セミナーの集客→コンバージョンをちゃんと効果測定するための3つのチェック点と対処法
今日は、セミナーや資料請求(やEC)で、さまざまなチャネルで集客しようとしたときに、どのチャネルがよく効いていたかをアクセス解析でちゃんと測れるようにするためのチェック点と対処法を解説します。
自社セミナーを開催する企業は増えているのではないでしょうか。セミナーをやる以上はターゲット層に多く申し込んで来場してもらうのが大切ですよね。
そのために、広告を出したりいろんなところで告知したりして集客をがんばります。
となると、どのチャネルでの告知が効果的だったかをデータで調べたくなりますよね。個別に調べずに「今回は多かった」「今回は少なかった」だけでは、次回にどうするべきかを判断できませんからね。
しかし、申し込みフローによっては、ただアクセス解析タグを貼るだけでは、「どのチャネルが効いていたか」をちゃんと効果測定できない場合があるのです。
具体的には、コンバージョン数はとれるのですが、コンバージョンした訪問の参照元がアクセス解析のデータの反映されなくなるのです。
特に、外部のセミナー申し込みシステムを使った場合にそういうことが起きがちです。
そこで、セミナー集客の効果測定を失敗しないためのチェック点を紹介します。
ポイントは次の3点。
- 申し込みシステムに自分のアクセス解析タグを挿入できること
- 申し込みフォームの「完了ページ」がフォームと異なるURLであること
- 「セミナー情報ページ」「申し込みフォーム」「完了ページ」がすべて同じドメイン名にあること
それぞれ解説します。
申し込みシステムに自分のアクセス解析タグを挿入できること
そもそも、集客の効果測定をするには、アクセス解析タグをちゃんと仕込まなければいけません。
外部の申し込みフォームを使う場合に、自分のアクセス解析タグを入れられないのでは、効果測定ができるはずもありません。
この条件を満たさない場合の対処法
対処法はありません。別の申し込みフォームのシステムを利用しましょう。
申し込みフォームの「完了ページ」がフォームと異なるURLであること
コンバージョン(セミナーならば申し込み完了)をアクセス解析で測定するには、「このページにアクセスしたらコンバージョンしたとみなす」URLにユーザーが行ったかどうかを判別できなければいけません。
しかし世の中には、フォームページと申し込み完了ページが同じURLだという場合が、結構あるのです。具体的には次のような感じです。
- フォームページのURL:/register/is
- 送信内容確認ページのURL:/register/is
- 申し込み完了ページのURL:/register/is
これでは、アクセス解析ツールで「目標URL」を設定できません。
この条件を満たさない場合の対処法
フォームページと申し込み完了ページで別々のアクセス解析タグを設定できるツールであれば、申し込み完了ページで「仮想ページビュー」を利用します。
具体的には、Googleアナリティクスならば通常は
_gaq.push(['_trackPageview']);
となっている部分を、完了ページでだけ次のようにします。
_gaq.push(['_trackPageview', '/_virtual/thanks']);
この「/_virtual/thanks」は実際には存在しないURLなのですが、アクセス解析ツールではこのURLにアクセスしたものとしてデータを送信する「仮想ページビュー」というものです(ここで指定するURLは他のページと区別できればどんなURLでも大丈夫です)。
Googleアナリティクスでの仮想ページビューに関して詳しくは、衣袋さんの連載の第64回で解説していますので、そちらを参照してください。
これで、完了ページにユーザーがアクセスした(コンバージョンした)ことをデータで区別できるようになるので、アクセス解析ツールでこの「/_virtual/thanks」を目標URLに指定します。
フォームページと申し込み完了ページが同じURLで、それぞれ別のアクセス解析タグを設定できないツールであれば、対処法はありません。別のシステムを利用しましょう。
「セミナー情報ページ」「申し込みフォーム」「完了ページ」が
すべて同じドメイン名にあること
通常は「セミナー情報ページ」に集客して、そこからフォームに行ってもらい(またはページ内にフォームを置いておいて入力してもらい)、フォームの送信が完了したらコンバージョンでしょう。
その際に、集客後のランディングページ(この場合はセミナー情報ページ)からコンバージョン地点(完了ページ)まで、すべて同じドメイン名であるのが望ましいです。
そうでない場合、(以下に示す対処法をとらなければ)コンバージョン数はとれるけれども、どのチャネルからどれぐらいコンバージョンしたかを区別して測定できなくなります(すべて「(direct)/(none)」になってしまう)。
というのも、アクセス解析ツールではクッキーを使ってユーザーを識別していますが、このクッキーがドメイン名ごとなんですね。なので、ランディングページから完了ページまでの間でドメイン名が変わってしまうとその時点で違うユーザーだとみなされてしまい、「このチャネルから来たユーザーがコンバージョンした」ということが判別できなくなってしまうのです。
この条件を満たさない場合の対処法
可能ならば、すべて同じドメイン名にページを置くのが良いので、そうできないかをまず検討しましょう。
それができない場合は、ドメイン名が変わるページへのリンクを、「クッキー引き継ぎ」の処理をする特別なものに変更します。
具体的には、Googleアナリティクスならば通常は
<a href="https://example.jp/register/is?SMPFORM=hoge">セミナーに申し込む</a>
となっているリンクの部分を、
<a href="https://example.jp/register/is?FID=hoge" onclick="_gaq.push(['_link', 'https://example.jp/register/is?FID=hoge']); return false;">セミナーに申し込む</a>
とします(「_gaq.push」で指定するURLはリンク先のURLを正しく入れる)。
こうすれば、異なるドメイン名でも同じユーザーだと判別できるようにGoogleアナリティクスが処理してくれます。
ただし、フォームページと完了ページが異なるドメイン名になっているシステムもあります。その場合は、ユーザーがリンクをクリックして移動するのではなくサーバー側で自動的にリダイレクトするため、上記の仕組みを利用できませんので、対処できません。申し込みフォームページと完了ページは同じドメイン名で表示するシステムを利用することにしましょう。
まとめ
完了ページがフォームページと同じ場合は、トラッキングコードで「仮想ページビュー」の仕組みを使ってコンバージョンを区別できるようにする。
集客ランディングページから申し込み完了ページまでの間でドメイン名が切り替わる部分があれば、その部分のリンクでGAならば「_link」命令を使って情報を引き継ぐ。
これをしないと、コンバージョンをちゃんと認識できなかったり、すべてのコンバージョンの参照元が「(direct)/(none)」になって集客の効果測定ができなかったりします。
いや、うちでもうっかりミスでちゃんと測定できないことがありまして、自分用のメモという意味でまとめてみました。
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