ユーザー目線で広告からランディングまで審査する
ユーザー目線で広告からランディングまで審査する
●編集部 入稿された広告はシステムと人の目でチェックするということですが、審査手順はどういったものでしょうか。
●水上 審査パターンは何種類もあります。一例を挙げると、まず事前に広告が入稿されて掲載前に審査するパターンがあるのですが、これも大きく分けると2つあって、1つがコンポーネント(部分要素)を個別に確認することです。入稿されたキーワードだけを見ていき、たとえば「ピストル」などの変なものが入っていないかというチェックをする。あとは、景品表示法にひっかかってくるような表現がないか、たとえば、日本一安いといった最大級表現が書かれていないかを見ていきます。
もう1つのパターンでは、それらをひとつながりで見ていきます。たとえば、広告主が美白というキーワードでプロモーションをしようとしている。広告主は、美白というキーワードを探している人に対して、この広告タイトルと説明文を見せて、ランディングページはこれを見せようと考えるわけですけど、それぞれの関係性のなかで、文字だけではわからないけど、並べてみるとあまり良くないのではないかというものが見えてきます。たとえば、懸賞だけど、申し込んだらスパムメールが来るようになるなど。これは、タイトルと説明文だけを見ていると問題がなくても、一連のコンポーネントを並べてみると、いつもの手口であることがわかってくるので、ユーザーの立場になって通して見るということをします。これはあくまで事前の審査だけなので、いったん入稿して掲載データベースに入ったなかから、いろいろな抽出方法で見たりもするのですが、これはものによって方法が違います。
●編集部 ユーザーの立場に立って、クリック先のページまでまとめて見ているわけですね。
●水上 特定のキーワードや入札キーワードの種別など、ランディングページは毎日審査しているわけではないのですが、入札してくるタイトルと説明文のパターンを見ながら、そのパターンに一致したものだけを抜き出してきて見るということをします。サイクルも、抽出する審査方法によって、毎日やるものから1か月に1回まとめてやるものもあります。
事前の審査は大体3~5営業日ぐらいかかると広告主にご案内しており、事前の審査はそれ以内に終わるようにしています。事後審査に関しては、先ほどいったようにいろいろな見方がありますので、昨日今日掲載されていたけど、明日急に審査によって掲載停止になることもあります。事前審査のほとんどは、今(2010年8月時点)は1日以内で終わっていると思いますが、判例がなかったり、いろいろなところに問い合わせて確認をしたりしていると、お待たせしてしまうこともあります。
●編集部 システムのリスク検知の精度はどのくらいなのでしょうか。
●水上 具体的な数値は申し上げられませんが、1か月に多ければ日本の人口を超える数の見るべき広告のパーツが入ってきます。すべての広告はシステムを流れてくるので、フラグを立てたり監視をしたりしているのですが、そのなかでより分けをし、怪しそうな広告を人の目にまわします。結果、人の目ではじく広告が今だと10~15%ぐらいになりますが、我々としてはシステムの検知率をもっと高くして、人の目にまわしたものは100%アウトだと判断されるぐらいに自動チェックの精度を高めたい。ただ、そこまでシステムの精度は上がっていないので、安全を見越して検知の幅を広めにとっています。
この10~15%ぐらいのはじき率というのは、広告出稿が膨大になっているのにともなって、昔と比べるとだいぶ増えたと思います。これは、全体のなかで変な広告が増えたというのと、検知率が上がっていることの両方があるからだと思います。一方で、リスティング広告の特性を理解いただけていないために、広告を載せられないといったことは減っていると思います。
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