「SEOの意外な裏技」その8:コンテンツは自分の手で管理しよう
前回この「意外な裏技」シリーズを書いてからずいぶん経ってしまった(今までの記事はこちら)。
明日は朝早くにRIMC(レイキャビク・インターネット・マーケティング・カンファレンス)に行くんでレイキャビクまで飛ばなきゃいけないんだけど、この題材が注目に値するのは間違いないんだ。それに、Mystery Guestはいつも、死んじゃった後ならいくらでも眠れるのよ、と言ってるしね(笑)。
SEO担当者とウェブマスターがすばらしいコンテンツを作っても、使い方がどうも最適ではないということがよくある。理想を言えば、ガイドや記事、写真、グラフィックス、動画、さらには重要なトピックについての価値あるごく短い文章など何でもいいけど、すばらしいコンテンツを作ったら、君のサイトの戦略的トラフィック構想を強化するように活用すべきだ。目につきやすいコンテンツを作成して新規ユーザーを獲得するのは簡単な作業ではないし、いいコンテンツを作るのも楽なことではない。だからこそ、自分の作ったコンテンツをどう活用するかを考えることが大切なんだ。
どういうことか、説明しよう。
優れたサイトを運営している頭のいい人たちが、これと同じことをしているのを毎日のように目にする。
- 思いついたすばらしいアイデアや見つけたリンクをTwitterに投稿する(セス・ゴディン氏は自分のブログに140文字の記事を投稿して、140個もリンクを取っているというのに!)。
- すごいコンテンツを書いて、記事収集サイト、ゲストブログやフォーラムに投稿する(それよりも、君のサイトに来るようにリンクさせるほうがいいんじゃないか? たとえ数は少なくなっても)。
- 洞察に富んだコメントやレビューをNewsvine、Yelp、deviantARTなどのソーシャルサイトに書き込む(真剣に取り組んでいることがあるなら、時間とエネルギーとコンテンツは自分のプラットフォームにつぎこんだらどうだろう?)。
- Flickr、YouTube、SlideShareなどのサービスを利用して、自分のマルチメディア作品を発表する。
自分のサイトに載せれば、以後ずっと自分でコンテンツを管理できる。それを読んで気に入ってくれた人は、君のブランドに対しても好意的な感情を持ってくれる。コンテンツを共有してもらえれば、マインドシェアが得られ、サイトへの訪問も増えるだろうし、リンクしてもらえれば、SEOに役立ち、君のコンテンツが検索エンジンで高い順位を取れる一助になる。
しかし、コンテンツを自分のサイト以外のところに投稿すると、二次的なブランドやトラフィックの恩恵は得られるけれど、得られた評価を100%収穫することはまずできない。
この記事は誤解される恐れがあるので、はっきりさせておきたい。
- ソーシャルメディアのアカウントへの投稿が悪いとは言っていない。
- この問題が大部分の人に当てはまるとは言っていない。当てはまらない場合も多い。
- 僕が言いたいのは、Webサイトを持っている事業主や起業家なら、そのコンテンツを自分のサイトではなくよそに投稿する方法とその理由を、戦略的に考えてみても損はない、ということだ。
理想としては、こんな感じに進むのがいい。
インタラクティブなソーシャルプラットフォームを使おうとするなら、どのようなプラットフォームかに関係なく、戦略を考えることが重要だ。便利で楽しいからやるのか。それとも、読む人の多い一般参加型の環境に発表する方が、自分のドメイン名で発表するよりもブランドとサイトにより多くの価値をもたらしてくれるからなのか?
自分のサイトでやるなら、ブランド構築、メッセージのやりとり、行動の喚起、最適化などといった体験を100%自分のものにできる。ソーシャルプラットフォームでは、こういったものが自分の自由にはならないし、今使える手だてでも、将来は使えなくなるかもしれない。
自分たちのコンテンツや顧客についてこのプロセスを考える場合、僕は普通次のようなパターンで考える。
- 自分のサイトで公開した場合、口コミで広がる可能性はあるだろうか?
- ソーシャルプラットフォームで公開した場合、可能性が格段に大きくなるだろうか?
- 投稿しようとするプラットフォームは、リンクや評価という形で、君のブランドやサイトをクレジットしてくれるだろうか?
- ソーシャルサイトがコンテンツ中のキーワードで高い検索順位を得た場合、それでもそこから価値を受け取ることができるだろうか?
ソーシャルメディアプラットフォームの中でも、Digg、Reddit、StumbleUpon、Deliciousなどのソーシャルニュースサイトや共有サイトに関しては、こんなことを考える必要はない。あらゆるメリットが得られて、デメリットは何もないからだ。
しかし、LinkedIn AnswersやKnol、Scribdなどのソーシャルメディアでは、慎重に判断しなければならない。僕が嫌いなのは記事収集サイトだ。リンク(一般に、さほど質の高いリンクではない)はくれるけれど、作者に渡されるブランディングやトラフィックに関する価値はないに等しいからだ。これより悪いのはウィキペディア(と類似サイト)だけだ。見返りとなるような利点はまずない。僕にはまったく理解できないんだが、ウィキペディアに多大な貢献をしている人たちは、ノートページでの政治的論争に明け暮れていないで、得意分野でサイトを作って自分にふさわしい注目を得たらいいのに、なぜそうしないんだろう。
とにかく、コンテンツの管理を他人に委ねてしまう前によく考えようってことだ。
ソーシャルもやってます!