初代編集長ブログ―安田英久

SEO屋をブラックからホワイトまで7分類してみた

いろんな人が「SEOやります」と言っていますが、その中身は千差万別。
Web担のなかの人

今日は、SEO事業者の話題を。いろんな人が「SEOやります」と言っていますが、その中身は千差万別。ルールを守るところからルール無視のところまで、いろんなタイプのSEO事業者を分類してみました。

SEO事業者といっても、ユーザーのニーズを調査してどんなコンテンツを作りサイトの構造をどうするべきかアドバイスするところもあれば、「リンク100本3万2000円」とリンクだけを売るところ、他のSEO事業者にリンクを卸すところなど、いろいろです。

SEOを依頼するならば、何をしてくれるのかを知ったうえで頼むのがいいのですが、今回はその手前、検索エンジンの利用規約やネットの一般的なルールを守るか守らないかと、検索エンジンに対する知識の深さでマッピングしてみました。

上図の横軸に示す「ホワイト」がルールを守るタイプで「ブラック」がルールを守らないタイプを、縦軸が検索エンジンに関する知識の有無を示します。

ぜんぶで7つ。

  • 100%ホワイトハット系
  • 成果のためにはブラックもやむを得ず系
  • たまたまホワイトハット系
  • 無法者ブラックハット系
  • 無知ブラックハット系
  • 意味なしSEO施策系
  • 詐欺的ブラックSEO企業

それぞれ軽く説明していきましょう。

100%ホワイトハット系

検索エンジンが利用規約でNGとしていることは行わず、ユーザーニーズを理解して、それに対応したコンテンツやサイト構造を実現することを主にするSEO会社。

完全ホワイトハットということで、有料リンクや作為的なリンクは使いません。しかし、検索エンジンがどういったアルゴリズムでコンテンツを判断するのか、クローラーはどうやって制御できるのかなど、自社でテストをして判断したうえで適切にアドバイスします。ニュース検索や画像検索、ブレンド検索、リッチスニペットなどの知識もあり、アクセス解析でユーザーを理解するスキルがあり、状況によってはリスティング広告をうまく使うことで、クライアントの求める結果を達成します。

日本では数えるほどしかいないタイプですね。

成果のためにはブラックもやむを得ず系

検索エンジンのアルゴリズムを理解しており、なにが利用規約でNGとされているのかも把握しており、基本的にはトラブルのないように有料リンクなどは使いません。

しかし、競合が多い業種やどうしてもクライアント側での対応が難しい場合などに、それでもクライアントの求める結果を出すために、やむを得ず有料リンクを使うこともあります。

まっとうなSEO事業者では最も多いタイプです。

たまたまホワイトハット系

検索エンジンの知識がなく、ネットで聞いたことや本で読んだことを「SEO対策」として行っているタイプ。基本的に自分たちでテストをして検索エンジンの動きを調べるようなことはできませんが、たまたま知っている範囲がホワイトハット系だったり、リンクのための仕組みを構築するスキルがなかったりで、結果としてホワイトハットな施策をするだけに留まっています。

意味なしSEO施策系

検索エンジンの知識がなく、ネットで聞いたことや本で読んだことを「SEO対策」として行っているタイプ。「meta keywordsを入れましょう」とか「キーワード密度が○%になるようにしましょう」とか「キーワードをstrongで囲みましょう」とか「5000円出せばTwitterでフォロワー数を1000人増やせますよ」とかいった、現実的にはやるだけムダなことしかアドバイスできないタイプ。

無知ブラックハット系

検索エンジンの知識がなく、ネットで聞いたことや本で読んだことを「SEO対策」として行っているタイプ。「こうすりゃいいんじゃね?」と迷わずクローキングする仕組みを作ったり、検索順位を自動チェックするツールを使っていることを堂々と公言したり、「相互リンクしましょう」「いろんなブログに自分のサイトのURL入りでコメントしましょう」「知ってます? 世の中にはリンクを売っているところがあるんです、買いましょう」と、検索エンジンの利用規約でNGとされていることを、そうだと知らずにやってしまうタイプ。

無法者ブラックハット系

検索エンジンのアルゴリズムや利用規約を把握したうえで、「たかが私企業が定めるルール、法律じゃないんだから守る必要はない」と、堂々と破り、クライアントの求める成果のためにあらゆる手段をとるタイプ。検索エンジンの裏をかくやり方などもよく研究しており、有料リンク系の施策でも、検索エンジンにバレて効果なしにされた場合の次の策も考えたうえで進める。

詐欺的ブラックSEO企業

「成果報酬、1ページ目に入ったら料金をいただきます」と言いつつ実際は何もせず、毎月順位チェックだけしておいて、たまたまクライアントのサイトの順位が上がったら料金を請求するような、そもそも詐欺的な行為をする企業。また、クライアントサイトのFTPアカウントをもらってHTMLを変更するところまでやり、その際に勝手に他のサイトへのリンクをクライアントのサイトに仕込んだりするような企業もこのタイプに含まれる。

◇◇◇

では具体的にどの企業がどこに入るかは、残念ながらここでは書けませんのでご容赦ください。

野菜にしても牛肉にしても、市場でそれなりに良いものを手に入れようとしたら、買う側が商品に対する知識をそこそこ持っているか、または、信頼できる人に判断してもらうしかありません。

SEOの仕事を依頼する場合も、まったくSEOの知識がない人が自分で判断して良いSEO事業者を見分けられるかというと、そうでもありません。Web担でSEOmoz海外&国内SEO情報ウォッチなどの記事を読んだり、渡辺さんのSEMリサーチをチェックしたりと、最低限の検索マーケティングの知識を身につけることで、無知系のSEO屋にひっかかったり、ブラックな企業にひっかかったりすることを避けられるでしょう。

あと、注意してほしいのが、「この会社にはSEOに関する書籍を出している人がいるから安心だ」とは言えないことです。書籍の編集者はあまりSEO業界の事情を知らないため、「あー、その人に書かせちゃったか」という場合が意外とあるものなのです。

やはり、自分でそれなりに知識を身につけるよう日々情報をチェックするのが良さそうです。

用語集
HTML / SEM / SEO / meta keywords / アクセス解析 / キーワード密度 / クローキング / クローラー / リスティング広告 / リッチスニペット / リンク / 検索エンジン
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