「集客を考える、ホームページかんたん改善ポイント講座」では、「はじめてWEB(Jimdo)」を使ったホームページのちょっとした集客のための「改善のアドバイス」をお送りいたします。多くのホームページは「ここを直すだけでもっと人が来る」というポイントが存在します。
このコラムでは、JimdoExpertの「なっちゃん」と、「がじろう」が実際にあったお客さまの相談や悩みをもとに、ホームページの集客改善をどのように行えば良いのかを、掛け合いでお伝えしていきます。
今回のテーマは、メールマガジンと個人情報。なぜメールマガジンなのか、まだメールマガジンは集客に有効な手段なのか、個人情報を取扱うことにあたって考えるべきことを一緒に見てみましょう。
ぬおっ!唐突になんだよ。
メールマガジンについてなんですが、メルマガってもう古いですよね。誰も読まないですよね。
メルマガねー。確かにだいぶ昔からある集客の手段だね。
誰も読まないというのは、なっちゃんの感覚だよね。
あんなにたくさんメルマガを送られても読まないっすよー。
それは、たくさんメールマガジンに登録してるからじゃないの?
登録したつもりは無いんですけどね。
あー。そうか、そういうこともあるね。
実は、メールマガジンを取り巻く環境も変わってきているんだ。
そのあたりも含めて話してみよう。
メールマガジンで期待できる効果と特徴
メールマガジンで期待できる効果ってなんだろうね。
うーん。製品とかサービス・リリース情報などを直接、お客さんに届けることですかね?
間違いでは無いね。
ちょっとSNSと比較してみよう。
SNSとメルマガですか?
そう。SNSで企業の情報を得るためには、検索して専用ページやアカウントに辿り着く必要があるし、自身のタイムラインなどに情報を表示させるにはフォローしないといけないね。
ですね。
やっと辿り着いたSNSでも、情報の鮮度が低い場合もある。
運営側から考えても、SNSやWebサイトに情報を掲載したところで、タイミング良くお客さんに伝わるとは限らない。
あ。なるほど。
気づいたかい?
メルマガだとお客さん自ら登録している場合が多いから、運営側である企業や事業者さんが自分のタイミングで、伝えたい情報を発信できますね。
そうだね。簡単に言えば「リピーターなどの顧客に確実に伝えることができる。」可能性が高い手段がメルマガなんだ。
じゃ、ここでメルマガのメリットをまとめてみよう。
メールマガジンのメリット
- 運営者のタイミングで配信できる
- 読者(顧客)に直接届く
- メールを送信するだけ(しくみが簡単)
- WebサイトやSNSへの誘導がしやすい
- 広告費用としては安価
良いことずくめですね!
メルマガが古いとか、効果がないとは言い切れないね。
じゃあ、逆に考えられるデメリットはなんですかね?
ケース・バイ・ケースではあるけど、こんなことが考えられる。
メールマガジンのデメリット
- チラシと同じで使い捨て
- 配信したメールを読んでもらえるとは限らない
- HTML形式のメールマガジンは受信環境に左右される
使い捨て・・・思いあたりますね。1度目を通したらゴミ箱行きですね。
読者にとってよほど大切な情報で無い限り、読み返すことは無いよね。
読んでもらえるなら、まだマシかも知れない・・・しかし、それは当然のことだよ。
メールマガジンを配信する側としては、一生懸命に書いた文章でも、捨てられる。
このことも念頭に入れておくと良いね。しかし、報われないということでは無いので、腐らないで欲しい。
じゃあ早速、うちのお客さんにメールマガジンの配信を勧めてみますー!
ちょっと待ったー!!
え?
実はメールマガジンに関して、大切なことがあるんだ。
GDPRと個人情報に関して
なんですか、大切なことって。
なっちゃんは『GDPR』って言葉、聞いたことある?
うーん。国民総生産はGNPだし・・・知りません!
じゃ、下の説明を見てね。
GDPR(General Data Protection Regulation)
2018年5月25日にEU(欧州連合)で発効された法律。日本名は「EU一般データ保護規則」。
個人情報(データ)の保護という基本的人権の確保を目的とした規則で、EU圏内向けの事業を展開している企業が同規則に準拠しない場合、その事業者の年間売り上げの最大4%もしくは2000万ユーロ(25.6億円)の罰金が科せられる。
保護対象がEU圏内の市民と居住者とし、個人データを収集、処理をする事業者に対して、多くの義務が課される。
ふーん。なるほど。
でも、日本は関係ないんじゃないですか?
インターネットで、EU圏の人は日本のWebサイト見ないのかな。
日本に旅行や仕事で滞在しているEU圏の人もいるよね。
そういった方々が、個人情報を入力しないと言い切れる?
うわわわわわ。ほんとだ。他人事じゃない。
そんなことで、GDPRは日本も対象となるんだ。
何をどーすれば良いんですかっ!?
Webサイトなどを通じて入手した個人情報を適切に管理すれば良いだけ。
特に難しいことではないので、ポイントをまとめてみるよ。
- 個人を特定できる情報とは何かをきちんと把握する
- プライバシーポリシーをわかりやすく明記する
- 個人情報を入力させる場合には、必ず本人の同意を得る(オプトイン)
- 訪問者からデータの確認や削除要求を受けた場合は適宜対応する
- 不要、保存期間が過ぎた個人情報データは削除するなど、適切に扱う
あれ。普段からキチンとWebサイトを運営されている方なら、対応しているような事ですね。
そういうこと。
注意する点としては、GDPRが定義する個人情報は下記であること。
ここはちゃんと把握して欲しい。
GDPRが定義する個人情報
- 氏名
- 住所
- メールアドレス
- 生年月日
- 口座番号/クレジットカート番号
- 位置データ
- IPアドレス
- Cookie ID
- 公的機関が生成する個人識別符号(運転免許証、パスポートなど)
- 生体データに関する個人的識別符号(DNA、指紋、声紋など)
- 人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実
- 身体的、知的または精神的な障害
- 疾病の予防や早期発見のための健康診断の結果及びその改善のための指導等を受けた事実
- 刑事事件に関する手続きを受けた事実
おお。結構ありますね。
特に下から4つの項目のデータは、他者に漏れた場合に不当な差別につながる可能性がある。 特に配慮が必要な個人データとして扱われるんだ。
じゃあ・・・そんな個人データは受け取らない方が良いですね。
そういうことだね。普通に事業されている方には必要な無いデータでもあるし。
はじめてWEB(Jimdo)でも、何か配慮すべきことはありますか?
アクセス解析があるよね。あれはトラッキングとクッキー(Cookie)と言われるもので、分析されるんだ。これらは、個人データとして取り扱われる。
このようなことから、Jimdoでは「Cookieポリシーページ」が自動生成されるようになったんだ。
Google Analytics等を使用して、アクセス解析を行っているサイトは、その旨をプライバシーポリシーに記述する必要も出てくる。Jimdoであれば、このあたりはプライバシーポリシーに表示できるようにあらかじめ文章を用意しているので、安心だ。
メールマガジンと個人情報
メールマガジンを配信するということは・・・必然的に、個人情報を集めますよね。
うわー・・・大変だ。じゃあ、メールマガジンを配信利用するにあたって、個人情報で気をつけることはありますか?
まず、メールマガジンの登録は、読者が能動的に申込む形が第一条件になる。
さらに、個人情報の取扱いに関して同意を得る必要があるんだ。
名刺交換しただけでメールマガジンの配信をする人とか、一度メールフォームから問い合わせしただけでメールマガジンを送る企業は・・・。
完全、アウトだな。GDPR以前にマナー違反でもあるけど。
メールマガジンではありませんが、Jimdoのメールフォームも送信ボタンの前に「プライバシーポリシーに同意します」のチェックボックスが付くようになったのも、こういう理由だったんですね。
その通り。入力する人が個人情報の取扱いについてしっかりと読んで、同意の意志を示す動作をする。これが必要になったんだ。
Jimdoのメールマガジンを購読する際に、ポップアップ画面でメッセージが出てくるようになったのも、そういった理由だよ。
さらにJimdoでは、メールマガジンに関して外部有料サービス「Benchmark(ベンチマーク)」を紹介している。
このサービスでも、GDPRに対応しているので安心して欲しい。
参考リンク
- ホームページのクオリティアップ術:運用編 第7回:メールマガジンを使って集客しよう!Jimdoでメールマガジンを利用する方法※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました - Benchmark Email(ベンチマーク)| Jimdoサポートセンター
- How Benchmark adapts to the GDPR <英文> (GDPRへのベンチマークの対応について)
今後、メールマガジンに限らず、個人データを扱うにはこのあたりの対応状況も、様々なサービスを選ぶ基準にもなりそうですね。
確かにGDPRのお陰で、個人情報についてしっかり考えるようになったとも言える状況だね。そして個人情報を得た時点で、外部委託しようが、サービスを利用しようが、管理責任は運営者にあるということを認識して欲しい。
とにかく必要のない個人データを取得することは、当然だが控える。これが大切。
好かれるメールマガジン、嫌われるメールマガジン
はい!はーい!ここまで、GDPRのお陰でメールマガジンにあまり触れてません。
ぐわー!ほんとだ!
ズバリ、読者に好かれるメールマガジンってありますか?
また、その逆の嫌われるメールマガジンも。
全ての人に好かれる、嫌われるというものでも無いけれど、ざっとまとめてみた。
好かれるメールマガジンの傾向
- 明確な1つのテーマでのメール
- メールタイトルで何が書いてあるか理解できる
- まとまりがあり、読みやすい文章
- 適度な配信間隔
- 「タイムセール」などイベントをタイムリーに伝えるもの
- 解約・配信停止が簡単
嫌われるメールマガジンの傾向
- とにかく長文
- 担当者の日常のことなど、無駄が多いもの
- 訴求ポイントがよくわからないもの
- 配信本数が多すぎる
- 複数のメールアカウントから配信される
- 解約・配信停止が複雑でわかりにくい
なるほど、あるあるですね!
解約方法がよくわからないメールマガジンって、意外に多いですもんね。
あれは、本当に困りますね。
まったくだ。
とにかく。何のためにメールマガジンを配信するのか。
メールマガジンを読んだお客さまに、どんなメリットを提供できるのか。
この部分を考えるだけで、集客にピリッと効果を与えるはずだよ。
なるほどー。こうすれば成功する!とかってはありますか?
成功するか否かは、他人が保証するもんじゃない。
様々なメールマガジンを登録して読む。自分だったら、こうする。とか、試行錯誤することが大事かなぁ。
言われてみればそうですねぇ。
成功の法則って、ご自身で見つけるものだと思うよ。
メールマガジンにいたっては、読者層とか好みとか、事業によって違うものだし。
成功を追い求めるより、目の前のお客さまに喜ばれることを目指すことが大事だね。
では、今回もまとめてください!
メールマガジンはまだまだ、集客に効果がある。
GDPRのお陰で今後は、メールマガジンを積極的に利用したいと考えるお客さまが読者となるとも言える。だからこそ、個人情報の取扱いにも注意しよう。
まとめ
GDPRの発効で、個人情報の取扱い方に大きな変化が訪れたかのように見えますが、しっかり管理するという点では、大きな変化はありません。この機会にメールマガジンのあり方、個人情報の取扱いに関して考える機会になっていただけると幸いです。
少し固いお話になってしまいましたが、個人情報の取扱いに細心の注意を払って、しっかり効果を上げましょう!
このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
今日は聞きたいことがあるんです。