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接客戦略も「魚鱗」か「鶴翼」で考える | 売れるネットショップの法則39

来店経路と売れ筋商品から接客戦略が見える
売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
※この記事は、書籍 『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』 の内容の一部を、Web担の読者向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
この記事は第3章「店舗コンセプトを生かした接客の法則」のトピック「『接客の考え方』を理解する」の記事です。重要度★★★緊急度★★★

来店経路と売れ筋商品から接客戦略が見える

法則10法則11で解説した「魚鱗・鶴翼の理論」を思い出してほしい。商品数が少ない場合は、入口商品への集客に重点を置いた「魚鱗の陣」、商品数が多い場合は、SEOやリスティング広告を重視する「鶴翼の陣」を取ることを勧めた。

この魚鱗・鶴翼の分類は、必然的に、店舗ページの構成にも大きく影響を及ぼす。ここでは、それぞれの特性に応じた接客戦略を解説する。

「魚鱗の陣」は、優秀な店員以上の接客力を目指す

魚鱗型の集客施策では、指名買いよりも「なんとなく気になって」来店するユーザーが多い。購入意欲がまだ高くないので、実際に買ってもらえるかどうかは、店舗ページでいかに商品や店をアピールするかにかかっている。実演販売のベテランが、絶妙な商品説明で「買うつもりのなかった通行人」を魅了して商品を売るようなイメージだ。それだけの力のある商品ページを作らねばならない。この方法論は、接客4要素の「看板商品」の項で案内する。

また、魚鱗型の店で売る商品は大抵知名度が低いので、信頼性も同時に演出しなければならない。これは「店舗コンセプト」の項で案内する。

サイト構成としては、まず入口商品の商品ページをしっかり作り込むのが最優先だ。トップページには大きく商品イメージを置き、来店客を入口商品へと強力に誘導する。

これらの施策が済んだら、今度は「品揃え」を見直して、客単価向上を目指してほしい。LTVが高まるので、より積極的に集客投資ができるようになる。

魚鱗型店舗のトップページ例

京都居酒屋やすだ 牛すじ本舗
商品数が少なく、お勧め商品が明確。結果、トップページは「商品ページの要約」のような内容になる。
京都居酒屋やすだ 牛すじ本舗

「鶴翼の陣」は、陳列の工夫で単価アップを目指す

鶴翼型の集客施策では、検索経由での来店が多い。そして、来店客ごとに目当てとする商品が違うので、数多くの商品があっても迷わずに済むページ構成が重要だ。つまり実店舗で言うフロアガイドである。さらに、来店後に「当初予定と違う商品」を探し始めるケースも多いので、すぐに関連商品のページに移動できるスムーズさも必要だ。せっかく来店しても購入せずに流出するユーザーは少なくないが、このような施策により機会損失を減らせるはずだ。具体的な方法は接客4要素のうち「店構え」の項で案内する。

サイト構成としては、ページの上部・左右に置かれたナビゲーション(各ページへのリンク)を整えて、来店者の滞在時間を引き延ばし、さまざまな商品を見てもらえる構成を心がけること。これにより店全体の購入率がアップする。

次いで利益率の高い同梱商品や、まとめ買いを勧めるなど「品揃え」の施策を強化すれば利益率や客単価の向上も期待できる。特に、有名ブランド商品・型番商品を扱う店は利益率が低下しやすいので、この施策は必須である。

また、ファッション・インテリア・雑貨ジャンルなどの総合タイプについては特に、法則49の特集ページや、法則50のセールページにも注力することを勧める。このページは特に購入率が高いので、広告やメルマガのリンク先にも最適だ。

状況に応じて組み合わせて使う

分かりやすくするために、接客施策のパターンを魚鱗・鶴翼の2つに分けて紹介したが、もちろん二者択一ではない。この2つのやり方をうまく組み合わせて使ってほしい。

例えば、本やCDを売る実店舗を想像してほしい。無数の商品が並んでいるが、単に並べるだけではなく、特に売りたい一部の商品にはPOPを貼っている。ネットショップも同じだ。鶴翼型の店でも、注力商品があれば、その商品ページは力を入れて作り込むべきだろう。

このように、自店舗の状況に合わせて、適宜違うタイプのやり方も取り入れてみてほしい。

鶴翼型店舗のトップページ例

ネットディスカウントショップ キラット
食品から家電まで、あらゆる商品が揃う店。ヘッダー部分のナビボタンで、各商品カテゴリに移動できる構成。
ネットディスカウントショップ キラット
京都発インナーショップ白鳩
有名・無名のいろいろな下着が揃う店。ブランド名、商品カテゴリ、用途、客層別などさまざまなナビゲーションがある。
京都発インナーショップ白鳩
売れるネットショップ開業・運営

※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。

ネットショップでモノが売れない、なぜ?
資金力ではありません。やり方が違うんです。

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目からウロコ が落ちました。ショップの立ち位置が明確になりました。
何から手を付けていいのか分からない状態に光が射しました。

事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。

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