DiscoverのGoogle最新情報は? 分析ツールで便利なものは? お手本になる良い投稿の実例は?(後編)
前中後編の3回に分けてお届けしているこの記事も今回が最終回だ。後編となる今回は、Discoverフィードに関する最新情報と、Discoverのトラフィックを計測して追跡する方法について説明しよう。
Discoverフィードの最新情報
最初は10個のトピックを用意していたのだが、グーグルは頻繁に新情報を明らかにしている。そのため、同社のドキュメントで最近変わった点を簡単にまとめておこう。
グーグルはDiscoverのドキュメントに、「Discoverのトラフィックが時間の経過とともに変化する理由」というセクションを追加した。
そこには、次のような記載がある(強調は編集部による):
Discoverからのトラフィックは、キーワード検索からのトラフィックと比べて予測可能性や信頼性が低くなります。このような偶発的な要素を考慮し、Discover からのトラフィックは、キーワード検索のトラフィックの補完的なものと考える必要があります。
Discoverからのトラフィックが一晩で急減した例を見たことがある人もいるかもしれない。そうしたショッキングな変化をソーシャルメディアで共有しているプロフェッショナルも多い:
このパブリッシャーが、最近のグーグルアップデート(特に2022年10月のスパムアップデート)で打撃を受けた極端なケース。
しかも、ここに表示されているのは、「ニュース」タブ経由のトラフィック「だけ」だ。ウェブ検索、トップニュース、Discover、Googleニュースもひどい状態だ。
私が思うに、この変化はグーグル側のミスだ。
Wild case of being hit by recent Google updates for this publisher (Oct 2022 Spam Update in particular). And this is JUST showing traffic via the ‘news’ tab. Web Search, Top stories, Discover & Google News are also bad. IMO, this reaction was a mistake on Google’s end. pic.twitter.com/wiuIdFaWBO
— Brodie Clark (@brodieseo) January 26, 2023
Google Discoverのトラフィックよ、さようなら(私のコンサルティングクライアントの1社にとっては)。
このDiscoverに表示されているページは製品のランディングページだ。興味深い!
Hello Google Discover traffic... and goodbye. From one of my consulting clients. National business. The pages showing up here in Discover are product landing pages. Fascinating! @lilyraynyc #localu pic.twitter.com/MwzDHPTMh3
— Melissa Popp (@poppupwriter) July 28, 2022
8月10日、グーグルの不具合: Google Discoverの問題は、まだ解決していないようだ ―― 少なくとも欧州(フランス、スペイン、ポーランドなど)のいくつかのパブリッシャーでは。
次に示す画像はスペインのウェブサイトの例で、Discoverのトラフィックがゼロにまで減った。
@JohnMu さん、@dannysullivan さん、本件は調査中だろうか?
10th august Google Glitch : It seems that the problem is not solved on Google Discover for several publishers, at least in Europe (FR, ES, PL, etc.) Here is an example from a spanish website => Discover trafic down to zero. @JohnMu @dannysullivan : Is it under investigation ? 🙏 pic.twitter.com/icLAfQQfeL
— Virginie Clève - largow Stratégie digitale ☕️ (@largow) September 7, 2020
グーグルは、Discoverのトラフィックが変動する可能性のある3つの理由を明らかにした:
興味や関心の変化 ―― ユーザーが特定のトピックを検索しなくなれば、そのエンティティに関連するコンテンツがDiscoverに表示されなくなる。
コンテンツの種類 ―― グーグルは今回初めて、フィードに最も表示されやすいコンテンツを明らかにした。次のものだ(ただし下記のものだけではない):
- スポーツ
- 健康
- エンターテインメント
- ライフスタイル
しかし、同社は大事をとって、ユーザーのニーズを満たすためにトピックを継続的に調整している。
Google検索のアップデート ―― フィードの変動性を正当化する最善の理由はこれだろう。次のように記載している:
DiscoverはGoogle検索の拡張機能であるため、アップデートによりトラフィックが変化する場合があります。
つまりグーグルは、検索でサイトへのトラフィックが減少した場合、それはアルゴリズムのアップデートによるものかもしれないと述べているのだ。
しかし、ガイドラインでは他にも重要なことを強調している。次の内容だ:
ただし、アップデート後に実施すべきことは特にないでしょう。
トラフィックの変動は、コンテンツの質や公開頻度とは関係なく発生するものだという。
Discoverのトラフィックを計測して追跡する
Google Discoverのトラフィックを測定できるツールとしては、すでに前編で紹介したように、MarfeelやChartbeatなどがある。
それ以外に、Discoverにおける君のサイトのパフォーマンスが向上するエンティティやトピックを、作業を通じて把握できるツールを他にもいくつか紹介する。次の5つのツールだ:
- Google Search Console
- GA4
- Google Natural Language API
- Google Discover Insights
- GDdash.com
Google Search ConsoleでGoogle Discoverのトラフィックを分析する方法
グーグルは、Google Discoverでのパフォーマンスがより高いコンテンツを把握するためのツールをいくつか提供している。
Google Search Consoleを利用すると、次の2つの方法でDiscoverのデータを確認できる:
[サマリー]セクションで、グーグル検索とDiscoverのパフォーマンスの違いを確認できる。
[検索パフォーマンス]>[Discover]セクションで、さらに少し詳細なレポートにアクセスして、URLのインプレッション数とクリック数を確認することもできる。
ただし、Google Search Consoleでこのオプションが表示されるのは、一部のコンテンツのフィードでインプレッション数が最低限に達している場合のみだ。それ以外にこのレポートを有効にする方法はない。
GA4
今のところ、GA4(Googleアナリティクス4)でGoogle Discover全体の測定や表示はできない(以前のユニバーサルアナリティクスでもできなかった)。
しかし、GA4の参照元/メディアレポートには「Discover」が表示されている。実はGA4では、DiscoverのGoogleニュースショーケースを経由するニュース記事のクリック数だけは測定できているのだ。
そのデータは、Googleアナリティクス4で「参照元/メディア」で「newsshowcase / discover」として分類されている。ただし、この分類はこのサービスを有効にしているパブリッシャーだけに表示される。すべてのメディアがこのサービスを利用できるわけではないことに注意してほしい。
では、Googleニュースショーケース以外のDiscoverトラフィック全体はGA4ではどんなディメンションで記録されているのだろうか? 正解は「(direct) / (none)」だ。つまり、他の種類のダイレクトウェブトラフィックと区別できない。ちなみに「google / organic」で記録されているのはGoogle検索からのトラフィックであり、Discoverのデータとは異なる。
Google Natural Language API
Google CloudのNatural Language APIは、テキストからエンティティを抽出し、カテゴリ別に分類できる。また、コンテンツの関連性に応じて数値を付与する。
これによって、次のようなことを分析できる:
- コンテンツ内のテキストが適切に書かれているかどうか
- エンティティに適切な優先順位が付けられているかどうか
- それらを修正してそのトピックに関するオーソリティを高めるべきかどうか
Google Discover Insights
Google Discover Insightsはアレクシス・リルコ氏が開発した分析ツールだ。Search ConsoleのAPIを利用してデータを取得し、Discover関連の情報だけを整理して表示してくれる。
記事がDiscoverのフィードに表示されている日数や、パフォーマンスが良かった曜日、クリック率が高い見出しの長さなど、コンテンツに関する多くの知見が得られる。
GDdash.com
GDdash.comはジョン・シェハタ氏が開発した分析ツールで、クリック数が多いエンティティをすべて抽出し、執筆者別やカテゴリ別に分類できる。
このツールは、他のコンテンツに影響を与えている不適切なコンテンツがあるかどうかも検出できる。また、記事を評価してスコア化し、新しいエンティティを組み込むのに記事を微調整したり変更したりする必要があるかどうかを確認する際にも役立つ。
Discoverの変更について最新情報を得るためにフォローすべき人物
この記事を読んだ上で、Google Discoverについてもう少し知りたいという人や、単純に起こり得るすべての変更について最新情報を知りたいという人にぜひフォローしてほしい専門家を一覧にした。
これらの専門家の多くは、Google Discoverに関するコンテンツや自身の調査結果をX(旧Twitter)で定期的に共有している。
世界のパブリッシャーによる優れた例
これは、このガイドで私が最も楽しみにしていたセクションの1つだ。記事の中で紹介した専門家たちに、Discoverのスクリーンショットで傑作だったものをいくつか見せてほしいと頼んでみた。順に見ていこう。
この記事をXやLinkedInなどのソーシャルネットワークで共有し、君自身の例も加えてみよう。フィードの表示で最も驚いたことは何だろうか。ぜひ私をタグ付けしてほしい! さまざまな国や言語で新たな例を発見できたらうれしい。
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