[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

マーケターって幸せな仕事! 数字や戦略の前に大切にしたい3つの意識

マーケターによるリレーコラム新連載。初回はライオンの内田佳奈氏。キャリアを振り返りながら、マーケターとして大切にしている3つの軸を紹介する。
ライオン株式会社 コミュニケーションデザイン部 CXプランニング室 内田佳奈氏

はじめまして! ライオン株式会社の内田と申します。このたびWeb担当者Forumにて、私の関わるデジタルコミュニケーション施策について発信する連載を始めることとなりました。

まだまだヒヨっこなので毎日が挑戦の連続ですが、そのなかで苦労していることなども紹介する予定です。よろしくお願いします!

今回は私の自己紹介も含めて、“これまで歩んできたキャリア”と“マーケターとして大事だと思うこと”を綴りたいと思います。変遷が早く選択肢も多様な業界ですので、これからのキャリア形成をお考えの方に、微力ながらお役に立てれば嬉しいです!

私は現在、「キレイキレイ」や「Ban」、「hadakara」といったブランドのデジタルマーケティングを担当しています。所属しているチームは、ライオンでは珍しく過半数が中途採用メンバーで構成されています。実は私もライオンに入社してまだ2年半なんです。

新卒で入社したのは、DMPやデータ分析サービスなどを提供しているツールベンダーでした。そこで約5年にわたってデータ分析の基礎を学ばせていただき、その後デジタルマーケターとしてライオンの門をくぐることとなりました。

でも、最近は「デジタルマーケターって何だろう」と、よく考えます。私が会社から求められていることは、“デジタルという手法を上手に使いながら”生活者とコミュニケーションを取ること。デジタルは一手法でしかなく、大事なことはもっと別にあるような気がします。

それではここで、僭越ながら、私がこれまで大事にしてきた軸を振り返りながら「デジタルとかマスとか関係なくマーケターとして意識する大切なもの」について考えたいと思います。本当に、超僭越ながら。

大事にしていること①――人の役に立っているか

さかのぼること7年前、私は大学で法学を学んでいました。新卒入社したのがデータを扱う会社だったので理数系出身と思われがちなのですが、本当はド文系なんです。

そんな私が、就職活動でIT業界を志しました。しかも入社したのは社員数50名ほどのベンチャー企業だったので、周りの友人からは「大丈夫なの?」と心配されました。でも私自身はまったく不安ではなかったんです。

それは、私の仕事選びの基準が、これまで学んできたものにこだわらず、「人の役に立てるか」というところにあったからです。

人の役に立つこととは、もう少し噛み砕くと、人々の生活がちょっとよくなることでした。そして、お役に立つことができる最大人数を狙うにはIT業界が最適なんじゃないか、そんな風に考えたのでした。

ツールベンダーを選んだのは、そのポジションの面白さが理由です。広告主が伝えたいことを広告代理店が施策に落とし込み、生活者に届ける過程で、客観的に「ちょっとよくなるための」アドバイスができると感じました。それが、数字を扱うツールベンダーに魅力を感じたポイントでした。

大事にしていること②――生活者を誰よりも大事に想う

ツールベンダーではコンサルティング営業に従事しました。広告主側の多くのマーケターにお会いして感じたのは、日本のデジタルマーケティング業界でもっとも意識されているのはCPAだということ。綿密な統計分析も、高度なアドテクノロジーも、すべては費用対効果を高くするために使われていました。

そんなとき出会ったのがライオンでした。彼らは、「CPAにはこだわりすぎなくてもいい。効率化よりも、生活者の気持ちを動かす施策を実施することを大切にしたい」と言いました。

いつも議論するのは、費用対効果ではなく生活者のインサイトでした。その仕事が、私に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。生活者のことを考えてコミュニケーション施策を設計する側にまわりたい、そして世の中にもっとハッピーなブランドコミュニケーションが生まれてほしい。そんな風に思いました。

大事にしていること③――ひとを巻き込む(修行中)

ライオンに入社して2年半、たくさんの喜びと苦労がありました。これまではマスコミュニケーションを主軸としていたライオンがデジタルにも注力し始めた転換期なので、ときには摩擦もあれば、理解が得られないこともあります。

それでも数字はおもしろい。生活者の考えや悩みが少しずつ見えてくるので、社内関係者の意識が少しずつ変わっていきます。そして、生活者自身から反応が得られたときの喜びはひとしおです。

なかでも一番嬉しかったのは、マンガ「3月のライオン」とのコラボ企画でした。詳しくは下記をご参照ください。

商品ではなく、コーポレートブランディングに取り組んだのは初めての経験でした。やってみて感じたのは、生活者だけでなく社内の人間も巻き込むコミュニケーションデザインの能力が必要だということです。これは修行中の身なので、次回以降に改めて書きたいと思います。

人間として誠実な姿勢でいられるかどうか

さて、ここまでのキャリアを振り返りながら、そのときどきで重要な指針となった私の軸を並べてみました。

① ひとの役に立っているか
② 生活者を誰よりも想う
③ ひとを巻き込む

この3つの大切な軸が根底にあって、その上に手段であるデジタルが存在するように思います。そしてこの軸は、日々のコミュニケーション施策を考える際にとても役に立つのです。

きっと、手段を超えて、生活者とコミュニケーションを取るうえで、「人間として誠実な姿勢でいられるかどうか」が、マーケターとして大事なことなのではないでしょうか。つくづく、マーケターの仕事は楽しく幸せなものだなと思います。

デジタルという名称にとらわれることなく、すべての宣伝担当者が人間らしくコミュニケーションデザインできますように!

これにて1回目は終了です。次回より、実際に私が行っている施策について解説していきたいと思います。ご意見やご感想、今後聞いてみたいことなど、何かご要望がございましたらぜひ教えてください!

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