【B2B企業のSEO・2023年版】戦略策定に必須の最新SEOトレンドと効果的なキーワード調査(前編)
B2B企業が、目まぐるしく変化する2023年のデジタル環境において、トラフィックを増やし、リードを生み出し、競争力を維持するには、ネット上で強力なプレゼンスを確保することが不可欠だ。これらの目標を達成するうえで、SEOは中心的な役割を担う。
これは、どんなB2B企業であっても変わらない。製造業、素材系、エネルギー、運輸、商社、IT系、コンサルティング、人材、広告代理店などなど、「よく見るSEO情報は消費者向けだから、企業相手のウチのような場合とは違う」と考えている企業でも、SEOが果たせる役割は大きいのだ。
このブログ記事(およびこれに付随する包括的なガイド)は、次のような人たちに向けて書いている:
- B2Bマーケター
- SEO専門家
- ビジネスオーナー
そして2023年に成功をもたらすB2B SEO戦略を策定するために、必要な知識やツールを提供することを目的とする。何がB2BのSEOに変化をもたらすか、次の内容を含めながら説明しよう:
- 最新のトレンドや課題の理解
- 効果的なキーワード調査
- オンページ最適化
- 被リンクビルディング
- 結果分析の実施
- SEOのトレンドに関する最新情報の入手
2023年のB2B SEOを取り巻く状況を理解する
SEO環境は常に進化している:
- 検索エンジンのアルゴリズムのアップデート
- ユーザー行動の変化
- 音声検索や人工知能(AI)の影響力の拡大など
効果的なB2B SEO戦略を策定するには、最新トレンドに関する情報を入手することが不可欠だ。2023年の主なトレンドには、次のようなものがある:
- モバイルファースト インデックス
- 音声検索に対する最適化
- 検索やマーケティングにおけるAI
- ユーザー体験とコアウェブバイタル
- グーグルの継続的なアルゴリズム更新
順に詳しく説明しよう。
トレンド1モバイルファースト インデックス
インターネットユーザーの大半はモバイル端末でウェブサイトにアクセスするため、グーグルなどの検索エンジンは検索結果でモバイルフレンドリーなウェブサイトを優先して表示している。こうした動きが始まったのは数年前だが、対象はすべての業界に及ぶ。
ただし、B2B業界では、コンテンツやウェブサイトをデスクトップで閲覧するオーディエンスが若干多いのは事実だ(たいていのターゲットオーディエンスは職場で企業やベンダーを調査するため)。
それでも、同じくらい多くの人がスマートフォンやタブレットでメールをチェックしたり、調査をしたり、ウェブサイトを見たりしていることを忘れてはいけない。つまり、検索エンジンの動きをふまえて、モバイル対応をしっかり検討するべきなのだ。
トレンド2音声検索に対する最適化
音声検索は依然としてスマートデバイスで広く使われており、今では一部の自動車でも利用されている。たとえば、トヨタ自動車の新しい車載オペレーティングシステムでは、運転手や同乗者が車両のインフォテインメントシステムに質問を投げたり企業情報を調査したりできる。
そのため、B2B企業は音声クエリに合わせてコンテンツを最適化する必要がある。
具体的には、次のことを組み込んで、音声検索結果でのビジビリティを高める必要がある:
- 自然言語
- ロングテールキーワード
- 構造化データマークアップ
- など
トレンド3検索やマーケティングにおけるAI
ロイターによると、ChatGPTは2022年の公開直後から人気を集め、2023年2月にはユーザーベースの増加が史上最速を記録した。Demand Sageによると、2023年6月の時点で月間訪問数は17億にのぼる。
報道によると、ChatGPTの開発元OpenAIは、従業員が(機密情報を安全に共有できるように)暗号化されたプラットフォームを通じてChatGPTを利用できるようにしたいと考えている組織向けに、ビジネスレベルまたはエンタープライズレベルのサービスを開始するということだ。
またマイクロソフトは、企業がこの技術を使って「独自」のChatGPTを開発することにより、情報の機密性を保てるようにすることを計画している。
さらに、グーグルは2023年5月に開催したイベントのGoogle I/Oで、グーグルの検索ジャーニーにさらなるAIを組み込む計画を発表した。検索エンジンの結果ページ(SERP)に関して、この計画はここ最近で最大の変更となりそうだ。
トレンド4ユーザー体験とコアウェブバイタル
検索エンジンは、次のようなユーザー体験の指標を重視するようになっている:
- ページの読み込み速度
- モバイル対応
- インタラクティブ性
これらの要素を最適化することで、検索順位とユーザー満足度の両方を改善できる。2023年以降は、ページを数秒以内で読み込めなければ、ユーザーはすぐに諦めて必要な情報を他のサイトで探そうとする可能性がはるかに高まるだろう(または、検索エンジンがそう判断して順位を決めるだろう)。
トレンド5グーグルの継続的なアルゴリズム更新
SEO業界で働く人にとって幸運なことに、グーグルはアルゴリズムの大きな変更やアップデートについて、その実施予定時期などを発表するようになった。グーグルの変更に関する最新情報を把握するために、グーグルのアルゴリズム更新履歴ページをブックマークしておこう。
ここでは5つのSEOトレンドを紹介したが、SEOは常に進化している。どんな業種で仕事をしているにしても、SEO関連のメディア(Moz Blogなど)を定期的に読み、その分野の専門家から学び、常に最新情報を把握しておくことで、状況に応じて戦略を転換できるようにしておくことが重要だ。
キーワード調査を実施する
B2B SEO戦略を成功させる基盤となるのがキーワード調査だ。その一環として、潜在顧客が君の業界の製品やサービスの検索に使うキーワードやフレーズを特定する必要がある。2023年に効果的なB2Bキーワード調査をするには、次のステップを考慮してほしい:
- ターゲットオーディエンスを理解する
- キーワード調査ツールを活用する
- ロングテールキーワードを重視する
ステップ1ターゲットオーディエンスを理解する
バイヤーペルソナを設定して、その問題やニーズ、検索意図を明らかにしよう。このインサイトは、オーディエンスの関心に沿ったキーワードを選ぶのに役立つ。
「知識の呪い」に注意する必要がある ―― つまり、君の製品についてオーディエンスが自分と同じレベルの知識を持っていると思い込んではいけない。君が製品の仕組みを知っているからといって(あるいは、そもそもその製品の存在を知っているからといって)、オーディエンスも知っているとは限らない。
これはSEO担当者にとって、ターゲットオーディエンスが持つ知識を把握するまたとない機会であり、オーディエンスの検索意図に応える最適なコンテンツを制作できるようになるのに重要なポイントだ。
ステップ2キーワード調査ツールを活用する
Moz Keyword Explorerなどのツールを使うと、次のような貴重なデータを得られる:
- 検索ボリューム
- キーワードの難易度
- 関連キーワード
これらのツールを活用して、潜在価値の高いキーワードを特定しよう。「Google Search Console」や「Googleアナリティクス4(GA4)」で自身のデータを確認することも重要だ。
こうしたツールの情報をうまく使うことで、キーワード調査はかなり正確にできるようになる。キーワードに関する調査においては、検索エンジンが提供する情報だけを使うのではなく、ツールをうまく使うことが重要になっている。
ステップ3ロングテールキーワードを重視する
ロングテールキーワードとは、より長く、より具体的な検索クエリのことだ(競争が少ないものが多い)。これらのキーワードをターゲットにすれば、ニッチなオーディエンスにリーチし、質の高いリードを生み出すのに役立つ。
ほとんどのB2B製品はニッチな目的に対応しているため、製品やサービスの名称ではなく、その問題や解決策について説明するキーワードをターゲットにしよう。
たとえば、君の会社が「iPaaS」(サービスとしての統合プラットフォーム)であれば、「iPaaS」というキーワードに関するコンテンツを多く作るよりも、次に示すようなキーワードを狙ってコンテンツを作るほうが、より多くのオーディエンスにリーチできる可能性が高い:
- 「統合」
- 「データアーキテクチャ」
- 「アプリケーションの統合」
またキーワード調査を効果的に進めるには、どういった点を重視して進めるべきかを知る必要がある。B2B SEOを通じてより多くのユーザーや潜在的リードを呼び込むのに必要な適切なフレーズを見つけるには、次のような点が重要になる:
- より詳細なターゲットオーディエンスを特定する
- 高品質なキーワード調査ツールをうまく使う
- ユーザーが実際に検索しているキーワードを使う(たいていは商品名やサービス名ではなく、問題や解決策に関するキーワード)
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。前編では「2023年のB2B SEOを取り巻く状況」と「キーワード調査」について見てきた。後編となる次回は、「オンページコンテンツの最適化」と「質の高い被リンク構築」について説明する。
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