事業資産+サイトの変更履歴=大きな価値(前編)
SEOmozで僕らがほとんど触れない分野の1つが、オフラインの一般的な事業資産をSEOのために活用する方法だ。そこで今回はこの問題を、Webサイトの履歴管理という一見無関係に思える話題と合わせて取り上げてみようと思う。最後まで読んでもらえば、この2つがなぜ見事に結びつくのかわかるだろう。
事業資産をSEOに活用する
おそらく企業や団体には、SEOを通じて獲得しているトラフィックの質と量の改善に利用できる価値の高い資産が、Webサイト以外にもたくさんあるはずだ。具体的には、以下のような資産だ。
自分が所有/管理しているほかのドメイン名
複数ドメイン名の所有に関しては、この間賢い活用法について記事を書いた。しかしここでは、以下の3点を検討してみたい。
これらのサイトの一部をメインサイトのサブフォルダに301リダイレクトすることで、さらなる恩恵を得られるか?
効果的なマイクロサイトに使えそうな、キーワードにぴったり符合するドメイン名を所有しているか?
複数のサイトを別々に運営している場合、サイト間のリンクは上手に張られているか?
価値ある戦略につながりそうなものがこの中にあれば、それを推し進めよう。まったく新しい戦略やコンテンツ、プロセスを開発するよりも、すでに手がけていることを最適化する方がえてしてはるかに簡単だということを覚えていてほしい。特にリンク構築に関しては、これが最も少ない苦労で成果を得られる方法になる。
オンラインとオフラインにまたがる提携関係
ビジネスの提携関係は、オンラインでもオフラインでも同じように役立つ。
オンラインでは、特にリンクの面でメリットがある。取引先や協業相手(または、サービスを提供してもらっている相手)といったビジネスパートナーがいる場合、先方のサイトと自分のサイトとの間でリンク戦略を構築できる可能性は高い。相互リンクについてはよくない評判も少しはあるが、自分のサイトに「提携企業」「取引先」「取引業者」「お勧めの業者」などといったリストを掲載したり、提携相手のリストにも自分のサイトを掲載してくれるよう求めたりするのは、少しも悪いことではない。
オンラインに出したことのないコンテンツやデータ
(または、アップしているが非公開のもの)
いろいろな企業と一緒に仕事をしていると、コンテンツをオフラインからウェブ上へ移すという認識をまったく持っていないのに気付くことが多い。そう、郵送した印刷媒体に載っている何百本もの長い記事は、Webサイトのアーカイブとして最適だ。それから、メールとして送信したニュースレターは、全部かき集めてサイト上で公開しよう。さらに、独自のデータセットや資料などがあれば、サイト上で関連のあるページに加えるべきだ(もし関連ページがまだないなら、作成を検討しよう)。
満足すべき体験をした顧客
以前「SEOの意外な裏技」で説明したとおり、顧客はリンクを獲得するためのすばらしいリソースだ。だが、あなたは顧客が文章を書けるということを認識していただろうか?
そう、顧客やサイト訪問者たちは、ウェブで大流行中の「ユーザー生成コンテンツ」(UGC)を提供してくれる可能性があるんだ。冗談抜きで、もし君がUGCという選択肢をすでに手にしていて、ユーザーが作成してくれるコンテンツに価値を認めているなら、リンクとコンテンツ両方のチャンスのために、顧客や訪問者、メーリングリストの参加者たちに働きかけることを忘れずに。
ファン層
この戦略は、仕事や作品のジャンルを問わず、ファン全般に同じように使える。数多いオフライン中心の会社やエンターテインメント企業、耐久消費財のメーカー、各種一般消費者向けサービスを手がける企業の場合、対価に見合うだけの製品やサービスを提供しているならば、それを使った人たちが喜んで自分の体験を共有してくれる可能性は高い。
- ビデオゲームを制作しているなら、熱狂的なファン層に働きかけよう。
- 本を執筆したなら、作品のファンたちをウェブ上に動員しよう。
- イベントを主催しているなら、オンラインにその参加者たちを集めよう。
顧客と同じように、ファン層もまた、リンク獲得、コンテンツの作成、嬉しい体験談、(口コミの広がりに役立つ)ソーシャルメディアマーケティングのすばらしいリソースになる。
この記事は、3回に分けてお届けする。次回は、サイトの変更履歴を記録しておくことがなぜ重要なのか、そして何を記録しておくべきなのか説明する。→中編を読む
ソーシャルもやってます!