初代編集長ブログ―安田英久

アメブロの商用利用は禁止なのか? 公式に確認してみた

企業や個人がビジネス目的でアメブロを使うのはNGなのでしょうか?
Web担のなかの人

今日は、いつもとは趣向を変えて、「アメブロ(Ameblo)」の商用利用を禁止する旨が規約に記載されている件について。企業や個人がビジネス目的でアメブロを使うのはNGなのでしょうか? 実際に取材して確認していたので、少し時期がずれてしまいましたが、改めて整理して解説します。

結論から言うと、常識の範囲内でのビジネス目的でのアメブロ利用は問題ないようです。アメブロを運営しているサイバーエージェントの担当者から次のようなコメントを得ています。

商用利用については、一概に全てをNGとしているのではなく、Amebaユーザーに害を与えるもの、公序良俗に反するものや、Amebaサービスをご利用いただく上で不適切な内容と判断した場合のみ、利用を停止いただくなどの対応をしております。


背景から説明していきますね。

少し前になりますが、2012年の夏頃に「アメブロの利用規約に商用利用が禁止と書かれている!」と話題になっていました。

実際、「Amebaのサービス利用ガイドライン」を見ると次のような項目があります。

4.禁止事項

……(略)……

(4) 弊社の承諾のない商業行為

……(略)……

② 商業用の広告、宣伝を目的としたブログの作成(但し、弊社が認めている範囲のもの及び弊社タイアップ等は除く)

③ 弊社が許可したものを除き、営利、非営利目的を問わず、物やサービスの売買、交換(それらの宣伝、告知、勧誘を含む)を目的とする情報の送信等(物品を販売し、又は契約を締結させることを目的とする無料セミナーの情報の送信等を含む)

企業向け公式アメブロ開設サービスという有料の商品がその1年ほど前から販売されていたことや、利用規約に反しているとして閉鎖されたブログもあったことから、「アメブロは商用利用がNGになったので、ビジネス目的で使うのはまずいのではないか」というブログ記事などが出ていました。

しかし、この「Amebaのサービス利用ガイドライン」はアメブロの利用にも関する規約ですが、商業行為の禁止に関する項目はサービス開始当初から記載されている内容。にもかかわらず、明らかに商業目的のブログが多数アメブロに開設されています。


確認してみたところ、これらの禁止項目は、あくまでも「Ameba利用ユーザーに害を与えるコンテンツを禁止する」という意図とのこと。ガイドラインにも「ねずみ講」「ネットワークビジネス」などの具体的な項目が挙げられていますが、それに限らず、いわゆる「悪徳商法」「悪質な情報商材」などの情報が掲載されないためですね。

ですから、たとえば次のようなアメブロ利用は基本的に問題ないとのこと(必ずOKというわけではありません、理由は後述)。

  • B2B企業のマーケ担当者が、所属社名を明示したうえで、B2Bマーケティングに関する一般的な情報やノウハウを記事にするブログ。リード獲得&リードナーチャリングのために自社が開催するセミナーの告知をたまに掲載する。

  • B2B企業のマーケ担当者が、所属社名を明示したうえで、自社の商品やサービスの紹介、事例などの記事を掲出。定期的に開催しているリード獲得&リードナーチャリングのための自社開催するセミナーの告知を、開催の前に何度か行い、セミナーの開催報告もブログで記事にする。

  • 個人事業主として行っているビジネスコンサルタントが、「渋谷ではたらくコンサルタントのブログ」のような形で、コンサルティング関連の情報をブログ記事にして、各記事の最後に「コンサルティングやります、お問い合わせはこちら」と本業のコンサルの集客に使う。

  • 飲食店の経営者が、「六本木の焼き肉屋××(具体的な店名)ブログ」として、その日のランチメニューを写真で提供したり新メニューを紹介したり、「忘年会・新年会で予約がかなり多くなってきました。予約はお早めに」と告知したりする。

  • マンガ家やアーティストが(Ameba公式契約ではなく)ブログを開設し、日々のできごとをブログとして出しながら、自分の作品の執筆情報や発売情報を記事として出して告知に使う。

  • 「Web関連情報ブログ」として、さまざまな会社のセミナー情報やサービス情報をニュース的に掲載するブログ。扱う中には、各社の製品情報や商業目的のセミナー情報が含まれる。

もちろん、上記のようなものならばすべてOKというわけではありません。悪質な商法を行っている企業や店舗の場合はNGとなりますし、情報商材的な場合や、スパム的な場合は削除の対象となるでしょう。


では、具体的にどういった場合はOKで、どういった場合はNGなのでしょうか。

少なくとも、アメブロ上だけで金銭のやりとりを発生させる「商取引」を行う場合はNGのようですが、そういった例はあまり多くないでしょう。

それ以外のOK/NG項目に関しては、残念ながら明文化したリストは作られていません。そりゃそうでしょう。そうした項目を挙げていくと、必ずその裏をかいたり抜け穴を狙ったりする悪質なユーザーが出てきてゴネてしまいますからね(グーグルが品質ガイドラインで細かな事例を出さないのと同様ですね)。

判断はあくまでも、そもそものポイントである「Ameba利用ユーザーに害を与えることはないか」という点で個別になされるものだと考えておくといいでしょう。もう少し情報が欲しければ、利用ガイドラインの禁止事項に記載されているその他の内容が参考になるでしょう。

また、スパム的な内容に対して他のユーザーからクレームが多く寄せられた場合も、手動措置の対象となると思われます。こちらも利用ユーザーがどうとらえたかの判断によるものですね。


通常の商用利用が問題ないのならば、なぜこの時期に商用利用に関する話題が改めて上がってきたのでしょうか?

どうやら、フィッシング詐欺や悪徳商法のブログやスパム的な行為を行うブログが増えてきたことから、サイバーエージェントさんがそうした悪質なブログの監視と取り締まりを強化していたことが背景にあるようです。

ですから、他人に恥じることない通常の「ビジネス目的」のブログを運営している人は、「アメブロは商用利用が禁止らしい」という点に関しては、当面は気にせずに利用して問題なさそうです。

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