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問い合わせが37%も増加したサイトのコンバージョン戦略とは ―― 効果があった5つのこと(前編)

ウェブサイトのコンバージョン率を向上させるために、筆者が実践したこととは? 効果があった5つのステップを紹介する。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

コンバージョンがないウェブサイトは、穴の開いたバケツに少し似ている。あなたなら、流れ出るのもかまわずにバケツに水を入れ続けるのか、それとも穴をふさいでから水を入れるのか。

言い換えれば、行動を起こすことなく「流れ出る」人々を引き寄せるために予算を割くのか、それとも、こうした人々がとどまってくれるほど魅力的なウェブサイトに調整するのか。

僕たちのおすすめは、トラフィックを増やす取り組みに費用をかける前に、ウェブサイトのコンバージョン率を最適化することだ。

念頭に置くべきウェブデザインの統計がある。それは、次のようなものだ:

良い第一印象を与えるには0.05秒しかない。

その0.05秒のあいだに、ウェブサイトで次のようなことを感じさせてしまうと、ユーザーはすぐに去っていってしまうだろう:

  • ウェブサイトの動作が遅すぎる
  • ウェブサイトが魅力的でないと感じられる
  • 言い回しが明瞭でない

製品ページや企業概要ページのデザインに大変な労力をかけても、実際に見てもらえないのでは、あまりに残念だ。

僕たちはオーストラリアのメルボルンを拠点に、デジタルウェブデザインとコンバージョンを専門とする代理店として、10年以上にわたり顧客のウェブサイトの最適化を支援してきた。しかし2019年半ば、今度は逆に自分たちのサイトを見直してみることにした。

すると、僕たち自身が少しばかり水漏れするバケツのような状況になっていることがわかった。トラフィックは良好でコンバージョンもそれなりにあったが、改善の余地があるのは明らかだった。

この記事では、コンバージョンについてもう少し詳しく取り上げる。

  • コンバージョンとは何か
  • なぜコンバージョンが重要なのか
  • ビジネスにどのように役立つのか

そして、僕がどのようにして調整していったかも紹介する。

僕たちのサイトは、変更を加えてから最初の26週間でより高い階層の顧客を引きつけ、問い合わせ件数が増えたばかりか、78万ドル(約8800万円)以上に相当する新たな販売機会を得た。

では、詳しく見ていこう。

コンバージョンとは

「コンバージョン」とは、サイトを訪れた人が、サイト側が期待する行動を取ってくれることを意味する。「サイト側が期待する行動」とは、たとえば次のようなものだ:

  • メルマガの購読
  • デモンストレーションの視聴予約
  • 製品の購入
  • などなど

(ちなみに「コンバージョン率」は、あなたのサイトを訪れた人のうち、コンバージョンした人の割合を表す数値だ)

コンバージョンは、あなたのウェブサイトが何をしているかによって形や規模が異なる。もし製品を売っているのであれば、販売が主な目標になるだろう(これを「マクロコンバージョン」と呼ぶ)。旅行会社や報道機関ならば、購読や相談の予約が主な目標になるだろう。

まだ購入や相談の予約をするつもりがない訪問者であれば、無料のメルマガに登録したり、ソーシャルメディアでフォローしたりするなどのステップを踏むかもしれない。これは「マイクロコンバージョン」と呼ばれるもので、より大きな成果(つまりマクロコンバージョン)につながる小さな一歩となる。

簡単なまとめ

「コンバージョン」とは、購入からソーシャルメディアでのフォローまで、いくつもの行動に当てはめることができる。

マクロコンバージョン」は一般的に売り上げと関連付けられるもので、電話やメールをしたり、レジへ移動をしたりすることである。顧客がリサーチを済ませて、購入に踏み切る用意ができたときに起こる。典型的なコンバージョンファネルを思い描いてみると、顧客が一番下まだ進んだ状態だともいえる。

典型的なコンバージョンファネル
認知:イベント、ブログ、その他のコンテンツを通じて認知度を高める
興味・関心:メールマーケティングやニュースレターなど、対象を絞り込んだコンテンツでリードを育てる
検討:見込み客に製品情報を提供する:ケーススタディ、無料トライアル、メールキャンペーン
意図:独自の価値提案に焦点を当てる:デモ、ウォークスルー
購入:見込み客は販売取引後に顧客となる。リテンションのプロセスが始まる

一方「マイクロコンバージョン」は、売り上げにつながる小さなステップだ。最終的な成果ではないが、正しい方向に進む一歩となる。

注意点は次のとおりだ:

  • ほとんどのサイトやアプリには複数のコンバージョン目標がある。

  • それぞれにコンバージョン率が算出される。

「マイクロコンバージョン」と「マクロコンバージョン」、どちらの方が良いのか?

結論を言ってしまえば、両方だ。理想としては、「マイクロコンバージョン」と「マクロコンバージョン」が常に発生していて、セールスファネルを進んでいく顧客の流れが続いている状態が望ましい。もしどちらもないのであれば、あなたのウェブサイトは水漏れしたバケツのようになっているということだ。

「一見すると良いことのようだが、最終的には問題につながる」一般的な状況を2つ紹介しよう:

  • 実は良くない状況①
    • ウェブトラフィック:多い(良い点)
    • マイクロコンバージョン:ない(悪い点――水漏れバケツ)
    • マクロコンバージョン:ない(悪い点――水漏れバケツ)
  • 実は良くない状況②
    • ウェブトラフィック:多い(良い点)
    • マイクロコンバージョン:多い(良い点)
    • マクロコンバージョン:ない(悪い点)

多くの企業は、従業員が効率的に働くために多額の費用をかけているが、実際のところ、最高のマーケティングツールであるウェブサイトには、あまり予算が割かれていない

マーケティングにお金をかけることは、いつだって良いことである。サイトを訪問してもらうことは、あなたのビジネスにより注目を集めることになる。しかし、訪問者が売り上げにつながるコンバージョンをしなければ、マーケティング資金を無駄にしていることになる。

コンバージョン率に関する統計に関して、僕が読んだなかで特に衝撃を受けたのは、次のものだ:

平均的なユーザーの注意を払う時間は、12秒から7秒にまで減少した。

※Web担編注 当該調査データを確認できなかった。似たデータとしては「マイクロソフトが発表した「ユーザーの集中力継続時間を脳活動で調べた調査では、2000年時点では12秒だったのが2015年に8秒まで短くなっていた」というものがあった。

だからこそウェブサイトは速く、明確で、魅力的なものにしたほうがいいだろう。

僕たちの問題

僕たちの会社では、SEOやグーグル広告に多額の費用をかけたが、期待したほどの問い合わせは来ていなかった。分析してみたところ、トラフィックが問題ではないことがわかった。そうではなく、それなりの数の人がサイトを訪れていたにもかかわらず、問い合わせなどの行動を起こす人があまりに少なかったのだ。

僕たちには、次のような問題があった:

  • サイトがあまり速くなかった(読み込みに2秒以上かかると遅いと見なされる。僕たちのサイトは5~6秒程度で、コンバージョンに悪影響を与えていた)。

  • CTAによるコンバージョンが低かった(訪問者にクリックされていなかったか、またはCTAがあるべき場所になかったために離脱されていた)。

  • デザインの決定を推測に頼っていたため、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを測定する手段がなかった。

  • つまり、状況は良かったが、すばらしいものではなかった。言い換えれば、改善の余地があったということだ。

問題を修正するために何をしたか

サイトのコンバージョンを向上させることに、誰にとっても有効な解決策があるわけではない。つまり、ある人にはうまくいっても、あなたにとってうまくいくとは限らない。さまざまなことを試し、時間をかけて成果を積み重ねていくゆるやかな道のりなのだ。

長年にわたり多くのクライアントのウェブサイトの最適化を手がけてきた経験から、僕たちはこの点を認識していたので、これを念頭に自社サイトのデザイン刷新に取りかかった。

ここでは、僕たちが取り組んだステップで効果があったものをいくつか紹介する。具体的には、次の5つだ:

  • サイトを改善することを決断した
  • ユーザーについて理解を深めた
  • サイトの速度を改善した
  • トラッキング機能を増やした
  • ユーザーの行動を調査した

ここから、それぞれについて解説していこう。

コンバージョン率改善に効果があった5つのこと①
サイトを改善することを決断した

何よりもまず、自社サイトを修正することを決断した。当たり前のことのように聞こえるが、いくら「とても重要なことをやろう」と思っても、実際には手が回らないものだ。あるいは興奮して先走って手を加えてみたところ、他に優先するべきものが出てきて、取り組みを中断せざるを得なくなったことはないだろうか。

事業経営をしていて、それなりに問題なくやっている人には、ありがちな問題だ。多くの場合は、「より緊急性が高いように見える問題」、つまり販売・顧客対応・経営などに注力する状態に戻ってしまう。

サイトのコンバージョンを改善させることは、あなたと社内の全員を巻き込んだ決断から始まるものであり、僕たちはまさにこれを実行した。デザインと分析の専門家らも巻き込んだ。

プロジェクトに時間と費用を注ぎ込んだので、充実感が得られた。さらには、僕たちの取り組みを全員に知ってもらうために、サイトの開設を伝えるeDMまで作成した。要するに、イベントのように感じてもらえるようにしたのだ。

サイトの開設を伝えるeDMでは、「大工の自宅はしっかりと建てておかなきゃね!」という見出しで目を引き、Webサイト制作会社である筆者の会社が自社サイトをリニューアルしたことをしらせている。

コンバージョン率改善に効果があった5つのこと②
ユーザーについて理解を深めた

ユーザーにはさまざまなタイプの人がいて、購入する気がある人もいれば、ウィンドウショッピングをしているだけの人もいる。どのような人がサイトを訪れているのか把握することは、彼らのニーズを満たすコンテンツを作るのに役立つだろう。

僕たちの分析データを見たところ、サイトの訪問者には両方のタイプがいたが、どちらかといえば購入する気のある人が多いことがわかった。つまり、

  • マクロコンバージョンを高めること(販売を目的としたサイトにすること)

に重点を置きつつ、

  • 初期段階のリサーチをしている訪問者も逃さないようにする

必要があった。後者のユーザーのために、僕たちはSEOを改善して、評判を高める手段としてブログを始めた。

ユーザーを正しく理解することは、サイトの印象作りにも役立つ。僕たちが当時ターゲットにしていたマーケティングマネージャーは女性が多く、この層には特定の画像や色のほうがより共感を得られることがわかった。そのため、チームやオフィスといった、ありきたりの写真にするのではなく、ユーザーの心を探るべく、データや興味を引き寄せるための心理学を用いた。

サイトの画像、花の明るいイメージ
ページの画像、ハチドリと花の温かいイメージ

コンバージョン率改善に効果があった5つのこと③
サイトの速度を改善した

ユーザーを送り込む先が優れたサイトでも、ページ表示速度が遅ければ信頼を失い、ユーザーを逃してしまう。コンバージョン率の向上にサイトの速度が重要であることは、複数の調査で示されている。これはSEOのランキング要因の1つであり、ユーザー体験に関わる大きな要因だ。

もっと具体的に言うと、こういうことだ:

1秒以内に読み込まれるページは、5秒以上かかるページに比べて、コンバージョン率が約2.5倍高くなる。

僕たちは、高速化を目的としてウェブサイトを構築した。Mozには、ページの速度についてベストプラクティスを示すすばらしいガイドがあり、僕たちはそのリストから次のことを実践した。

  • 画像を最適化した。
  • 独自のキャッシングを管理した。
  • ファイルを圧縮した。
  • ページの読み込み時間を改善した(Mozには、最初の1バイトを読み込むまでの時間を短縮する方法についても素晴らしい記事がある)。優れたウェブページの読み込み時間は2秒未満とされており、僕たちはこれを達成した。
  • さらにサイトを高速化するために、自社のホスティングもカスタマイズした。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に続いて筆者の会社が問題を修正するために取り組んだ内容の残り2つを説明した後、「お役立ち7つのヒント」「おすすめのツール8選」「高コンバージョン率を維持する4つの方法」も紹介する。

→後編を読む

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