツを公開しているニュースサイトや一部のニッチサイトに対して非常に厳しい措置を取り、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)に直接影響を及ぼした。その影響は非常に深刻で、リリー・レイ氏によると、多くのパブリッシャーはGoogle Search Consoleの指標が激減したという(レイ氏は150以上のパブリッシャーから得たデータに基づいて記事を書いた専門家だ)。

Discover最適化テクニック 4
画像を重視する

百聞は一見にしかずと言われる。Discoverのフィードを見ると、ほとんどの場合、画像に目が留まるだろう。

  • 人の感情を表している顔のアップ
  • おいしそうな食べ物の細部まで分かる写真
  • 2024年のトレンドになる新しいネイル

などなど、人物が入っていない写真でもクリックしてみたくなるものもある。

グーグルのドキュメントでは、次のように推奨している:

高画質の画像、特にDiscoverからのアクセスが発生する可能性の高いサイズの大きな画像をコンテンツに含める。

また、次のような重要な技術的要件もドキュメントに記載されている:

  • 幅を1200ピクセル以上にする
  • ページのHTMLのmetaタグでmax-image-preview:largeを設定する

競合他社より目立つ画像にするために、メディアが独自のコラージュを作成しているのを見たことがある人もいるかもしれない:

記事「20ドル以下で最高の食事が楽しめるトロントのレストラン」
「一流シェフが教える、20ドル以下で最高の食事が楽しめるトロントのレストラン8選」
出典: シェルビー・ブラックリー氏(カナダ)
スペインで公開された記事「シンプルな料理(と自分自身)に再び出会えるアルジェントナのレストラン」
「シンプルな料理(と自分自身)に再び出会えるアルジェントナのレストラン」
出典: クララ・ソテラス氏(スペイン)
記事「自宅にハエを寄せ付けない方法」
「自宅にハエを寄せ付けない方法」
出典: ライアン・メイヤー氏(米国)

Discover最適化テクニック 5
オーディエンスの位置情報を把握する

Discoverのアルゴリズムが考慮する重要なポイントの1つに、位置情報がある。もう少し具体的に言うと、次の位置情報に関連するコンテンツが表示される:

  • ユーザーが現在いる都市や場所
  • ユーザーが普段移動する範囲

そのため、「オーディエンスがどこにいるか」「どのオーディエンスをターゲットにしたいか」を把握することが不可欠だ。ニューヨークのユーザーだろうか? ロンドンにいる人だろうか? それとも、バルセロナに住んでいるオーディエンスだろうか?

最近旅行した人なら、帰ってきて数日経っているのに、別の場所に基づくコンテンツがおすすめとして表示されることに気づいたかもしれない。たとえば、MozConに参加するためにシアトルに出かけた人であれば、シアトルの観光地やイベント、グルメなどを紹介したさまざまな記事が表示されるかもしれない。

記事を作る側としてちょっとしたコツがあるとすると、見出しに都市名を含めることだ。たとえば、「シアトルで訪れるべき場所トップ7」のようにすればいい。

Discover最適化テクニック 6
E-E-A-Tを守る

サイトのコンテンツを通じて、グーグルに次のことを伝えよう:

  • 君がどういう人なのか
  • 君が何について書いているのか
  • 君は、それについてどの程度知っているか

よく知られているE-E-A-T(専門性、経験、権威性、信頼性)という言葉を聞いたことがあるかもしれないが、DiscoverではこのE-E-A-T要素が特に重要となる。

エンティティの作業をしていると、自分のサイトの特定の執筆者が、一部のトピックで他の執筆者より上位に表示されることに気づくかもしれない。これは、Moz BlogでローカルSEOについて書いているミリアム・エリスの専門知識のように、その執筆者が特定の専門性を持っているからかもしれない。

記事に著者スキーマを追加することで執筆者のプロフィールを強化でき、ユーザーと検索エンジンのボットに対して透明性を確保するのに役立つ。

※Web担編注 具体的には、各記事にArticle構造化データを追加し、そのなかのauthorプロパティで執筆者の情報を記載する。

加えて、ページ内に次のような情報を含めるべきだ:

  • 執筆者の経歴
  • 執筆者が記事を公開して宣伝している仕事用のソーシャルネットワークへのリンク

しかし、E-E-A-Tガイドラインを守るのに必要なのはそれだけだと思ってはいけない。トピック、セクション、執筆者ごとにトピックのオーソリティを高めるには、コンテンツとエンティティの最適化に継続的に取り組む必要がある。

ニューヨーク・タイムズの記者アダム・リプタク氏の略歴

ニューヨーク・タイムズの執筆者情報ページでは、「写真」「氏名」「シンプルな紹介文」「得意分野・背景情報・ジャーナリストとしての倫理感などを含む詳細な紹介文」「ソーシャルメディアへのリンク」など、重要な情報をしっかりとまとめている。
さらに、執筆者ページのHTMLにはProfilePage構造化データを含んでいる。
出典: ニューヨーク・タイムズ

Discover最適化テクニック 7
サイト内リンクを張る

これも記事を表示させるのに役立つ要素だ。コンテンツの再循環を促し、サイト内でよりオーソリティの高いページを利用すれば、Discoverからのトラフィックを押し上げる素晴らしい手段になる。

メディアの場合、グーグルが最もクロールするページはトップページなので、トップページに新しいURLを置けは、グーグルのボットが新しいコンテンツをクロールするよう誘導するための優れた選択肢になるかもしれない。

Discover最適化テクニック 8
「バズった要素」を活用する

「バズった要素」も、検索エンジンのボットが新しいコンテンツに注目するよう誘導する手段だ。

バズった要素は短期間に大量のトラフィックを獲得でき、その時点でユーザーが当該コンテンツに関心があることを明確に示している。運良くそうした状況になった場合は、次のようなマーケティング活動を展開することで、バズをさらに拡大できる(下記以外にもさまざまな手法があるはずだ):

  • その記事をあらゆるソーシャルネットワークで宣伝する
  • プッシュ通知を送る
  • 会員やニュースレターの購読者に送信する

Discover最適化テクニック 9
AMPとCWVを比較検討する

グーグルは(検索のトップニュースとGoogle Discoverで)AMPを必須とはしなくなっている。昔は掲載されるにはAMP版であることが必須だったが、現在の判定基準は、ページの読み込み速度とユーザー体験だ ―― つまりよく知られているコアウェブバイタル(CWV)だ。ここでもっと詳しく説明することもできるが、それはこの記事の目的ではない。

ただし、グーグルが言語によってDiscoverでの優先順位に差をつけていることには触れておきたい。メディアサイトでAMPを無効にする国も増えてきたが、スペインなど、サイトのオーナーがそうした措置にまだ消極的な国もある。スペイン語のコンテンツはAMPで適切に表示されるが、同じスペイン国内でもたとえばカタルーニャ語の場合、AMPよりも通常のHTMLページのほうがグーグルで優先して表示されやすい。

Discover最適化テクニック 10
埋め込み要素を活用する

Discoverでは、動画を目にすることが多くなっている。前編で紹介した専門家らによると、次のような状況だという:

動画が埋め込まれている記事、ツイートやインスタグラムの投稿が埋め込まれているコンテンツは、フィードのはるかに上位に、より頻繁に表示される。

著名人によるインスタグラムへの最新の投稿や政治家のツイートに関するニュースをよく目にするのも、これが理由だ。

ただし、これらの埋め込み要素をコンテンツとして使う場合は、ページ表示速度に影響を与えないように注意が必要だ。

埋め込み要素は遅延読み込みし、ファーストビューには置かないようにすることが望ましい。ページの読み込みで問題が発生するとSEOに影響しかねないためだ。ブログ記事に動画やツイートを埋め込んで、これを試してみることもできる。

前中後編の3回に分けてお届けしているこの記事も次回が最終回となる。後編では、Discoverフィードに関する最新情報と、Discoverのトラフィックを計測して追跡する方法について紹介する。

→後編を読む

用語集
AMP / Discover / E-E-A-T / HTML / SEO / metaタグ / クロール / スニペット / ソーシャルメディア / タグ / ファーストビュー / フィード / ボット / リンク / 検索エンジン / 構造化データ
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