初代編集長ブログ―安田英久

君子豹変ス。Web担当者や責任者も豹変すべし

今日は、故事の「君子豹変」を参考に、Web担当者としての仕事の進め方について少しだけ
Web担のなかの人

今日は、故事の「君子豹変」を参考に、Web担当者としての仕事の進め方について少しだけ。

「君子豹変す」という言葉があります。「豹変」という言葉に引っ張られてか悪い方向の意味かと思ってしまうかもしれませんが、はそうではありません。

君子(立派な人間)は、自分の言動が間違っていたとわかったら、その誤りを明確に正して行動を改める。

という意味のようですね。実際には「君子豹変 小人面革」とあり、上記の意味に続いて「小者は(誤りがあったときでも)表面を取り繕うだけ」と言っている言葉のようです。

けだし、明言だな、と。

Web担当者の世界でも、SEOでも広告でもソーシャルメディアマーケティングでもO2Oでも、いろんな新しい考え方がどんどん持ち込まれてきます。

そして、ユーザーの行動もデバイスや環境の変化にともなってどんどん変わっていきます。その変化の速度は、企業の担当者が仕事を変えるよりも早いことも多いものです。

そういう世界では、何かに(意味もなく)こだわっていては、自分が本来成すべき役割を果たせなくなってしまうことも多いのではないでしょうか。

自分が君子であるかどうかはさておき、より良いもの、いまの状況に合ったものがあれば、それまで行っていたことに固執することなく、豹変してみるほうが良いのではないでしょうか。

もちろん、逆もあるでしょう。おもしろいと思って導入してみたものの、実際にはよろしくないという状況は、意外と多いものです。ツールの導入だったり、手法の導入だったり、KPIの導入だったり。その際に、「これは良くないな」と判断できるのならば、ズバっと豹変して、いったん導入したものにこだわらずにまた変えていくべきでしょう。

アクセス解析データや調査データを読むときもそうです。何らかの仮説があったものの、その仮説が誤っているとデータで示された場合、(データが正しいものなのであれば)素直に受け容れなければいけません。「いや、こうだと思ったんだけどな」とデータをいじくりまわすのは、「小人面革」です。表面的に仮説に合うように見えさせることはできますが、現実は変わりません。

ソーシャルメディアやブログで、他人から誤りを指摘されたときもそうです。相手の言っていることをちゃんと理解して、それが正しければ感謝しながら採用すればいいのです。せっかく自分の誤っている部分を指摘してもらえる機会があったのに、感情的になったり、社内の権威の名前を持ちだして反論に使ったり、相手の人格を攻撃したりするような行動に出るのは、本当にもったいないものです。

もちろん、「君子豹変す」には、指摘された誤りが本当に正すべきものかを判断する能力も必要でしょう。その判断が適切でなければ、何か指摘されるたびに豹変しまくって朝令暮改(ルールがあまりにも頻繁に変えられて拠り所とならない)になってしまいますからね。

◇◇◇

いや、個人的に「君子豹変す」がどんな意味かちゃんと理解してなくて、意味を知って「へー」と思ったので、コラムのネタにしてみました。世の中、知らないことがたくさんあるものですね。

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