ウェブディレクトリを利用すれば、サイトへの新しいリンクを手っ取り早く獲得できる。ディレクトリサイトの使い方に関しては、目に付いたディレクトリすべてに登録するというものから、極めて選択的に行うというものまでさまざまな意見がある。今回の記事では、ディレクトリの活用法を選ぶ際にある程度の見通しを得られるように、表からはわかりにくい部分について述べていこうと思う。
基本――Yahoo!カテゴリ
そのディレクトリにリンクジュースの受け渡し能力を認めるかどうかを決める際に、検索エンジンがどういうポイントに注目するかは必ず押さえておこう。例を挙げる。
支払いはリストへの掲載ではなく、編集者による審査に対するものだと明示している登録ポリシー。これは細かいが重要な違いで、こういうポリシーを持っているディレクトリでは、登録申し込みのあったサイトを審査した上で好ましくないという判断を下すことがあり、リストに掲載してもらえなくても料金は戻ってこない。これは、登録ポリシーで示されているとおり、本当に編集者が判断しているということであり、その点が重要なのだ。
その登録ポリシーが実行されている証拠。
結局のところ、「お金を払えば何でもOK」というディレクトリは編集者による選別を実施しておらず、したがって、そのようなディレクトリのリストは、検索エンジンにとって価値がないということだ。
この点についてさらに詳しく知るために、Yahoo!カテゴリのビジネスエクスプレスサービス利用規約にある重要な文言を見てみよう。
ビジネスエクスプレスの利用料金は1回の利用につき52,500円(うち消費税等2,500円)です。Yahoo! JAPANが審査に着手した場合、本利用規約に別途定めのある場合を除いてこの料金は理由のいかんを問わず返金いたしません。なお、お申し込みにかかるサイトについて慎重かつ複雑な審査が必要となる場合には、1回の利用につき157,500円(うち消費税等7,500円)となります。慎重かつ複雑な審査が必要となるサイトについては、お申し込みの際にYahoo! JAPANが別途明示します。
ビジネスエクスプレスは、Yahoo!カテゴリへの登録審査を有料で行うものです。ビジネスエクスプレスをご利用いただくことは、お申し込みにかかるサイトのYahoo!カテゴリへの登録を保証するものではありません。また、Yahoo!カテゴリに登録する際に、希望されるカテゴリへの登録や紹介文の記載を行うことを保証するものでもありません。登録の可否、登録時のカテゴリ、紹介文の内容はすべてYahoo! JAPANが決定する権利を有するものとします。
Yahoo! JAPANはYahoo!カテゴリに登録すべきか否かについて、Yahoo! JAPANの裁量で決定する権利を有しています。また、Yahoo!カテゴリに登録を行う場合も、いずれのカテゴリに入れるのが適切かについては Yahoo! JAPANが決定するものとし、紹介文、タイトル、URLについてもYahoo! JAPAN自身の判断で決定するものとします。
Yahoo! JAPANはYahoo!カテゴリに登録されているサイトについて、Yahoo! JAPANが必要と判断した場合には、理由のいかんを問わずいつでも登録抹消、カテゴリの変更、紹介文・タイトル・URLの変更等を行うことができるものとします。
ここで理解すべき重要なポイントは、料金を支払っても、サイトがディレクトリに掲載される保証はまったくなく、記載事項はヤフーの編集者が自由に変更できるということだ。5万2,500円を支払っても、それに対する見返りが何もない可能性がある。法律的な観点から言うと、この支払いは、ヤフーの編集者による審査への対価ということになる。
さらに、このヤフーのページには書かれていない大切なポイントがある。それは、グーグルがヤフーの編集者を信頼しているということであり、質の悪いサイトから申し込みがあっても、ヤフーならそのすべてを本当に拒否すると考えているということだ。
もちろん間違いは起こりうる。あまり質のよくないサイトが、登録されるべきでないのに登録されてしまうことも、時にはある。こうしたことが起こるのは残念だが、通常、編集ポリシーはきちんと適用されている。
その他のディレクトリサイト
検索エンジンが価値を認めているディレクトリは、ヤフー以外にもあるのだろうか? もちろんある。
SEOmozの「リンク構築のプロフェッショナルガイド」(英語記事。有料のプロ会員向けコンテンツのセクション内にある)からの引用だが、リンクジュースを渡してくれると思われるディレクトリサイトを少し紹介する。
このガイドには、SEOmozが価値を認めているディレクトリを、さらに多く収録している。
注意すべきは、検索エンジンは推定無罪の方針で臨んでいるということだ。ディレクトリサイトは編集ポリシーがどうなっていようと、だれかからの通報など、なんらかの理由から人手による評価が行われるまでは、リンクジュースを引き渡していると思われる。
自分でディレクトリの価値を分析する手順
登録を申し込んでみようかと思うディレクトリサイトがあるとする。まず何をしたらいいのだろうか?
そのサイトが登録リストの質に関して、本当に真剣に取り組んでいるのかどうかを見定めようとすることだ。現在リンクジュースを渡しているディレクトリも、その後、渡せなくなる可能性がある。だから、ディレクトリへの投資には慎重を期したいところだ。
もちろん、現時点でリンクジュースを渡しているもののディレクトリとしての質は低いと感じ取った場合も、今お金を払ってそこに登録することから生じる実質的なマイナス面は、将来的にそのリンクが価値を渡さなくなるということでしかない。
しかし、もっと価値の高いディレクトリサイトを探す方向で話を進めていこうと思う。そのディレクトリが時間という試練に耐えうると思われる手掛かりを見つけなければならない。参考になるポイントをいくつか挙げてみる。
- ちゃんとしたベンチャー投資企業、あるいはそのディレクトリが扱っている垂直分野の大手企業から出資を受けているか? もしそうなら、そのサイトは構築しているディレクトリの質を大事に考えている可能性が高い。
- 開設されてから長い時間が経っているか? もしそうなら、今後も当分は存続できる可能性が高い。
- どういう手段で利益を上げているか? 編集者による審査で料金を受け取りながら、いたるところにアドセンス広告を貼り付けてはいないか? もしそうなら、まともなディレクトリサイトではない可能性が高い。
- ページ上に、有料広告リンクだと思われる無関係のリンクが大量にないか? もしあれば、いずれだれかに通報されること確実だ。
- 前述の項目に関連することだが、何かスパムを思わせる部分がサイト内にあれば、そのディレクトリサイトが真面目に事業を行っていないことを知る手がかりになる。
- バックリンクに大量の有料リンクが含まれていないか?
- 扱っているカテゴリについてディレクトリ以外のコンテンツがある場合、その内容があまりにお粗末なものではないか? 本当に信頼できるものだろうか?
- 提供しているカテゴリの大部分に、相当数のサイトが登録されているか?
- そしてもちろん、支払いは審査に対するものだという、明確な編集ポリシーを掲載しているか?
良いディレクトリの実例
ここで紹介するのは僕たちの検証に基づいた、おそらく長続きしそうな良質のディレクトリサイトだ。もちろん、そのことを保証するものではない。
実例1 ItrainOnline
トップページのツールバーページランクは6で、発展途上国の開発および社会改革に資するため、コンピュータやインターネットが学べるリソースを扱っている。このディレクトリが好ましいと思えるポイントは次のとおり。
- はっきりした編集ポリシーを提示している。
- 料金が無料。したがって、登録の可否がお金で左右されることはない。
- 最低限の広告しか掲載されておらず、また広告であることが明示されている。
リストはそれほど深く階層化されているわけではないが、ディレクトリの全体的なデザインと構造が非常にすっきりとしているので、おそらく問題はないと思う。サイトのトップページはこんな感じだ。
実例2 New Zealand Tourism Online
ツールバーページランクはトップページが6、リストのページが4となっている。このディレクトリの注目ポイントを挙げてみる。
- 広告収入によってサイトを運営している。
- 登録は無料だが、編集者によって選別されている。
- カテゴリごとにたくさんのサイトが登録されている。
このサイトでは、リストの質が広告売上を左右するため、質の悪いサイトが登録されることは滅多にない。サイトのスクリーンショットを見ておこう。
実例3 Internet TESL Journal
トップページのツールバーページランクは7。登録されているのは教育関連のコンテンツに限られており、最新かつ最良の教育アイデアが現場から直接届けられている。トップページはこんな感じだ。
このサイトのポイントは以下のとおり。
- 寄稿者のサイトへの表立ったリンクはなく、この点でサイトはPageRankを渡さない。しかし、続きを読んで欲しい。
- 記事には筆者のメールアドレスが記載してある。
- 記事の中では参照サイトを挙げることができる。
このサイトに記事を掲載するのは、インフルエンサーに読んでもらうためだ。教育に携わる人たちに知ってもらうことができる。このことに価値を見いだすのは、何らかの形で教育事業に関わっている人だけだろうが、そういう人たちにとっては、このサイトに記事が掲載されることで、自分が意識している人たちに注目してもらえるかもしれない。また、ここに掲載された事実を利用して、自分のサイトの価値を宣伝することもできる(宣伝文句に使える)。
悪いディレクトリの例
この記事の目的は別にだれかを排除することではないので、危ないディレクトリについてはURLを載せることはしない。
実例1:ツールページランク7のサイトで、ディレクトリのトップページもツールバーページランクが7だ。コンテンツは全体として信用できるもので、その点はすぐれている。ツールバーページランクもすばらしい。ただ、このサイトは編集ポリシーを明確に提示していない。詳しく見ていくと、どうやら料金を支払えば登録される方針らしいことがわかる。
このサイトが現時点でリンクジュースを渡しているということは十分にありえる。しかし、長期的に見ると、このディレクトリはリンクジュースを渡す資格をおそらく停止されると思われる。
実例2:ツールバーページランク4のサイトで、同じくツールバーページランク4のリンクページがある。上部に少しばかりアドセンス広告があるが、それほど派手にやっているわけではない。残念なことに、リンクにはリダイレクトが設定されていて、PageRankを渡せていない可能性がある。ページの下の部分には関連性のないたくさんのリンクが掲載されており、これらは明らかに広告だとわかる。これらの広告はリンクジュースを渡している。
ペイパーポスト
ペイパーポストによるリンクはなぜ評価されないのか? 手短に答えれば、「有罪」であることがすでに明らかになっているからだ。
ペイパーポストサービスはリンクジュースを獲得する手段として宣伝されていたが、実際は役に立たなかった。しかし、もっと大きな問題があって、支払いは編集者の審査に対するものであり、料金を支払ってもリンクを獲得できない可能性があるという基本的な基準を、このタイプのサービスは満たさないのだ。
ペイパーポストサービスは、リンクの提供に対してお金を支払う。その結果、そうしたリンクはほかの有料リンクと同じ扱いを受ける。
まとめ
僕たちはリンクビルディング戦略の一環として、顧客に対し、ディレクトリサイトの利用を積極的に勧めている。こうしたディレクトリの中には、先にSEOmozの「リンク構築のプロフェッショナルガイド」から引用したような、汎用の大手ディレクトリサイトがある。これらは信頼性の高いディレクトリで、価値があるリンクを提供している。
そのほかに、顧客の業界を専門とした垂直ディレクトリも探す。どの事業や市場にも、登録する価値のある質の高いディレクトリが少なくとも1つはあるものだ。
さらに、際どいディレクトリサイトに登録してみるのもありだろう。やりすぎなければ問題はないだろうし、場合によってはさらなるリンクジュースを獲得できる可能性もある。ただ、こうしたディレクトリは、ある日突然リンクジュースを渡さなくなっても、驚かないように。
ただし、明らかに粗悪なディレクトリサイトには近づかないこと、そして、際どいディレクトリへの登録は最小限に押さえておくこと。もし多数の際どいディレクトリに登録している場合、検索エンジンがそのことを嗅ぎつけたりすると、人手による審査にかけられる可能性がある。検索エンジンが人手による審査を行って、いい結果になることは全然ない。
顧客との仕事では、この種のディレクトリサイトについては検討すらしない。どうせならかかる時間と労力を、質が高く自然なリンクを探すのに費やす。
自分のサイト(あるいは顧客のサイト)のために上質のディレクトリリンクを探しだす方法を身につけよう。それができれば、たくさんの上質リンクを即座に獲得できるようになる。そして、つまらないディレクトリには近づかないこと。そうすれば、後になって後悔するはめにはならない。
コメント
難しい。自分の英語
難しい。自分の英語留学サイトでやってる。時間かかるモンだ。