根本的に間違っている5つのローカルSEO手法 ⑤専門職(個人開業者)の登録【後編】
ローカルSEOでよくある根本的な5つのミスを解説するこの記事は、3回に分けてお届けしている。
最終回となる今回は、根本的に間違っているローカルSEO手法の5つ目、
- 専門職(個人開業者)をよく検討せずに登録してしまう
について説明する。
また、
- (SEOで)助言やコンサルティングを行うときの6つの心構え
についても、最後に解説する。
ローカルSEOのよくある根本的な間違い その5
専門職(個人開業者)をよく検討せずに登録してしまう
ミスをするSEO担当者の事情
診療所には5人の歯科医がいるが、1人は先月異動(または退職)したので、Googleマイビジネスのリスティングで彼の扱いをどうすればいいのか分からない
グリーン医師はローカル検索結果でなぜか診療所より上位に表示されるので、本当に悩ましい
→だから、専門職(個人開業者)をよく検討せずに登録してしまう
なぜ問題なのか
これは最も複雑な問題なので、最後に取っておいた。
リスティングに複数の専門職(個人開業者)を登録できるのは喜ぶべきものという場合もあるが、たいていは悩みの種になる。だから、そうしたリスティングの作成に関して私の立場は、次のようなものにしている。
Googleマイビジネスのリスティングに専門職(個人開業者)を複数登録するのは、特定のケースでのみ推奨する
グーグルが専門職のリスティング(ビジネスに所属するそれぞれの医師、弁護士、歯科医、エージェントを示すリスティング)を最初に使えるようにしたとき、私はそれを、チャンスと捉えた――特定の専門職が自らのプレゼンスによってローカル検索結果で優位に立てる絶好のチャンスだと。
しかし、その後、次のような動きがあったため、私は専門職のリスティングの利点について考えを改めたのだ。
グーグルは、専門職の複製を削除しようとしなかった
グーグルは、共有カテゴリや類似の場所のリスティングをフィルタリングで除外するPossumアップデートをリリースした
専門職のリスティングが結局はブランドのリスティングより上位に表示されるケースも見られた
さらに、専門職のリスティングにおけるビジネス名フィールドは、グーグルのガイドライン違反者の温床になっている点も付け加えておくべきだろう。この種のリスティング名の付け方について、グーグルが定めている肝心のルールを読んだことがあるビジネスオーナーはほとんどいない。
簡単に言えば、専門職のリスティングは、一歩間違えると名前の付け方を誤ったリスティングが多く生まれることになりかねず、グーグルが削除しようとしない複製の陰に隠れてしまうケースが多くなり、そのすべてが同じキーワードで競合することになる。それは良くない!
どう対応するべきか
このトピックについて助言する場合に対処するべきシナリオは複数ある。
1) 新しいビジネスの場合
ビジネスがまったく新しく、その時点でインターネット上にまだ何の記録もない場合は、専門分野を案内する必要がある場合にのみ専門職のリスティングを作成することを推奨する。
たとえば診療所に5人の医師がいる場合、その診療所のリスティングではその点を記載する(各医師のリスティングを追加する必要はない)。
しかし、診療所に5人の医師と耳鼻咽喉科の専門医が1人いる場合は、専門医に独自のリスティングを作るのが優れたマーケティングだと言えるかもしれない。なぜなら、Googleマイビジネスには専門医固有のカテゴリがあり、診療所と検索結果の表示順位を争うことにはならないからだ(ただし、複数の専門職がいるリスティングを作成する場合に必ず直面する課題を理解するために、続きを読み進めてほしい)。
2) 以前から登録しているビジネスの場合
複数の専門職がいるビジネスが新しいものではない場合は、問題だ。現在や過去、さらには死亡した専門職のリスティングまでも、まだ残っている可能性がきわめて高い。
その専門職が現在もビジネスに所属している場合
その人物のリスティングを事務所サイトのホームページではなくランディングページにリンクさせるとともに、ビジネス本体とは別のカテゴリに分類できるか確認し、事務所自体のリスティングを最適化することに最善を尽くそう。
ここでのポイントは、専門職が事務所より上位に表示されないようにすることだ。
ところで、最適化とはどういうことだろうか? 具体的には、次のようなことだ。
- Googleマイビジネスで事務所のリスティングの全項目に記入する
- 素晴らしい写真を用意する
- レビューの獲得や返信を積極的に行う
- 最低でも週に1度はGoogleマイビジネスの投稿機能を使って投稿を公開する
- ウェブ上の自分へのサイテーションが一貫していることを確認する
これらすべてを行うことで、事務所のリスティングは強化されるはずだ。
その専門職がすでにビジネスに所属していない場合
リスティングを未確認状態にして、専門職の移動先ではなく、ビジネスの所在地に移転したと表示してもらうようグーグルに依頼するのが理想だ。
間抜けに聞こえるだろうか? この複雑な問題については、ジョイ・ホーキンス氏のスマートな説明を読んでほしい。
不幸にも専門職が亡くなっている場合
グーグルに連絡して訃報を表示してもらうことで、リスティングを削除できる。
専門職が1人の場合
リスティングが本当に専門職1人のものであり(専門職が複数いるビジネスモデルのパートナーではなく)、Googleマイビジネスにおけるその人物のリスティングがビジネスのリスティングと競合している場合には、2つのリスティングを統合してもらうようグーグルに依頼できる。
3) 実は専門職(個人開業者)とは、こういうものではないのか
ビジネスが専門職のリスティングを作成したいと考えており、検索順位や状況管理に関するいかなる懸案事項にも対応できると感じている場合に、私から最後に付け加えたい条件が1つある。
グーグルのガイドラインでは、専門職がGoogleマイビジネスにリスティングを作成するには、次の条件を定めている。
確認された事業所で営業時間内に本人に直接連絡が取れること。
私はずっと、これをかなりあいまいな条件だと感じていた。電話で連絡が取れるということか? 直接会って連絡が取れるということか? グーグルは詳細を説明していない。
おそらく、エージェントを複数抱えている不動産仲介会社のエージェントなら直接連絡が取れるかもしれないが、上記の画像で示したように、外科医が同じようにコンタクトできるとは期待できないのではないだろうか?
要するに、一般の消費者に直接会わなければ業務が成り立たない人物である場合にのみ、専門職のリスティングを作成することがマーケティングの理にかなっていると言えるかもしれない。
私はこれをガイドラインの真のグレーゾーンと考えているため、行動する前によく考えてみてほしい。
SEOで「他者を助ける」仕事をする人へ
助言やコンサルティングを行うときの6つの心構え
ローカルビジネスの成功のために戦略を立てているオーナーやマーケターに助言するのは、本当に名誉なことだ。できることは限られているとしても、ローカルSEOのコンサルタントもフレッド・ロジャース氏が思い描いていた「近隣」の住人であり、そこでは、問題に直面した時に助けてくれる人を探すことができる。
ローカルコマースに生活がかかっている人のことを考えると、マーケティングの根本的な誤りから企業を救い出すことは、「助ける人」になりたい人にとってやりがいのある仕事であり、責任の重さが伴う。
私は過去10年以上にわたり3つの異なるSEOフォーラムに関わったことがあり、最後に、手助けについて私が学んだことを紹介したい。
適切な質問の仕方を学んでほしい。
ビジネスモデルやシナリオの微妙な差異によって、まったく異なるアドバイスが必要になることがある。適切なアドバイスをするのに十分な情報を提供してもらっていないなら、恐れずに2回、3回と戻ってきてフォローアップの質問をしてほしい。答える前に、すべての詳細をよく把握するべきだ。
常にグーグルのガイドラインをきちんと調べ、回答の中でガイドラインを参照しよう。
Googleマイビジネスのガイドラインをまともに読んだことのあるオーナーやマーケターの少なさには、まったく驚かされる。ローカルSEO担当者は、自ら望んでグーグルとビジネスをつないでいる連絡係だ。そのようにして物事はうまく進んできた。
本当に確かでない限り、確かだと言ってはいけない。
フォーラムやクライアントの質問で、有益な回答を明らかにするには全面的な監査が必要な場合は、そう言おう。複雑な質問に対して型通りの答えをしても、誰の役にも立たない。それどころか、長期間にわたってビジネスを不安定な状態で放置し、利益を失うことにより、むしろビジネスを傷つけることもある。
奇妙なことが起こった場合は、同僚と情報交換しよう。
検索順位が低下した原因は、グーグルの新しいアップデートやバグがあったためかもしれないし、あるいは自分はまだ気づいていないが、信頼できる仲間が遭遇したという他の要因のせいかもしれない。
謙虚になろう。
ローカルSEOについて私が知っていることの90%は、問題を抱えて私のところにやってくる人たちから学んだことだ。私はそうした問題に対する答えを見つける必要があっただけで、そうした取り組みを繰り返すことによって、ためておいた知識をすぐに取り出せるようになった。
しかし、何でも知っているということはこれからも決してないし、そのことは非常に良い意味で謙虚な気持ちにさせてくれる。コミュニティのメンバーやクライアントは私たちの教師だ。そうした人たちに感謝し、敬意をもって接しよう。
最後に、マーケティングの誤りを犯して助けを求めてくる人に会った時に、「悪い知らせ」を伝えることにストレスを感じないでほしい。長い目で見れば、その誠実さはあなたが与えることのできた最高の贈り物になるだろう。
楽しみながら手助けをしてほしい!
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