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「10倍優れたコンテンツ」を作成する5つのステップ

どうすれば、独自の、ほかにはない、10倍優れたコンテンツを開発できるかについて、ランドが解説する

「10倍優れたコンテンツ(10x content)」を作ろうと試みたことがあるだろうか? 当然、簡単にはいかない。多くの場合、最大の障害は、どこから、どのように始めればいいか分からないことだ。この記事では、単なる「独自性のある優良なコンテンツ」がどのように廃れていくのか、そしてどうすれば、それを補って独自の10倍優れたコンテンツを開発できるかについて、ランドが紹介する。

10倍優れたコンテンツの基準
デバイスを問わず、すばらしいUIとUX
高品質で、信頼でき、有益で、興味深く、卓越した要素が組み合わさっているコンテンツ
同じユーザー意図に応える他のコンテンツと比べて、対象範囲や詳細の点でかなり差別化が図れるもの
畏敬の念、驚きや喜び、期待感、感心など、感情的な反応を呼び起こすもの
包括的かつ正確で特別な情報やリソースを提供することで、問題を解決したり、疑問に答えたりする
コンテンツは、独自で、優れていて、期待を超えて楽しいスタイルや媒体で届けられる
ステップ1
なぜ人々がそのテーマに関心があるのかという核心部分について、深い洞察を得る
新作映画で、評価が最も高いのはどれだろう?
ユーザー評価
受賞歴
編集者の評価
メタ評価
人気
目的は、つまるところ……「何を観ればいいか決める手助けをしてほしい」
ステップ2
問題に対して独自性のある見方を考える
映画の評価
まとめ
受賞歴と人気の比較
批評家と観客の比較
上映館の多さを図示
どの評価が信頼できるか
ステップ3
疑問に対して回答を提示でき、効果的で模倣しにくく、質の高い方法を見つける:
有名な評価サイトをすべて比較し、ある映画の統計分析を行う
評価サイトごとの評価の高低
サイトによってジャンルの好みの違いはあるか
他の評価とかけ離れているものはないか
受賞歴や批評家の評価と相関関係があるか
どの評価が信頼できるか
ステップ4
コンテンツを提示するための、効果的で特別な独自の方法を見つける
ステップ5
うまくいくのは5~10回に1回程度
うまくこなせるようになる唯一の方法は、試行錯誤を繰り返すことに尽きる

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、10倍優れたコンテンツを作成する方法について説明しよう。

さて、まずおさらいが必要な人や、10倍優れたコンテンツについて取り上げた以前のホワイトボード・フライデーを読んでいない人のために、確認しておこう。

現在では、コンテンツが多すぎて飽和状態になっていることから、その中で突出するのはきわめて難しい。単に、

このキーワードの検索結果で、上位10件にいる人たちと同じくらいの成果を上げたい

と考えて行動していればいい状況ではない。そうではなく、

現時点でこれらの人たちがやっていることよりも10倍優れたものを作成するにはどうすればいいか?

を考える必要がある。これが「10倍優れた」コンテンツという概念だ。突出するためには、これしかない。

10倍優れたコンテンツを測る基準

実は、僕はGoogleドキュメントで10倍優れたコンテンツの例を60件以上リストアップしていて、今も追加し続けている。

他のどの人がやっていることよりも「10倍優れている」と言える基準は、基本的には次のとおりだ。

  • デバイスを問わず、UIとUXが素晴らしいものでなければならない。

  • 総じて、高品質で、信頼でき、有益で、興味深く、卓越した要素が組み合わさっているコンテンツであること。必ずしもすべての要素を満たす必要はないが、いくつかが組み合わされたものでなければならない。

  • 同じ訪問者の層やユーザーの意図に向けて作られた他のコンテンツと比べて、対象範囲や詳細の点でかなり差別化が図れるものでなければならない。

  • 感情的な反応を呼び起こすものでなければならない。10倍優れていると思われるには、コンテンツに畏敬の念を抱いたり、驚きや喜び、期待感を覚えたり、感心したりできるものであってほしい。

  • 包括的かつ正確で特別な情報やリソースを提供することで、問題を解決したり、疑問に答えたりする必要がある。

  • コンテンツの提供には、独自の優れたスタイルや媒体、それも、期待を超えて楽しい物を利用しなければならない。

これらすべてをクリアすれば、10倍優れたコンテンツになるだろう。ただ、これは至難の業だ。ここが今回のテーマだ。これらすべてのチェックボックスにチェックを入れるには、どういったプロセスをたどればいいだろうか?

10倍優れたコンテンツを作るステップ1
深い洞察を得る。

では、ここから始めよう。まず、何か考えていることがある、たとえばテーマにしたい特定のトピックがあり、作成しようと思うコンテンツがあるとしよう。

ちなみに、そうしたトピックに行き着くまでの方法については今後のホワイトボード・フライデーで取り上げるつもりだ。なおこれまでにも、キーワード調査に関するトピックはもちろん、トピックの選び方などについても紹介したことはある。

いずれにせよ、すでにトピックが決まっているなら、まずは「なぜ人々がそのテーマに関心があるのか」という核心部分について、きわめて深い洞察を得る必要がある。

例として、何かシンプルなトピック、誰もがよく知っているトピックで見ていこう。

評価が最も高い新作映画は何だろう?
ユーザー評価
受賞歴
編集者の評価
メタ評価
人気

こんな風に思っている人がいるとしよう:

評価が最も高い新作映画は何だろう

この場合にはまず、「この人物の頭の中に入り込んで、疑問の核心部分に答えるにはどうすればいいか?」を考える。

この人物の思っていることの本質は、「どうやって判断したらいいのだろう……何を観ればいいか決める手助けをしてほしい」ということだ。

判断材料はさまざまにあるだろう。ユーザー評価かもしれないし、受賞歴かもしれない。あるいは人気という場合もある。最も人気のある映画は何だろう。あるいはメタ評価かもしれない。この人物は、参照できるすべてのデータが集約されたリストが見たいのかもしれない。編集者や批評家の評価かもしれない。実にさまざまな見方があるのだ。

10倍優れたコンテンツを作るステップ2
独自性がなくてはならない。

当然のことながら、独自性があり、特別で、他の誰とも同じでなく、他の誰とも差別化できることが非常に重要だ。

問題に対して独自性のある見方を考える
映画の評価
まとめ
受賞歴と人気の比較
批評家と観客の比較
鑑賞のしやすさ
どの評価が信頼できるか

そこで、このユーザーが抱いている問題の核心部分に対処するさまざまな方法をブレインストーミングしていけば、「映画の評価を総括するのはどうだろう?」という案が浮かぶかもしれない。

だが、これはすでにMetacriticなどのサイトで、すでに行われていることだ。あらゆる要素を集約し、すべてを1か所にまとめて、実に多くのウェブサイトにおける批評家の意見とユーザーの意見を比較して示しているものは、ほかに存在するのだ。

受賞歴と人気の比較もすでに多くのサイトで行われており、売上が最も高かった作品や特定の賞を獲得した作品を比較している。だからこれも、特に独自性があるわけではない。

批評家と観客の比較はどうだろう? これも、基本的にはさまざまなWebサイトで行われている。だれもがユーザーの評価と批評家の評価を比較して見せている。

鑑賞のしやすさはどうだろうか? ううむ、上映館の情報はすでに多くのサイトにあるし、さらにはNetflixやHulu、Amazon、Comcastやオンデマンド、YouTubeで視聴できる作品をそれぞれ紹介している。したがって、これも独自性はない。

では、信頼できる評価はどれかがわかるサービスはどうだろう? 待てよ、これはまだないかもしれない。この問題に対処すれば、優れて独自の洞察になりそうだ。というのも、僕が「何を観るべきか」を考えるときに頭を悩ますことの1つに、「誰を信用し、信じるべきか」という点があるからだ。FandangoやAmazonを訪れてみるべきか、それともMetacriticやNetflixをチェックするべきか? 実際に信頼できるのは、どの評価だろうか?

さて、これで独自の方向が見つかった。独自の見方を備えた、核心部分の洞察が得られた。

10倍優れたコンテンツを作るステップ3
回答を提示するための効果的な方法を明らかにする。

次に、この疑問に対して回答を提示できる、効果的で模倣しにくく、質の高い方法を見つけたい。

この場合は、方法として統計分析が可能だと気づくことにあるだろう。十分な規模のサンプルセットはある。映画に関しては2015年の作品数は150本ほどになるだろうから、数は十分だ。各サービスが提供している評価を見て、パターンがあるかどうか確認しよう。

たとえば、どの評価が高くて、どの評価が低いか。サービスによるジャンルの好みの違いはあるか。どの評価が信頼できるか。受賞歴や批評家の評価と相関関係があるか。他の評価とかけ離れている評価はどれか。これらの要素はすべて、「どの評価が信頼できるか」という疑問に答えようとするものだ。

こうした統計分析を行えば、疑問に答えることができるだろう。まったく手のかかる作業ではあるけれど。

有名な評価サイトをすべて比較し、ある映画の統計分析を行う
どの評価が高くて、どの評価が低いか
サービスによるジャンルの好みの違いはあるか
他の評価とかけ離れている評価はどれか
受賞歴や批評家の評価と相関関係があるか
どの評価が信頼できるか

こういったサイトをすべて訪れなければならない。すべてのデータを集めなければならない。

集めたデータを、統計モデルに組み込まなければならない。組み込んだら、モデルを実行しなければならない。

標本集団の規模が十分であることを確認しなければならない。どんな相関関係があるか見なければならない。異常値や度数分布といった要素をすべてチェックしなければならない。

うんざりしそうだ。とはいえ、いったんこれを行って方法論を明確にすれば、後は次に進むだけだ。

10倍優れたコンテンツを作るステップ4
このコンテンツを提示するための、効果的で特別な独自の方法を見つける。

実は、FiveThirtyEight.comがまさにこれをやっているのだ。

彼らは、この統計分析を行った。これらのさまざまなサイトすべてを調べて、FandangoやIMDb(インターネット・ムービー・データベース)のユーザー、批評家、Metacritic、Rotten Tomatoesなど多くのサイトを比較した。それを上のような1つのグラフにまとめて、評価の平均値を基本的に星で示している。対象は確か146作品だったと思うが、FiveThirtyEight.comは、十分正確に分析できる標本集団数だと判断したのだ。

こうして、FiveThirtyEight.comは10倍優れたコンテンツを作成し、「どの評価サービスを信頼したらいいのか?」という疑問に独自の解釈で回答した。

結論は、基本的に「Fandangoは信用するな」というものだ。ただし、それだけにはとどまらない。Metacriticはかなり信頼できる。他にもまずまずの水準のところがある。

10倍優れたコンテンツを作るステップ5
成功するまでには、5~10回はやってみる覚悟を持とう。

これをうまくこなせるようになる唯一の方法は、試行錯誤を繰り返すことに尽きる。何度も繰り返すことで、どうすれば独自の要素を明らかにして、それを独自の方法で示し、ウェブ上で存在感を発揮できるかについて、第六感を磨けるようになる。

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