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SEOは何から手をつけるべき? 優先順位マトリックスで戦略を策定しよう【脱初心者】

SEOをプロレベルで実践するために必要な基本知識をまとめた「専門家のためのSEOガイド」。今回は、高度なSEO戦略について学んでいこう。

世界中のマーケターがSEOについて学べる「初心者のためのSEOガイド」をご存じだろうか? SEOの持つ可能性とパワーを実感できるガイドだ。

Mozのリソースページでは、トピックを選べるガイドを提供しているが、初級レベルをマスターした人が次に利用できる包括的なリソースはこれまでなかった。そこで私たちは、「専門家のためのSEOガイド」の開発に着手した。

このガイドは次のステップに進む人を対象としており、SEOを専門家のレベルで実践するために必要な、あらゆる基本知識を身につけられるようになっている。

まずは、高度なSEO戦略について説明した章の一部を紹介しよう。

高度なSEO戦略

この章を執筆したカーヴィ・カルドス氏は、Mozの元スタッフで、現在はAutomoxでSEOマネージャとして比類なき活躍を見せている。

「専門家のためのSEOガイド」の「高度なSEO戦略」の章では、次のようなことを紹介している:

  • 次のステップの戦略
  • 実施するべき戦術
  • レベルアップするためのリソース

この記事では、ガイドの内容からエッセンスを抜き出し、SEOの優先順位と妥当性に関して次の手法を解説する:

  • SWOT分析
  • 組織の検索成熟度
  • マトリックス作成

では、存分にご堪能あれ。

SEOの優先順位と妥当性

初期段階でサイトを監査すると、「コンテンツ」や「リンクビルディング」など、技術的なことについて非現実的なアイデアが次々に浮かんでくる。大半のサイトには多くの作業が必要で(SEO上級者が対応したことのないサイトでは特にそうだ)、新任のストラテジストが現場を訪れると、専門知識を求める各方面から引っ張りだこになることが多い。

実施するタスクや採用する戦術に優先順位を付けることは、高度なSEO戦略を策定する最初のステップとして欠かせない。そして、このステップは慎重に取り組むことが重要だ。

そのために、次のことをやろう:

  • 専門家に質問をする
  • 現実的に考える
  • 会える限り多くのステークホルダーを巻き込む

優先順位を付ける段階でつまずくと、四半期全体の予定が狂い、重要なタスクを見落としてしまう可能性がある。

SWOT分析を試してみる

古くさいと思われるかもしれないが、古典的なSWOT分析は、サイト監査の枠組みを決めるのに素晴らしい方法だ。

※SWOT分析とは、マーケティングなどで方針を定める際に使われることが多い古典的な分析手法で、

  • Strength: 強み
  • Weakness: 弱み
  • Opportunity: 機会
  • Threat:脅威

を明らかにすることで、現状を「内面的/外部要因」「プラス/マイナス」の観点で認識するもの(「SWOT」はこの4項目の英単語頭文字から)。

SWOT分析をうまく進めると、次の2つをよく理解できるようになる:

  • Webサイトそのもの
  • Webサイトが置かれている競争環境

またこの両方を調査するなかで、自分の考えをGoogleドキュメントなどに書き留めておくと、新しい発見があったときに常に戻って確認できる。たとえば、次のような項目だ:

  • 強み:
    • すでにうまくいっていることは何か。
    • そのサイトがすでに上位に表示されるようになっている、価値の高いキーワードは何か。
    • すでにリンクしてくれているオーソリティの高いサイトはどこか。
    • ページの読み込み速度やパフォーマンステストですでに好成績を収めているか、またはその他のよくある技術的な問題を抱えずに済んでいるか。
       
  • 弱み:
    • サイトに欠けているものは何か。
    • ナビゲートしにくいか。
    • サイトマップやrobots.txtファイルが乱雑でないか。
    • Googleアナリティクスなどの基本的なレポートツールを活用していないために、組織に洞察力が欠けていないか。
    • コンテンツ戦略が貧弱でないか。
       
  • 機会:
    • 戦略の一環として活用できそうなものは何か。
    • すでに作成済みで、あとは配布するばかりとなっている価値の高いアセットはあるか。
    • 特定のコンテンツ領域で強力な競合が後れをとっているか。
       
  • 脅威:
    • 検索でのビジビリティを損ないそうなものは何か。
    • SEOリソースを豊富に持っていることが明らかな将来有望な競合はいるか。
    • プラットフォームの移行が迫っているか。
    • 次のアルゴリズム更新からマイナスの影響を受けそうか。

さらにサイトの現在の位置付けを、

  • SERP
  • 全体の健全性

それぞれで把握できると、緊急度に基づいて戦術の優先順位を決める助けになる。

通常は最も深刻な脅威に最初に対処するべきであり、小さな弱みは「できれば対応したい」リストに移動しておいて問題ないことが多い。

組織が備える検索の成熟度を評価する

どれほど緊急性の高いニーズか、またはどれほど簡単なタスクに見えるかに関係なく、SEOの提案を実行に移す難しさは組織によって異なる。戦略を実行することの妥当性は、組織が備える検索の成熟度、つまりビジネスのあらゆるレベルでSEOをいかに十分理解し、一体化させているかに大きく左右される。

検索の成熟度という概念は、VMLY&Rのヘザー・フィジョック氏が生み出した考え方だ。組織成熟度のスペクトルでどのあたりに位置するかを診断する同氏の助言は、戦略的な計画プロセスである段階で必読である。

※Web担編注 「検索の成熟度」を解説した記事(Web担では日本語訳未公開)では、SEOに関して組織がどの程度しっかりと対応できているかを、次の2軸で定めている:

  • SEO能力 ―― 第0段階~第5段階
  • 組織のSEO実践力 ―― 第1段階~第5段階

詳しくは、ヘザー・フィジョック氏のMoz記事(英語のみ)をご覧いただきたい。

このモデルを使うことで君の提案が明確になるだけでなく、ステークホルダー目線でコミュニケーションを取れるため、それらの提案が日の目を見る可能性も高まる。

たとえば、次のような観点だ:

所属する部門や直属の上司、クライアントの担当者、さらにはCxOレベルの幹部に至るまで、チームのメンバーからどれほどの賛同を得られそうだろうか?

SEOが組織全体に浸透し、すでに企業文化の一部になっている場合、君の提案は喜んで受け止めてもらえるだろう。そうでなければ、必要なリソースを要求しても抵抗に遭うかもしれない。

SEO事業者では、既存のSEOパッケージに伴う制約や、毎月クライアント1人にかけられる時間と折り合いをつけることになる。社内SEOの場合は、もっと自主的に取り組めるかもしれないが、より多くのステークホルダーに対応し、お役所仕事のようにうまくさばかなければならないことも多い。

次のような観点もある:

提案した変更を実行に移すのはどれほど難しいだろうか?

コンテンツチームのスケジュールがすでに過密気味であれば、新しいアセットは希望するほど早く作ってもらえないかもしれない。ウェブ開発者が多忙であれば、スプリントサイクルにバックエンドの修正を組み入れるのは困難だ。

こんな観点で考えてみるのはどうだろうか:

SEOにどのようなリソースを利用できるだろうか?

リソースには多くの形態があり、特に不足しがちなのは人員とツールだ。具体的には、次のようなことがポイントとなることが多いだろう:

  • スタッフのなかに、最高水準のコンテンツを作成できるライターがいるか。
  • マーケティングチームに専任の開発者がいるか、それとも、サイトのコードにアクセスできる人はまったく別の部門にいるか。
  • どのようなツールをすでにサブスクリプション契約しているか。
  • ツールキットにどの程度の予算を追加できるか。

インパクトと労力を比較したマトリックスを作成する

どの部分をサポートするべきかを把握したら、戦術のリストを作る。前のステップでわかったことに基づき、

  • 必要な労力
  • 見込まれるインパクトの大きさ

に応じて、リストの項目にさらに優先順位を付ける。

次の図のようなマトリックスを、関係者とのミーティングなどで作ってみよう:

この図は2×2で示しているが、必要な労力と見込まれるインパクトは、次の3段階で分けていくのもいいだろう:

  • 小さい
  • 中程度
  • 大きい

計画した戦術をそれぞれ該当するセルに書き込もう。四半期や年間、または組織で決められた任意の期間の戦術リストには、細かなタスクだけでなく大規模なプロジェクトを含められる。

ただし、大きなアイデアは計画の枠内で意味のあるレベルに細分化しておく。

そして緊急度を考慮しつつ、次の2つを満たす戦術から取り組もう:

  • 最もインパクトが大きい
  • 最も労力が小さい

もちろん「要求が厳しくインパクトの大きな戦術」も、同時に少しずつ取り組めるのであればキックオフの時点から始めたほうがいいかもしれない。

ただし、「インパクトが小さく、労力の大きい戦術」は見直したほうがいい場合が多い。

用語集
Googleアナリティクス / SEO / SERP / robots.txt / ステークホルダー / リンク / リンクビルディング / 外部要因
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