ECサイトで売上を上げる! (前編) 回遊率を高める!閲覧開始ページ対策とSEO術
新規訪問者を大切にする具体策2
魅力的なリンクを加えよう
直帰率の高い入り口ページの次の問題は、「魅力的なリンクがない」ことだ。
ECサイトでは、商品詳細ページが入り口になることが多い。1アイテムの商品詳細ページは、カートへの入り口だ。訪れて「良い商品が見つかった!
」と思ってすぐにカートに入れてくれれば、非常に良い状態となる。
ところが実際には、商品詳細ページが入り口になると直帰率が高いことが多いのだ。そこをきちんとチェックして、帰られないようにしなければならない。
なぜ、商品詳細ページが入り口になると直帰率が高いのか? それは、「選べない」からだ。商品一覧ではなく商品の情報そのものが表示されてしまっているわけだから、そのページでは「その商品が気に入るか、気に入らないか」という判断しかできない。ネットショップに限らず、通信販売の魅力は品揃えが豊富でいろいろ選べること。選べないとしたら、それだけでつまらなくて、訪問者は帰ってしまう。たくさんの商品カテゴリがあったとしても、そのなかに1商品ずつしかないとしたら、楽しい買い物はできないだろう。「迷う」ことこそ通販の魅力なのだ。だから、商品詳細ページに来た人は、この商品はあまり好きではない、選ぶ楽しさもない、ということですぐに帰ってしまうのだ。
これは店にとってはつらいことだ。本当はたくさんの品揃えがあるのに、たまたま商品詳細ページが紹介されてしまっているために、選べない感じがして帰られてしまっているとしたら非常にもったいない。
逆に、すぐに帰られない入り口ページとは、「商品カテゴリのトップページ」ということになる。商品カテゴリのトップには、たくさんの商品が掲載され、心地よく迷うことができるはずだ。ECサイトを訪れている人の平均ページビューが多いのは、商品カテゴリトップから商品一覧の「NEXT」ボタンをクリックして、商品をブラウズ(ぱらぱら見る)していくのが好きな人が多いからだ。だとすると、対策は2つに絞られる。
商品詳細から訪れた人に、商品カテゴリトップへのリンクを見せ、これをクリックすれば商品一覧が見られると気づかせる。
検索や外部リンクなどでは、商品詳細ではなく、できるだけ商品カテゴリトップが紹介されるように調整する。
意外にも、商品詳細ページに、商品カテゴリトップへ誘導するボタンが魅力的に表現されていないサイトが多い。パンくずナビゲーションでページの最上部に小さなテキストでリンクがあるだけだったり、商品カテゴリのボタンがたくさんある他のボタンに埋もれてしまっていたりする場合も多い。
たとえばファッション通販のサイトに訪問者が訪れる。バッグの商品詳細に訪れたとしよう。すると、そのバッグが気に入ったか気に入らないか、ということになるわけだ。気に入らない人は、もっと他のバッグはないのかと感じる。それで直帰するのは、「もっと選べるサイトへ行こう
」「もっと良いバッグが見られるサイトへ行こう
」と思うからだ。
そこに、「このボタンをクリックすれば、もっと良いバッグがたくさん見られますよ!」と目立つボタンがあれば、「他のを見よう」と考えて、クリックしてくれるかもしれない。クリックすればバッグのトップが出てきて、「あ、このバッグのほうが良い」と感じながら商品一覧をブラウズしていくだろう。顧客との最初の出会いとしては良い状態となるだろう。バッグのページに入り口訪問した人は、多くの場合、バッグに関心が高い。当たり前のことだが、バッグの商品詳細のページに他のカテゴリのボタンがたくさんあって、バッグのトップへ移動したいと感じられないサイトが多いのだ。
不動産のサイトなどでは、「掲載物件数○万件
」などと、どのページにも表示している。件数自慢だ。ECサイトでも、「バッグ○点掲載中! 一覧を見てみましょう
」といった形で、訪問者の関心に添って、バッグのトップへ誘導するリンクがすぐに目に付くようにしておかなければならない。
新規訪問者を大切にする具体策3
ページからページへの遷移を見て、リンクの効果を確認しよう
アクセス解析では、ページからページへの移動がわかる。入り口となっているページから、次にどのページが多く見られているかを確認しなければならない。
多くの人を帰らせてしまっている入り口ページは、望ましいページに移動が少ない状態になっている。商品詳細ページではカートへ移動するのが一番良い状態だろう。「初めてのかたへ」といったコンテンツへの移動も良いだろう。商品カテゴリトップへの移動も望ましいものと言える。これらのリンクがどれぐらいクリックされているかを確認し、それがうまく行っていないのなら、リンクを強調して、誘導を強化する必要がある。
レコメンドをしているサイトでは、1つ1つの商品詳細からレコメンドをクリックする、つまり店側のおすすめに、どれだけ乗ってくれているかを確認するのも重要だ。商品詳細ページでは、訪問者の視線は商品写真に来る。そうすると、その下などに魅力的なリンクを配置するのが効果的だということになる。もちろん、他のページにばかり誘導するのは本意ではない。その商品そのものをもっと魅力的に見せる必要もある。商品写真を大きくしたり、1点だけではなく、別カットの写真なども掲載したり、「限定商品、残りわずか!
」といったアピールを強化する方法もある。データベースから商品を掲載している場合には、1ページだけ変えるのは難しい場合もあるだろうが、そうだとすれば、商品詳細ページのテンプレートを変更して、あらゆる商品を魅力的に見せられるようにしたいものだ。
コメント
私の理解能力の問題でしょうか。
意味不明~意味理解困難の業界用語が氾濫しています。出た用語を一々その場で検索して、読み続ける意欲的?執拗?な人は僅かでしょう。
しかもその業界用が理解できた後には、ECサイトの構成・加入者の損得?利益等との関連が分かりにくい。
ECサイトへの入会?勧誘手段の効果はゼロではないかと、怖れます。
ちょっと業界人から
ちょっと業界人からも強調してる部分は当たり前すぎてちょっと、んー ま 会社の宣伝なのかな。。
強調は読み流す人向けで
編集部の安田です。ご意見ありがとうございます。
この記事は「実践編」とあるように、少なくとも入門コンテンツではないので、難しい用語があるのはご容赦を。入門向けはアクセス解析“超”基礎講座、Webサイトの“見える化”&“カイゼン”講座の基本編、アクセス解析 Step by Stepなどをご覧いただければと(レベル別コンテンツへの誘導がサイト全体でうまくいってなくてすいません)。
強調部分は、どちらかというと、「ざっと眺めたときに中身がわかるように」という意図で入れています。じっくり読む気があまりない人でも、強調されているところを飛ばして見ていくと、「そういう内容が書かれているのか」とわかるためですね。
> んー ま 会社の宣伝なのかな
むー。編集コンテンツなのにこういったとらえ方をされるということは、まだまだ編集側の企画と練り込みが足りないということかもしれませんね……。精進します。
業界の現場人から
率直にいい記事と思いますよ。
わかりきったことでも実践できていないことが多い実際の現場人として、改めて襟を正す気になります。
もちろん、理論だけではなく、クリエイティブでの例などがあるとより共感できると思います。(ただ「ECサイト」という大枠な括りでは表現も難しいでしょうけど・・)
八百屋、服屋、文房具屋、饅頭屋、レコ屋など、それぞれ見せ方売り方が違うと思うので、そろそろ一般論としてのEC記事ではなく、もっと絞り込んだカテゴリのECサイトの考察記事があっても面白いだろうなと思います。
本当に「モノを売っている人」の声が聞きたいです。
勝手ばかり言って失礼いたしました。