富士通のアクセシビリティチェッカー3製品、8/20で無償ダウンロードを終了
今日は、アクセシビリティに関する話題を。富士通がこれまで無償で提供していたアクセシビリティ関連のチェックツールのダウンロード提供を、8月20日に終了するのです。
ダウンロード提供が終了するのは、「富士通アクセシビリティ・アシスタンス」として提供してきた 「WebInspector」「ColorSelector」「ColorDoctor」の3つのツール群。
富士通に確認したところ、本ツールは2010年に改正されたアクセシビリティ規格JIS X 8341-3:2010に完全には対応しておらず、今後のバージョンアップも予定されていないことから、ダウンロード提供の終了を決定したとのこと。
実際には最新のJISに対応したツールとしてWebInspector V6を開発して富士通グループ内では利用しているものの、総務省のmiChecker(後述)など同様のことを行う他のツールが世の中にあることから、無償での社外への提供を終了することにしたという。
このダウンロード提供終了は、サイト上では6月上旬からアナウンスしていたものだという。正式なダウンロード終了は、8月20日(火)いっぱいの予定。具体的には、8月21日(水)の午前中(時間未定)のダウンロード終了を予定とのこと。
- 富士通アクセシビリティ・アシスタンス
- WebInspector
JIS X 8341-3に対応してWebページのアクセシビリティを診断するツール(Windows用とMac用) - ColorSelector
背景色と文字色を指定して、文字の見やすさを判定するツール(Windows用とMac用) - ColorDoctor
ディスプレイ上の表示内容を、「グレースケール」「第一色覚(赤)」「第二色覚(緑)」「第三色覚(青)」の色覚特性に応じてシミュレート表示するツールで、動画の表示シミュレーションも可能(Windows用)
- WebInspector
ツールの提供終了に関しては、@ITの太田記者に届けられたFacebookメッセージを受けて公開された記事が発端となり、週末にはソーシャルメディア上でも終了の報が多く拡散されていました。
この記事を受けての追いかけとなりますが、できるだけ多くの方に伝えるために、Web担上でもお知らせする次第です。
企業Web担当者ならば、官公庁や公共機関ほどでないにしても、アクセシビリティを確認することはあるはずです。無償でダウンロードできる間に、ダウンロードしておくといいでしょう。
ちなみに、同様のアクセシビリティチェックツールとしては、次のようなものがあります。
- アクセシビリティチェック
- みんなのアクセシビリティ評価ツール: miChecker (エムアイチェッカー) (総務省、Windows用)
- aDesigner(日本IBM・ACTFプロジェクト、日本語表示可能、Java 6が必要)
- HAREL(ハレル)(NTTデータ、オンラインサービス)
- Web Accessibility Toolbar 2012J(インフォアクシア、IE用ツールバー)
- 色チェック・シミュレート
- カラー・コントラスト・アナライザー 2013J(インフォアクシア)
- 色のシミュレータ(Chromatic Vision Simulator)(浅田一憲氏、画像ファイルアップロード型)
色のチェックやシミュレーションに関しては、加藤 善規氏の「富士通アクセシビリティ・アシスタンスが提供終了。感謝と共に代替手段も紹介してみる」の記事にもあるように、数値基準に基づく計算や、デザイン製品に機能として備えられているものを利用するのもいいでしょう。
ほかにも便利なアクセシビリティ関連のツールがありましたら、お教えください。リストに追加していきます。
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