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オンライン広告の規制と事業に関するカンファレンスに参加してみた(後編)

この記事は前後編の後半だ。前回に引き続き「法律とオンライン広告ビジネス」カンファレンスのレポートをお届けする。

行動ターゲティングのマーケティング企業が合併の承認を求める際は、プライバシーに有害な影響を及ぼす可能性について、独占禁止法の観点から検討すべき

ピーター・スワイア氏はプライバシーの権威で、消費者情報の集中をはじめとするプライバシーへの有害な影響という観点から、なぜグーグルとダブルクリックの合併が競争を阻害するものとみなし得るかについて、米連邦取引委員会(FTC)にとても興味深い証言をした人よ。

合併後の新会社が競争を妨げる有害な活動ができるほど大規模になる場合、その企業の合併は禁じられるべきだという考えは、誰でも直感的によくわかるわよね。有害な影響としては、たとえば価格の固定化や、出荷商品の質の低下などがあるわ。

プライバシーポリシーを検索エンジンの「商品」の一部だと考えれば、合併がどんな影響を及ぼすか想像にかたくないはず。スワイア氏の話の中で、重要なのは次の2点だと思うわ。

  1. 広範かつ深い検索によって消費者情報が集中すること自体が、プライバシーに敏感な消費者にとっては有害である。

  2. 行動プロファイリング業界に膨大な消費者情報が集積されることによって、市場における他社との公正な競争が事実上、阻止あるいは妨害される可能性がある。

独占を防ぐための従来の調査では、合併計画を検討し、多くの場合、承認のための条件を設定する。消費者の利益につながる合併なら進めてよいが、悪影響が利点を上回るという場合は合併を認めるべきではない。

製品の質が低下したり、プライバシーに害を及ぼして消費者の利益が損なわれたりする場合、合併条件を検討してプライバシーへの悪影響に対応することは、論理的に筋が通っている。

スワイア氏の話にはとても説得力があるわ。行動ターゲティング業界について、特有の無形資産、参入の障壁、競争における課題を確認することにより、新たな展開をもたらすものよ。

それにもかかわらず、ヴァリアン氏はこの主張を快く感じていなかったみたい。ヴァリアン氏は落ち着かない様子で、もし消費者情報の集中が競争を阻害する可能性があると考えるなら、最終的にどうすればいいのか、合併を差し止める理由にならないものなどあるのかと、危なっかしい議論を展開してスワイア氏に反論していたわ。それに対してスワイア氏は、「どのようなことを考慮すべきなのか?」ではなく、「消費者や市場にどのような影響があるのか?」を問うべきだと回答した。最終的に消費者のためになるのなら合併は承認されるべきだし、消費者にとって有害なら合併は阻止されるべきだということね。

ここで、スワイア氏が書いた短い記事を紹介しておくわ。その中でスワイア氏は、ヤフーとマイクロソフトの合併についても、競争における非価格要素の1つとしてプライバシーの問題が議論されるだろうと予測しているの。

通信品位法(CDA)の見直し
オンライン上の行為に関する問題を扱う仲裁機関を設ける

タシュネット氏の発言には興味深い部分がたくさんあったけれど、私が一番おもしろいと思ったのは、ついでに触れていた、CDA(通信品位法)の手直しに関する話だったわ。

私の記事を定期的に読んでくれている人なら、私がCDAに特別な興味を持っていることをご存じでしょうね。電子商取引、憲法修正第1条、匿名による発言、Web 2.0、プライバシー問題、評判上の利害の間で、適正なバランスが取れていないとずっと感じているにもかかわらず、私はこれらの対立する利害を適切に調整できるよう、法律をうまく組み立て直すことができずにいるの。

タシュネット氏は、CDAが認めている広範な免責が適用されなかった事例いくつかあったことを話した後、企業による不正行為に対抗する新しい体制を作り上げる可能性について、さまざまなアイデアを検討したの。統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)と同じように、迅速に聴聞会を開く専門の行政機関を設置したらどうだろうか? あるいは、裁判手続きを迅速化したらどうか? ユーザー生成コンテンツに関する争いを解決する負担を、ウェブサイトや検索エンジンが負わなくてもいいような仕組みは? 何らかの中立的な機関が問題について迅速かつ効率的に聴取し、そこで下された決定にウェブサイトは従わなければならないという仕組みはどうか?

私もそのときは気分が高揚したけれど、現実的な問題となると……ウェブサイトには証拠を手に入れる手段もなければ、ユーザー生成コンテンツを守るために戦う動機もないわ。したがって、最終的には事実上デジタルミレニアム著作権法(DMCA)のような方針に落ち着いて、言論の自由を著しく制限することになるんでしょうね。おそらく最も重要なのは、管轄権や執行の問題によって、こういった仕組みはあっという間に非実用的なものになってしまうことだわ。結局、私はこれからも悩み続けて、CDAの広範な影響について考えることになるんだろうと思う。

最後に、広告主の観点

ジェフリー・ロアズ氏がパネリストとしてこのカンファレンスに参加していたのはとてもよかったと思う。なぜならロアズ氏は実際に広告主だし(他に広告主はあまり参加していなかった)、おまけに法律的な知識の持ち主でもあるしね! 最後に、商標、CAN-SPAM法、アフィリエイトマーケティング、およびそれらに関連する投資収益率(ROI)の潜在力とリスクなどについて話し合ったわ。

要約すると、おそらく将来、製品のマーケティングにおいてアフィリエイトとテクノロジーの創造性がさらに高まったとき、商標権に関する訴訟がもっと多くなるだろうという見方で、広告主パネリストの意見は一致したわ。つまり、売り手の出す広告は仮想世界のあらゆるところ(動画、twitter、フレンドシップ・ブック、ブログ、ショートメッセージサービス、ソーシャルメディアサイト)に広がり、誰が関わっていて、法的責任がどうつながっているかを特定するのが難しくなっていくということ。パネリストたちの意見は、次の2点によってリスクを管理していくことが重要だという点で一致したわ。

  1. 広告主と確固とした契約を結ぶこと。

  2. それと同時に広告主が自分のブランドをどのように活用しているのかを見届け、追跡するアフィリエイト管理ツールを使用すること。

全体的に見て、とても楽しいカンファレンスだったわ。SEO、商標、著作権、国際的な問題について、ほんの少しの時間しか議論されなかったのは驚きだったけれど。また、実際のマーケターたちがもっと参加したら、議論を学術的な意味でさらに率直で的を絞ったものにするのに役立つでしょうね。

以上で私の話は終わり。もしこのカンファレンスに関する記事をもっと読みたいと思うなら、レベッカ・タシュネット氏による詳細な報告チェックしてみてね。

では、ごきげんよう。
サラ

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