企業ホームページ運営の心得

売上の90%がオーバーチュア経由でもアドワーズを利用する理由

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の九十六

真っ青になった調査結果

読売新聞と朝日新聞、またはフジテレビと日本テレビにまったく同じ広告を出した結果、売上に貢献した割合が一方は10%、もう一方が90%と、どちらか一方に偏りがあったとしたらどうするでしょうか? 発行部数や視聴率から広告効果を計るのは難しく、偏りがあったとしても測定するのは不可能ですが「ネット広告」では可能です。クリック数や訪問者数、アクセスログから広告効果を可視化できるからです。効果を数値で計れることも、ネット広告市場が拡大している理由の1つと見られています。

3か月前に寄稿した「JP(日本郵便)に負けるアドワーズ」で、入札単価の高騰によりクライアントをアドワーズから撤退させたとしました。しかし、高騰だけが理由ではありません。投資に見合うのなら撤退はしません。オーバーチュアとアドワーズを比較しての判断です。

広告費負担を軽減する賭けに

あるクライアントでは、検索連動型広告からの訪問で「購入」した割合はオーバーチュア経由が90%でアドワーズが10%でした。出稿しているキーワードも入札価格もほぼ同じで、双方に月額12万円以上支払い、クリック数もクリック単価も大差なく、国内検索市場のシェアの違いでは説明できない偏りがあったのです。

広告で訪れた客はしばらくしてから購入することもありますし、電話注文は検証結果に含まれていません。検索連動型広告の90%を占め、「即効性」の点からオーバーチュアに軍配が上がったとしても、アドワーズからの撤退による売上減少のリスクもありました。しかし、競合同士で入札価格を吊り上げ、停止する直前には月額15万円を越える状況に、広告費負担で事業が傾くなら本末転倒とアドワーズからの撤退を進言しました。

撤退から3か月が経ち、クライアントはスタッフを増員し売上は絶好調です。

タウンページ効果の実証

あくまで弊社クライアントの事例とお断りしておきます。業種によってはアドワーズの方が利益をもたらすかも知れませんし、我々のような「IT業界」という激戦区ではキーワードを「買い負ける」オーバーチュアよりも、比較的安価な「アドセンス」で訪問者を増やすのもアイデアです。いずれにしても継続的な検証作業が不可欠だということです。

この反省をもとに、検索エンジンの「自然検索からの訪問」と「検索連動型広告経由」のアクセスの平均PVを調べるとおもしろいことがわかりました。「広告」からの訪問者の平均PVが多いのです。先ほどのクライアントではヤフーの自然検索経由の平均PVが3.579なのに対して、オーバーチュア経由だと平均PVは5.696。同じくグーグルの検索経由では平均PVは3.846で、アドワーズ経由だと平均PV 6.551。それぞれ1.59倍、1.7倍となります。この違いをタウンページ効果と名付けます。

経由による平均PVの違い
-ヤフーの自然検索経由オーバーチュア経由グーグルの自然検索経由アドワーズ経由
平均PV3.5795.6963.8466.551

週末のチラシを楽しみにする人々

いわゆる「電話帳」のタウンページに広告を掲載すると日本全国から売り込みの電話が鳴りやまず、詐欺まがいの「振り込み票」が届き何かと面倒です。しかし、お客さんからの問い合わせもあります。これは「業者」を探す際に「まずはタウンページ」という層はまだまだ多く、彼らの目が「広告」を情報として捉えます。これが「タウンページ効果」です。

商品やサービスを探しているものにとっては「広告」も大切な情報です。土曜日に宅配される新聞には、新聞以上の厚みのチラシが折り込まれます。電化製品を週末のチラシで「吟味」される方は多いことでしょうし、ご近所住宅情報はチラシの独壇場です。

多くの人は売り込まれることを嫌います。しかし、「欲しい」と考えている人には広告は重要な情報源なのです。

携帯に強いアドワーズ

「欲しい」と願う人が「広告」をクリックし、より情報を得ようとページを多く見ていくのではないか。仮説ですが、弊社も含めた他のサイトでも近い結果がでています。前述のクライアントのケースに話を戻しますと、アドワーズを停止しましたが、直後に「携帯電話限定」で復活させました。直近1か月の携帯版オーバーチュア(スポンサードサーチモバイル)との比較は下記の通りとなります。

モバイル検索連動型広告のインプレッション
-インプレッションクリック数広告費用
オーバーチュア
(スポンサードサーチ モバイル)
23,1844334,390円(クリック単価10円)
アドワーズ
(アドワーズ モバイル広告)
2,612,4852,09130,709円(クリック単価15円)

成約数はどちらもほぼ同数でしたので「費用対効果」でみればこちらもオーバーチュアの圧勝です。しかし、「露出」による認知度の向上という広告効果を狙うにはオーバーチュアのボリュームではもの足りません。そこはドコモとauの検索エンジンとなったグーグル(アドワーズ)で補います。広告効果とは直接の売上以外にも「認知度の向上」もあることが最近の「ネット広告」では見過ごされがちなことに注意が必要です。

広告代理店は広告が苦手

広告効果が高い媒体があれば営利企業ならば「自社の広告」をだすのが自明です。グーグルで「インターネット広告」と検索するとグーグル系のアドワーズだけではなく、ヤフー系のオーバーチュアも出稿していることがわかります。「客泥棒」が狙いなのかもしれませんが、効果がなければ出稿も嫌がらせもしませんからここらも「ネット広告」の実力を想像できます。そしてここから効果測定の難しい新聞広告やテレビCMに思いを馳せます。大手広告代理店の電●や博報●のCMを見たことがないなあと。

統計に詳しい方なら今回の検証に2つの疑問を唱えることでしょう。第一にデータのサンプル数で、第二が同業他者の検証がないことです。第一については「継続調査(仮説検証)」にてサンプルを集めるのが科学的な姿勢なのですが、その間にも月額15万円の広告費は発生しクライアントの利益を圧迫します。そこで統計学上の信憑性より「異常な偏り」を重視しました。

そして後者についてはすいません。弊社は「一業種一社」を掲げており「同業者の検証」はできないのです。顧客利益の最大化のために存在する「ホームページ屋さん」としては、インターネットという同じ土俵で戦うライバル企業同士を手伝うことを統計学が許しても仁義が許さないと考えますので。あしからず。

専門家の検証を楽しみに待っております。

♪今回のポイント

客の属性で変わる広告効果。

グーグルとヤフーの利用者は違う……かも知れない。

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