本当はコワくない10のSEO都市伝説(後編)
この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回は、10個のうち、後半の5つのSEO都市伝説について解説する。オリジナルは動画だが、文章に起こして解説しているので安心してほしい。
前編をまだ読んでいない人は、ぜひ前編も読んでほしい。
都市伝説その6
相互リンクはすべて無意味またはペナルティの対象
相互リンクがあったら、つまり自分のサイトから他のサイトにリンクを張り、そのサイトからも自分のサイトにリンクが張られていたら、ペナルティを受けることになるのだろうか? そのリンクは価値がなくなるのか?
自分のサイトにリンクしてくれているサイトにはリンクを張るべきではないとでも?
では、New York Timesが僕の記事にリンクしてくれたとしたらどうする? 僕は、読者全員とその記事を共有して「ねえねえ見てよ、New York Timesが僕の記事を取り上げてくれたんだよ」って言いたいけど、相互リンクにはしないって……そんな心配はご無用だ。
これはそれほど懸念すべきことではない。相互リンクについては、そういったことを気に病む必要はない。
何年も前には、リンクページを何ページも作っている人たちがいたし、今でもそういうやり方はまだ少し残っている。そういう人たちは、ウェブで出会った友人たちのサイト全部にリンクを張り、その友人たちもリンクを張り返してくれた。そうしたら、検索エンジンがすぐに特定できてしまうスパム的な戦術だから、相互リンクは好ましくないということになったんだ。
でも、自分のページを共有してくれているページを共有してるだけなら、それは結構なことだ。怖がる必要はない。自分のサイトがどこかにリンクしているからといって心配しなくていい。リンクバックは考慮されない。
都市伝説その7
アンカーテキストにキーワードが含まれていないと効果が出ない
私は、理想的とは言えないアンカーテキストを使ってリンクしている。これは悪い影響があるだろうか?
たとえば自分のページに、サイト内リンクか外部リンクを張りたいとする。そのリンクにはこのアンカーテキストを使いたいけれど、これはユーザーにとってわかりづらいのでクリックしてくれないのでないかと心配になる。
あるいは、アンカーテキストが少し作為的に見えるとか、自社の製品チームから賛同を得られそうにないとか。
結果として、キーワードを含まないアンカーテキストになる。
でも大丈夫。慌てなくていい。これも心配いらない。
実際のところ、SEO業界には、グーグルがキーワードと完全に一致するアンカーテキストを調べて「これは不自然だ。これは正常ではない。みんなどうしてこんな風にリンクしているんだ?」と言っているんじゃないかと考えている人が多い(つまり、キーワードを含んだアンカーテキストが最善だとは限らない)。
アンカーテキストがユーザー体験に十分適い、コンテンツにもふさわしく、しかも理に適ったものならば、それは最高なことだ。すばらしい。そのチャンスを利用しよう。そういうリンクを獲得しよう。
だから、自分のサイトに張られているリンクの中に、ブランド名をアンカーテキストに使っているものがたくさんあるかどうかなんて気にしないでいい。キーワード密度にまつわる都市伝説と同様で、、「僕のサイトに対して張られている100個のリンクのうち、50個のリンクには、僕が望んでいるアンカーテキストが含まれていない。これじゃ検索順位は上がらなくなる」などと考えてしまう人たちがいる。こんなことは気にしなくていいんだ。
都市伝説その8
フッターにリンクをたくさん置いていると問題
僕のサイトのフッターにはリンクがあって、そこからリンクを張っている。こういうリンクは僕のサイトに悪影響を与えるんだろうか?
確かにフッター内のリンクについての悪い噂は僕もたくさん耳にしているが、ほとんどの場合問題にはならない。優れたユーザー体験をもたらすために行っていることならね。今まで話してきた都市伝説と同様だ。
僕が気に入っているフッターの1つ、Zapposのフッターを見てみよう。見事なフッターだ。とても長い。長すぎると感じるくらいだが、おもしろいリンクが含まれている。このフッターのおかげで、僕はますますこの会社が好きになった。たくさんの良質なコンテンツにリンクしている。すばらしい。何の問題もない。
しかし、順位を上げたいという意図をもってやるのはまた別だ。キーワードと完全に一致するアンカーテキストをたくさん並べた巨大なリンクのリストがフッターの下の方までずっと続いているなんてことになると、検索結果を操作しているように見え始める。そんなアンカーテキストを削除したり、フッターがもっと自然に見えるようにしたりして、ユーザー体験を重視したフッターに変えた結果、ペナルティが本当に解除されたという例が実際にあった。
どうやらグーグルは、フッターにキーワードの詰め込みやおかしなキーワードがあると、アルゴリズム的にペナルティを科しているようだ。
でも、フッターにリンクやキーワードがあるからといって必ずしも悪いというわけではない。キーワードを盛り込んだフッターだから、フッターにリンクがあるから、という理由だけで心配することはない。
都市伝説その9
URLにはキーワードを含めておかないとSEO的に弱い
キーワードを含まないURLは検索順位向上の妨げになる?
こんな都市伝説がどこから出てきたのか知らないが、たとえば「おいおい、URLが検索結果で上位を狙っているキーワード(/keyword)じゃなくて『/123』とか『/?id=7』になっているじゃないか
」という感じかな。
これは大した問題ではない。確かに、キーワードを含む静的なURLにまで持っていけるなら、それは結構なことだし、ベストプラクティスでもある。
誰かが君のURLをオフラインで目にしたり、メールやツイートで見たりしたときに、そのページに何が書いてあるか把握できるようにできれば、それはすばらしいことだ。また、誰かがそのURLをコピーアンドペーストしたら、キーワードはそのまま残る。ありがたい。
しかし、そうでないからといって、検索順位向上の妨げになるということは、ない。
URLがキーワードを含んでいないのに非常に高い検索順位を獲得しているページが山ほどあるのはご存じのとおりだ。僕ならこんなことを気に病んだりしない。
URLをすべてキーワード込みのものに書き換えるよう言われたとしても、おとなしく従おうという気にはならない。大変な労力を要する作業になりそうだ。でも、もしサイトのリニューアルをしている時期なら、全力でやってみるのもいい。時にはそうした苦労が報われることもあるからね。
だけど、URLの書き換えをSEO活動の中核に据えようとは思わない。往々にして、思ったほどの効果は出ないものだ。
都市伝説その10
リンクベイトは本筋じゃないので検索エンジンに嫌われる
リンクベイトはどうなんだろう?
私はリンクベイトとコンテンツマーケティングの取り組みについて、不安を感じながら優れたコンテンツを作成し、ブログを書き、インフォグラフィックスを作って、クールな動画も提供している。
不安になる理由は、こういうのは自分の製品ページや販売ページじゃないからだ。
そのせいでグーグルからペナルティを受けることはないのかな? グーグルは優れたコンテンツ作りやリンク稼ぎだけに専念するような行為を好まないんでしょ?
そんなことはない。グーグルもBingも、コンテンツマーケティングとかインターネット上でおもしろいことをやるとかいうこうした取り組みについて、高く評価するとはっきり明言している。対象としているニッチ市場や業界や顧客との関連性が少しくらい低かったとしてもね。
これはたとえば、「うちの会社はたくさんのイベントを主催している。我社は慈善事業に寄付している。当社は州内でも優良な就職先の1つだ
」などと謳うのに似ている。純然たる商品や販売プロセスから離れたところで、おもしろいことやクールなことをやる。これは好ましいことだし、ブランドを確立して認知度や注目を高めるのに有効な手段だ。
ソーシャルメディアをうまく利用してフォロワーを増やすためにいい方法だし、ウェブ全体に拡散するようなコンテンツを作るのにも優れた方法だ。
このような方法は、「上げ潮現象」によってSEOを底上げする助けとなる。どういうことかというと、君のサイトはいわば大海原を航海する船のようなもので、君のサイトに対して張られているすべてのリンクからの潮が満ちてくると(つまり上げ潮になると)、基本的に君のドメイン名のリンクジュースが増え、オーソリティが高まり、サイトの全ページのパフォーマンスが少しだけ向上するというわけだ。
グーグルは、こうした力を奪ったりしないし、ページそのものへのリンクしか評価の対象としないなんてことはないし、評価するリンクを厳密に定めてそれ以外はドメイン名のオーソリティに寄与させないなんてことはないはずだ。
グーグルは、「ブランド」とか「ブランディング」とかいうのが大のお気に入りだから、「ドメイン名のオーソリティ」という概念も大好きなんだ。
コンテンツマーケティングやリンクベイトの取り組みがペナルティを招くとか、低く評価されるとか、僕だったらそういう心配はしない。それどころか、そうした手法に力を注ぎ続けるだろう。さらに、そうして得たオーディエンスを人々が実際に購入しているものと十分に重ね合わせる方法を見つけられるとしたら、それはさらにすばらしいことだ。
10個のSEO都市伝説、みんな楽しんでくれたかな。
こうした都市伝説がそこら中にはびこっているのは知っているけど、その一部でもみんなが心配するのをやめて気持ちを楽にしてくれればいいなと願っている。フッターリンクとかフッターとか、キーワードを含まないURLとか、キーワード密度とかいう言葉に怯えるのはやめよう。こうした言葉が世の中に存在しているからといって、また、スパム的で操作的なやり方をしている一部の人々にとってこういった問題が厄介の種になっているからといって、SEO関係者みんなが神経質になることはないんだ。
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