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アフィリエイトの「レビュー」サイトによる商標権の侵害で、DSWがZapposを提訴(後編)

この記事は前後編の2回に分けてお届けしている。前編の記事では、DSWとZappos.comのアフィリエイトにまつわる商標権侵害訴訟をめぐり、訴訟の背景と内容についてお伝えした。後編となるこの記事では、この訴訟に関するサラの解釈をお届けする。

アフィリエイトパートナーは違法行為を犯したのか?

レビューサイトというのは、商標権に関して興味深い問題ね。商標法は、自由に発言する権利を企業が封じられるようにするためのものでは決してないわ。消費者の寄せる期待とブランド確立に要した企業の投資を保護するために作られたものよ。自分の競合相手を話題にするのは自由だけれど、話題の取り扱い方については注意しなくてはならないってこと。

dswshoes.netサイトを作成したアフィリエイトパートナーはおそらく、消費者にとって有益な情報と、消費者を惑わす情報を隔てる一線を越えたのね。もしこのアフィリエイトパートナーがDSWの商品画像を使わず、紛らわしくないドメイン名(「shoestorereviews.com」とか)を使用し、DSWとは関係がないことやZappos.comと関係があることをもっと明らかにしていたら、たぶん問題はなかったはずだわ。

残念なことに、問題のサイトはどちらかというと、DSWと正式な関係があってクリックすればDSWの靴を購入できるという印象を与えるものだった。この道義に反するサイトのスクリーンショットをお目にかけましょう。

DSW-道義に反するサイトのスクリーンショット
問題のアフィリエイト・パートナーのサイトスクリーンショット(内容はWeb担編集部で日本語化)

確かに、このアフィリエイトサイトでは、自分のサイトがDSWの公式サイトでないことを示すために、それらしき表現をしている。

  • 最後の段落に、赤字で「公式ショップサイト」についての記述があり、リンクを張っている。
  • ページのいちばん下に小さな文字で免責事項が記載してあり、皮肉にも、DSWが登録商標であることと、このウェブサイトが「DSWが運営するものではない」ということを説明している。

だけど、ドメイン名、DSWの写真を使用していること、プレスリリース形式のレビューによって、DSWが運営しているサイトだという印象を与えようとしているのも事実。「シューズを購入する」リンクを目立つように配置した全体としてのコンテンツは、そのリンクをクリックすればDSWから靴を購入できるサイトにつながると思わせるものよね。でも訴状によると、実際はZappos.com につながっていたらしいの。それに、Zapposのバナー広告の下にもZapposはDSWの商品を扱っていない旨の注意書きがあるけど、「レビュー」の文章中にある「シューズを購入する」リンクの紛らわしさを解消するのに、おそらく十分だとは言えないわね。

最後に、DSWが運営しているサイトだとほのめかすように「DSW」が含まれているので、このURLはおそらく商標権の侵害に当たるでしょうね。コンテンツは別にしても、このドメイン名は消費者を惑わすおそれがあるし、DSWのブランドに便乗していると受け取れるわ。

ドメイン名の問題は、反サイバースクワッティング消費者保護法(ACPA)と統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)に関する訴訟としてぴったりなんだけど、今回の訴状にACPAについての主張は盛り込まれていないのよね。

以上のことから、私としては次のように考えるわ……

私だったらどうしていたか?

もし私がDSWの法律部門を担当していたら、こうした比較的よくある小さな問題に対して、費用と時間のかかるこんな手段は採らなかったでしょうね。

私だったらZapposにメールで通知していたわ。そしたらZapposは、きっとそのアフィリエイトパートナーとの契約を打ち切ったはずよ。

もしDSWが問題となっているドメイン名を欲しいというのなら、もっと手続きが迅速で費用もそれほどかからないUDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)による調停を申請したでしょうね。

DSWがそのドメイン名を欲しいとは思っていないけれど、問題のアフィリエイトをZapposのアフィリエイトネットワークから追い出すだけでは満足できないんだったら、グーグルにDMCA(デジタルミレニアム著作権法)による削除通知を送付してたと思うわ。このサイトはDSWの会社の写真を不正使用していたから(著作権侵害)、ほぼ即座にインデックスからこのサイトを除外する処置が認められて、私はDSWが利益を上げるのを手伝う業務へ戻っていたはずよ。

もちろんこの訴訟に関して、一般には公開されておらず私が知らないでいる事柄があるのかもしれないわ。DSWの法律部門にはたぶん、この比較的ありがちな問題を解決するために提訴に踏み切った、彼らだけが知っている理由があるんでしょうね。ひょっとしたら、単なるリンクベイトなのかも。もしそうなら、私は見事に引っかかったということね。

それでは、ごきげんよう。
サラ

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