やってはいけないWeb集客 6つの罠

なぜ? Facebookで詐欺広告が急増中! 理由や見分ける方法とは

Facebook上で著名人の名前や顔を無断使用した”いかにも怪しい広告”が増えています。これはFacebook広告が誰でも簡単に、安価に出せるという背景があります。ユーザーは、このような詐欺広告をクリックしないこと、会社概要やプライバシーポリシーを確認することが重要です。一方、広告を出す企業は信頼を得るためにどのようなアクションを取ればいいでしょうか。詳しく解説していきます。
Facebookなど、ネット上では悪質な広告が横行しています。そこで今回は、Facebook広告に注目し、トンデモ広告が急増している理由や対応ポイントを解説します

立派な犯罪!「トンデモ広告」がFacebookに急増している理由

担当者

最近Facebookなどで、著名人の顔写真や名前を勝手に使った広告が問題になっていますよね。

森先生

実業家の前澤友作さん、YouTuberのHIKAKIN(ヒカキン)さんなど多数の著名人が被害を受けたことを報告しています。

担当者

有名人の顔が載っていれば、つい信用しちゃいますよね。本当にひどい!

森先生

こうした悪質な広告は、消費者として広告を見る側、そして、企業として広告を発信する側、どちらの立場においても注意が必要です。

著名人の顔画像や名前を無断使用して、購買意欲を刺激する広告が横行

著名人の顔画像や名前を無断使用して、さもその有名人が広告塔やイメージキャラクターになっているかのように装って、SNS広告などで商品やサービスを宣伝する。そんなトンデモない悪質な広告は、これまでもFacebookを中心に横行していました。見たことがある方もいらっしゃることでしょう。

特に今年の夏は大量に発生し、実業家の前澤友作さんやYouTuberのヒカキンさんなど著名人が次々とSNSで被害を訴えたことで、大きな話題となりました。前澤友作さんはFacebookやInstagram運営元のMeta社に対して内容証明を送り、改善要請を行ったことを報告しています。

悪質広告の内容は、投資セミナーやサプリメント、化粧品など多岐にわたります。消費者に対して「誰もが知っている有名人が勧めるなら安心」といったイメージや「好きなタレントが使っている商品なら買いたい」といった思いを植え付け、購買意欲を刺激する非常に悪質な手口です。

それだけではなく、さらに販売している商品やサービスは実際には存在せず、購入したお金を騙しとられてしまう、といった詐欺広告のケースまであります。入口は、著名人の顔や名前に限らず「通常価格10,000円が初回限定100円!」といった、思わずクリックしたくなるようなインパクトのあるキャッチコピーなどが使われている場合もあるようです。やり口が汚いのはもちろん、そもそも画像の無断利用や詐欺広告は法的にも問われます。

悪質な広告がFacebookで急増する3つの理由

なぜ、このような悪質な広告がFacebookで急増してしまうのでしょうか。大きな理由として、3つあげられると思います。

悪質な広告がFacebookで急増する3つの理由

1)誰でも簡単に、安価に広告が出せる

Facebook広告を出すためには審査をクリアする必要がありますが、この審査は正直「ゆるい」と言わざるを得ません。例えば、不適切な言葉や卑猥な画像などには厳しい反面、広告を出す側はFacebookのアカウントさえもっていれば、どんな規模の会社でも、個人でも、ともすれば会社を装った個人でも比較的簡単に出せてしまう側面があります。しかも日額100円程度から広告出稿できるなど、コストを抑えてPRできることも悪質業社にとっては都合がよいのでしょう。

2)広告機能が優秀

例えば、不動産広告をたった一度クリックしただけで、同じような広告ばかりどんどん出てくるようになった、皆さんにもそんなご経験があると思います。これは、Facebook広告において、ユーザーが閲覧したコンテンツ情報などが一時的にデバイスに保存される「Cookie(クッキー)」という仕組みが使われているからです。

この仕組みを使うと、売りたい商品、サービスの広告やコンテンツを見た人に対して、たたみかけるように関連の広告を表示することができます。売りたい商品に興味や関心のあるユーザーにだけ宣伝した方が、効率がよいですよね。ただし、日本は欧米に比べてゆるいとはいえ、クッキーへの規制が強化されてきていますので、今後の動向に注目しておく必要があります。

3)詳細なターゲティングを設定できる

広告を誰に表示させるのかの設定、つまり「ターゲティング」を詳細に行えることもFacebookの特徴であり、広告機能として優秀な点です。例えば「健康食品の投稿に“いいね!”をした人」「子どもがいる人」といった細やかな設定ができますし、自社が保有するメールアドレスとFacebookのユーザー情報を照合させて既存顧客にアプローチする、さらにはその顧客の「友達」や「友達の友達」、興味や関心が似ている人たちに対して広告を出すといったことまで可能です。

「届けたいターゲットにピンポイントでPRできる」のは広告を出す側としてとても便利です。ただし、それゆえにその機能を悪用しようという人も後を絶たないのでしょう。

ユーザーとして「トンデモ広告」にダマされないためには?

担当者

誰でも出せるしターゲットにも届きやすいから、怪しい広告もこぞってFacebookを利用するわけですね。Facebookはプライベートでもよく使うし、悪質な広告に引っかからないか不安です。ユーザーとして、どんなことに気をつければいいですか?

森先生

何よりも、怪しい広告経由で商品やサービスを購入しないことです。そもそも、怪しいURLはクリックしない! そして、 広告を出している会社の「会社概要」や「プライバシーポリシー」などもしっかり確認することが大事です。

会社概要やプライバシーポリシーを確認しよう

詐欺広告の被害にあわないためには、怪しい広告経由で購入しないことはもちろん、そもそも怪しそうな広告をクリックしないことがベストです。一度でもクリックすれば、前述したように、「こういう商品やサービスに興味がある」と判断されて同じような詐欺広告がどんどん表示される可能性があるからです。

さらに、怪しい広告内のURLリンクは、アカウントの乗っ取りや個人情報が抜き取られるといった、いわゆる「ワンクリック詐欺」の危険もあります。一昔前まではワンクリック詐欺というとメールで送られてくるのが主流でしたが、今はそうした恐ろしいURLがFacebook広告にも紛れているのです。

「本当にこの広告を信用して購入してもいいのだろうか?」 そう迷ったら、広告内にある会社名などをたよりに、企業サイトを訪れて、電話番号、所在地住所、事業内容などが掲載されている「会社概要」を調べてみてください。「一見ちゃんとした会社に思えても、よくよく調べたら、実態のない会社だった」「海外のよくわからない住所や電話番号が記載されていて、明らかに怪しい」、そんなことも少なくありません。個人情報の取り扱い方法などの指針を示した「プライバシーポリシー」がきちんと明文化されているか、といったことも判断基準の1つになるでしょう。

不安要素を一つひとつ解決して、厳しい目で納得がいくまで十分に調べることを心がけてください。また実際に購入した場合も、クレジットカードの明細書などを見て請求額に間違いや怪しいところがないかなど、しっかり確認しましょう。

Web広告担当者として意識したい注意点とは?

担当者

実は我が社もFacebook広告を検討中なんです。もちろん画像の無断使用などは絶対しませんが、怪しい広告があふれる中で出しても信用してもらえないかな…?

森先生

Facebookは広告ツールとして非常に優秀な機能をもっていますから、活用しないのはかなりもったいないと思います。広告を出す際は、注意すべきポイントに気をつけながら進めていきましょう。

Facebook広告の長所

悪質な広告も多いFacebookですが、そのような広告が増えているのは、裏を返せばそれだけ広告効果が見込めるからこそ、とも捉えられます。前述したようにFacebook広告は、ターゲットを絞る、狙ったターゲットに届けるといったことに長けており、機能的にはとても優秀なツールです。

またFacebookはユーザー層も魅力的です。他のSNSに比べると年齢層が高く、30代後半のミドル世代以降が主なユーザーといわれています。これはつまり、経営者や企業の中で決裁権を持つ管理職以上の人がたくさん利用しているということ。そのため、Facebookは、特に「BtoB広告に向いている」とも言われているのです。ですから、詐欺広告と間違われたり埋もれたりするのが怖いからとFacebook広告を諦めてしまうのは、大きな機会損失ともいえます。

では、Facebook広告を打つ際は、どんなことに気をつければよいのでしょう? これまでお伝えしてきたことを逆手にとらえると、「自社を信頼してもらうこと」が重要だといえます。広告に興味をもってくれた方に、自社が詐欺会社などではなく正当な企業であること、商品やサービスは実態があるものだということをきちんと見せて信頼を得る必要があります。

Facebook広告での3つの注意ポイント

そのためのポイントは3つあります。

Facebook広告での3つの注意ポイント

1)企業のFacebookページをしっかり作る

1つ目は、企業のFacebookページをしっかり作っておくことです。「会社の写真だけは一応載せているけど、特に力を入れたコンテンツがない…」といったような、Facebookでの発信をおざなりにしている企業が意外と多いのではないでしょうか。広告内の企業名をクリックすると、企業ページに飛ぶため、実は意外とユーザーには見られています。連絡先や基本データなどを正しく明確に記載しておくと、信頼への第一歩になるでしょう。

2)プライバシーポリシーの明文化

2つ目は、プライバシーポリシーの明文化です。自社のプライバシーポリシーを掲載しておくと、「しっかりした会社なんだな」というポジティブな印象を与えられます。商品やサービスについての詳細はもちろん、企業の公式ホームページや他のSNSのアカウントなども、可能な限り内容を充実させておくとよいでしょう。

3)企業サイトの会社概要の充実

3つ目は、企業サイトの会社概要の充実です。こちらも意外と意識していない会社さんが多いかもしれませんが、広告から企業サイトを見る方も当然いらっしゃいます。会社の住所や代表者名、連絡先はもちろん、事業内容やポリシー、問い合わせ先などを明記し、「信用できる」と思わせるサイトにしておくことがとても重要です。

3つのポイントを書きましたが、「自分ならこの広告を見て、販売元の会社を信頼できるだろうか?」という厳しい目線で広告をチェックすることも忘れずに行ってください。

森先生からのアドバイス

ネットショッピングが日常的になった今、私たちは「クリックして何かを買う」ことへの抵抗感が低くなってきているように思います。Amazonなどで買い物する際、販売元までしっかり見てから買うという人は少ないですよね。そうした背景も悪質な広告が横行する理由の1つでしょう。

ですが、例えばマイホームなど大きな買い物をするときや、仕事で取引先と契約書を取り交わすときどうでしょう? おそらく、ポチッとワンクリックで決める、というわけにはいかないはずです。隅々までじっくりと見て、購入・契約しますよね。

Facebook広告も同じなのです。「著名人の名前や顔」「驚くほどの安さ」などにまどわされず、クリックする前は常に冷静な目でチェックしてください。そして広告を出す側になる際も、そのような厳しいユーザー目線をもって広告を作り込むことで、ユーザーの信頼を得られる効果的なPRができると思います。

ぜひご紹介した注意点や、クッキー規制など今後の動きにも気をつけながら、Facebook広告を活用していきましょう。

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