広告をきっかけにキーワード検索、40代以上も積極的/消費者のメディア接触行動に関する調査
株式会社電通の「クロスメディア開発プロジェクト」の消費者インサイトチームは、消費者のメディアや情報との関わり方の最新の傾向を全体的に捉えるため、2008年2月に「クロスメディア行動調査(PDF)」を実施した。
電通によると、「情報バリア」を張った消費者が増えているという。デジタル化やIT化の進展にともない、世の中を取り巻く情報が増え、消費者は自分にとって関係のない、興味のないものには関心を示さない、という傾向が見られ、そのため、企業が効果的な広告キャンペーンを行うためには、さまざまなコンタクトポイントを有効に活用して、消費者を情報バリアから誘い出す「キャンペーンのシナリオづくり」が大切になっており、そのためには消費者のメディア接触行動や生活動線を具体的に把握する必要があるという。
調査結果によると、調査対象であるインターネットユーザーにおいて、マスメディアやインタラクティブメディアなどの複数のメディアを連動させながらも使い分けて活用する行動が40~50代層でも高く見られ、「クロスメディア型」メディア接触行動は全世代に広がってきていることがわかった。
※調査概要に関しては、記事の末尾に記載している。
67.7%が最近1か月に広告を見てキーワード検索
「最近1か月に広告を見て、その内容に関してパソコンや携帯電話でキーワード検索をした」人は全体の67.7%となっている。また、パソコンと携帯電話の両方で検索している人も13.0%存在することがわかった(図1)。
また、全年代において女性よりも男性の方が広告をきっかけに検索する比率は高く、最も高い30代男性では76.7%となっている。その一方で、最も低い50代の女性においても44.6%と、半数近くの人が検索をしていることがわかった(図2)。
40、50代も、広告をきっかけに企業・賞品の公式サイトを見る
広告をきっかけに「その企業・商品の公式サイトにアクセスしたことがある」かを聞いたところ、メディアごとに特徴が見られた。
「新聞広告」では女性よりも男性のほうが高く、男女ともに年齢が上がるにつれて高くなる傾向が見られる(図3)。一方、「雑誌広告」をきっかけとする行動は、女性では20代をピークとして年齢が上がるにつれて減少していく一方、男性では30代、40代にピークが見られた(図4)。
全年代を通してテレビをきっかけにネットにアクセスする行動は多い
「テレビで見た内容をその場でネットで調べることがある」か尋ねた。その結果「ある」が38.3%、「気になったテレビCMを企業・商品の公式サイトでもう一度見たことがある」が31.7%となった(図5)。
性年代別で見てみると、「テレビで見た内容をその場でネットで調べることがある」は、幅広い年代で行われていることがわかった(図6)。「気になったテレビCMを企業・商品の公式サイトでもう一度見たことがある」は、女性が20代が、男性は40代がピークになっており、50代でも男性が28.4%、女性24.8%が行っている(図7)。
情報収集する人の購入率は、しない人よりも高い
商品に関して情報収集をする比率は、購入者ベースで見て、自動車72.0%、携帯電話(端末)70.6%、映画館で見る映画66.0%、薄型テレビ57.6%、化粧品53.5%、菓子・デザート33.9%となった。商品カテゴリによって異なるが、購入者は高い比率で事前に情報収集を行っていることがうかがえる(表1)。
情報収集率 ※1 (購入者ベース) | 期間 | |
---|---|---|
自動車 | 72.0% | 最近1年間 |
携帯電話(端末) | 70.6% | 最近1年間 |
薄型テレビ | 57.6% | 最近1年間 |
映画館で見る映画 | 66.0% | 最近半年間 |
化粧品 | 53.5% | 最近半年間 |
菓子・デザート | 33.9% | 最近半年間 |
「情報収集者」と「非情報収集者」における商品購入率を比べると、自動車の6.3倍から、菓子・デザートの1.4倍と幅がありますが、どのカテゴリにおいても、「情報収集者」は「非情報収集者」よりも商品購入率が高くなっている(表2)。
情報収集率 ※1 (購入者ベース) | 情報収集者÷非収集者 商品購入比 ※2 | 期間 | |
---|---|---|---|
自動車 | 72.0% | 6.3倍 | 最近1年間 |
携帯電話(端末) | 70.6% | 3.6倍 | 最近1年間 |
薄型テレビ | 57.6% | 2.7倍 | 最近1年間 |
映画館で見る映画 | 66.0% | 3.0倍 | 最近半年間 |
化粧品 | 53.5% | 3.7倍 | 最近半年間 |
菓子・デザート | 33.9% | 1.4倍 | 最近半年間 |
「家に帰ったらすぐにテレビ」と「すぐにパソコン」が拮抗
その他の消費者のメディア行動、情報行動で特徴的なものとして、今回の調査から下記のような結果が得られた。
- 「家に帰ったらすぐにテレビの電源を入れる」が39.8%ある一方で、「家に帰ったらすぐにパソコンを立ち上げる」が31.9%。テレビのほうが高いが、やや拮抗してきている。
- 「ふだん自宅で新聞を読んでいる」が63.4%ある一方で、「ニュースはパソコンからインターネットで知ることが多い」が41.5%
- 「わからない漢字を携帯電話で変換して調べることがある」60.0%
- 「電化製品や携帯電話などを買うときには店頭のカタログを集める」49.7%
- 「パソコンからネットオークションを利用(落札)したことがある」40.8%
- 「自家用車で移動しているときは、主にラジオを聴いている」29.9%
調査概要
- 調査対象:12~64歳の男女個人
- サンプル数:2090
- エリア:関東エリア(東京23区、及び1都6県、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬における人口15万人以上の市)
- 調査手法:インターネット調査(電通オリジナルのデータベース「d-camp」の調査パネルのうち、インターネットパネルに対して調査を実施)
- 調査実施期間:2008年2月22日~2月29日
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