Googleがついに順位決定に表示速度を使い始めた(公式発表)
今日は、SEO関連の話題を。以前から伝えてきた件ですが、ついにグーグルが、検索結果の順位決定の要因として、ページの表示速度を含めたことを公式に発表しました。
グーグルは検索順位の決定に200以上の要因を利用していることが知られていますが、その要因の1つとして、ページの表示速度が正式に順位決定に関係するようになったということです。
どんな形で速度が順位に影響するのかは、グーグルからは明らかにされていませんが、これまでの情報によると、次のような形になるのではないかとおもわれます。
- 遅いサイトの順位が下がるのではなく、速いサイトの順位が上がる
- 上位20%が速いとみなされ、現在そのしきい値は約1.4秒
- HTMLだけでなく画像やCSSを読み込み、JavaScriptの動作が完了するまでの全体の時間が対象
グーグルは以前に、ページ表示の時間が遅くなることでユーザーの行動がどう変わるかをテストしていました。具体的には、ページ表示にほんの少しの遅れを意図的に発生させ、それによってユーザー1人あたりの検索回数がどれぐらい増減するかを測定していたのです。
実験の結果は次のようなものだったとのこと。
ページの表示が100ミリ秒~400ミリ秒遅くなると、ユーザーの検索回数は0.2%~0.6%減った。
継続して200ミリ秒遅いページ表示になっていたユーザーの検索回数は、最初の3週間では0.22%減だが、4週目~6週目の3週間では0.36%減になった。
継続して400ミリ秒遅いページ表示になっていたユーザーの検索回数は、最初の3週間では0.44%減だが、4週目~6週目の3週間では0.77%減になった。
6週間にわたって400ミリ秒遅いページ表示になっていたユーザーの検索回数は、ページ表示が元の速度に戻ったあとの5週間も0.21%減のままだった。
こうした結果から、ページの表示速度がユーザーの体験に影響を与えるとみなして、順位決定の要因としての採用に踏み切ったようです。
とはいうものの、実は数週間前から実際にこのアルゴリズムは稼働し始めているとのこと。そして、このアルゴリズムの影響を受けているのは、検索全体の1%に過ぎないということです。つまり、ページの関連性のような主要な要因に比べると、速度は要因としての重要度が比較的低いということですね。
また、現時点での適用は、google.comドメイン名での英語の検索だけとのこと。つまり、google.co.jpサイトでの検索や、日本語での検索では、まだ関係ありません。
これはおそらく、
- 「さまざまなサイトの平均と比べてそのサイトが速いか遅いか」を判定するため、各国の標準的な速度をそれぞれ考慮する必要があること
- 速度の判定には測定場所からの距離が大きな影響を与えるため、各国に測定ポイントを現実的なボリュームで用意する必要があること
などが原因ではないかと思われます。
とはいうものの、いずれ日本でも同様になるのは間違いないでしょう。
自分のサイトは遅いの? 速いの? どうやって調べるの?
自分のサイトがどれくらいの速度だとみなされているかは、Googleウェブマスターツールの[Labs]>[サイトのパフォーマンス]で確認できます。このデータは、Google ツールバーをインストールし、オプションの PageRank 機能を有効にしているユーザーから直接収集されているもので、グーグルが順位決定に使っているデータと非常に近いものであると、グーグルのマット・カッツ氏は述べています。
ほかにもYSlowやPage SpeedのようなFirefoxアドオンを使うと自分でも調べられますし、webpagetestというサービスを利用すると、指定したURLの表示パフォーマンスをさまざまな切り口から調べてくれます(無料、英語)。
商用のサービスでは、米ゴメスの速度測定サービスが有名ですが、日本ではサムライズが「ExperienceFirst(エクスペリエンスファースト)」として提供しています。
また、先週Web担で公開した記事に、次のようなものがあります。クラウド形式のホスティングサービスの紹介記事ですが、ページ表示の高速化に役立つAkamai CDNを利用できるというすごいサービスです。こういったサービスも含めて、レンタルサーバーにどのサービスを使うかも重要になっていきますね。
→ あなたもAkamaiのCDNが使える! True CLOUDはEC/Webサイト向けクラウドの真打か
厳密に言えば、回線速度、ブラウザ、ログイン状態など、さまざまな要因でページ表示のパフォーマンスは変わりますし、どういった基準で速度が順位に影響するのかの詳細も不明です。とはいうものの、ページが快適に表示されることによる訪問者へのメリットは大きなものですから、順位に関係なくともページ表示の高速化は、すべてのサイトが進めるべきものだと断言できるでしょう。
ページ表示の高速化には、サーバーの設定や性能、サーバー側のプログラムの動作構造や速度、さらには、「HTMLの作り」「画像の作り」「CSSなどの読み込み方」といったブラウザ上での表示パフォーマンス改善と、現状によってさまざまな対応が必要になります。これから、高速化の手法もみなさんにお伝えしていくようにしますね。
Web担も以前に比べるとかなり高速化しましたが、まだあと1.5秒ほど縮めたいところです。IE 6では表示がもたついてしまいますし(IE 8にするか、他のモダンブラウザを使うとかなり快適ですよ)。
ちなみに……サーバーにもHTMLにも一切手を加えずにできる劇的な高速化手法をご存じですか?
答えは、「すべてのユーザーに最新バージョンのGoogle ChromeやOperaを使ってもらうこと」です……現実的には不可能なのですが。
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