キーワード広告で表示されるURLの重要性を見過ごすな(前編)
キーワード広告(PPC広告)を作成するときに見過ごしやすいのが、表示されるURLの重要性だ。検索エンジンマーケターが使えるテキストの行数は限られているのだから、そこを最大限に活用すべきだ。というわけで、この記事は、アイトラッキング(視線追跡)調査の結果をかいつまんで述べ、それとは別の表示URLに関する2つのテストからわかったことを説明していこうと思う。
結論を先にまとめておくと、
- アイトラッキング調査の結果によると、ユーザーが広告を見ている時間のうち、表示されたURLを見ている時間がかなりの部分を占めている。
- 他の2つのテスト結果からは、クリックスルー率にURLが多大な影響を及ぼすことがわかった。
というものだ。
User Centricでは、表示されるURLに対するユーザーの反応をもっと理解するためにアイトラッキング調査を実施し、ユーザーがグーグルの検索結果ページ(SERP)に表示されるURLを見ていた時間の長さを計測した。この調査では、30人の被験者がGoogle.comを使って、おのおの12回の検索を行った。
アイトラッキング調査の結果は、キーワード広告では表示されるURLが重要な要素であることを裏づけている。以下の表およびヒートマップに示したように、表示されるURLに対する注視時間は、各キーワード広告に視線が注がれる時間ののうち、かなりの部分を占めている。
- 検索結果ページの左部分にあるオーガニック検索結果の上に表示されるキーワード広告では、表示されるURLに対する注視時間(0.53秒)は、説明文に対する注視時間(0.15秒)の3倍以上だった。
- オーガニック検索結果の上部に表示されるキーワード広告の中でも、検索結果ページのいちばん上に表示されるキーワード広告のURLに対する注視時間は0.65秒で、その広告の見出しに対する注視時間と等しかった。
グーグルの検索結果ページにおける、検索1回あたりの平均注視時間(単位:秒)は以下のとおりだ。
左側(オーガニック検索結果の上部)のキーワード広告 | ||||
---|---|---|---|---|
広告#1 | 広告#2 | 広告#3 | 平均 | |
見出し | 0.65秒 | 0.71秒 | 0.73秒 | 0.70秒 |
説明文 | 0.21秒 | 0.12秒 | 0.10秒 | 0.15秒 |
URL | 0.65秒 | 0.57秒 | 0.38秒 | 0.53秒 |
右側のキーワード広告 | ||||
---|---|---|---|---|
広告#1 | 広告#2 | 広告#3 | 平均 | |
見出し | 0.34秒 | 0.26秒 | 0.19秒 | 0.27秒 |
説明文 | 0.39秒 | 0.28秒 | 0.24秒 | 0.30秒 |
URL | 0.22秒 | 0.20秒 | 0.16秒 | 0.19秒 |
検索結果ページでキーワード広告の表示されるおおまかな位置は、URLの視認行動に大きな影響を及ぼす。当然のことながら、検索結果ページの左上部分に表示される3件のキーワード広告のURLは、右側に表示される上から3件のキーワード広告のURLよりも、たくさんの注目を集めていた。注視時間で表すと、左側のキーワード広告のURLは1URLあたり平均0.53秒で、右側の広告の1URLあたり平均0.19秒のほぼ3倍となった。
URLに視線が注がれる時間の長さは、広告の表示される順位によっても異なる。注視時間でみると、いちばん上に表示される広告のURLが最長で、それに対して上から3つ目に表示される広告のURLは最短という結果になった。これは検索結果ページ左側の広告および右側の広告のいずれについても言える。
ページ左側の広告の場合、表示URLに対する注視時間は平均0.53秒で、広告の説明文(0.15秒)より長い時間注意を惹きつけているが、広告の見出し(0.70秒)よりは注視時間が短い。これは別に驚くべきことでもなくて、左側にあるキーワード広告の場合、URLは説明文の左側、見出しの真下に表示されるので、説明文よりは目立ち、見出しよりは目立たなくなるというわけだ。
一方、ページ右側の広告では、URLに対する注視時間(0.19秒)は、タイトル(0.27秒)ならびに説明文(0.30秒)のいずれに対する注視時間よりも短かった。右側の広告では、URLはキーワード広告のいちばん下、すなわち説明文よりもさらに下に表示されるので、最も目立たない広告要素となっている。
以下にヒートマップを示した。これは、調査対象者が行った12回の検索のうちの1つについて、被験者たちの視認行動を集計して結果を示したものだ(赤色の強いところが、多くの注目を集めているところ)。
この記事は前後編の2回に分けてお届けする。次回は、キーワード広告で表示されるURLに関して、さらに2つの実験を通してわかったことをお伝えする。→後編を読む
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