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20トンの豆製品とオンラインキャンペーンの威力と「Jericho」の悲しい結末

私はテレビをあまり観ない。とってもくだらないんだもの。ほんとはそういうものを買う余裕なんてまだないうちに、大型フラットスクリーンの高画質録画機能付き薄型テレビを購入してしまったんだけど、欠かさずに観る番組は2つだけ。そのうちの1つは今夜が最終回だから、残るのは「American Idol」(アイドルオーディション番組)だけになっちゃうわ。「アメリカのアイドル(Idol)」というより「アメリカの暇人」(Idle)っていうタイトルの方がぴったりだけどね(SEO業界にAmerican Idolの出演者にそっくりな人がいることにも注目)。

私のお気に入りだったもう1つの番組「Jericho」は昨年、新シリーズは制作せずにSciFiチャンネルで6か月間の再放送という形になりかけたところ、草の根オンラインキャンペーンの力でシリーズの終了が少し先に延びたの。Nuts Onlineは、カンザス州の小さな町Jerichoと妙に容姿端麗なその町の住民たちを描くドラマとは何の関係もないサイトだけれど、いつのまにか、CBSによるシリーズ打ち切りの決定からJerichoを守るためのキャンペーンの中心となっていたわけ。ほかにも似たようなキャンペーンがあって、おかげで第2シーズンが制作されることになったのよ。

残念ながら、この番組に対する私の愛情は、米国の一般大衆に共有してはもらえなかったわ。銃撃や爆発、緊迫した睨み合いなんてシーンがふんだんに出てくるし、ブラッド・ベイヤーとスキート・ウールリッチの熱演といった見所もあったのに。評価は高くてもあまり視聴率が伸びなかった第2シーズンが終わってしまい、この先Jerichoがテレビ放送に戻ってくることはもうないでしょうね。

テレビついて私と同じくらい申し分のない好みを持つ人たちが、抗議運動キャンペーンを始めてるけど、CBSがJerichoの第3シーズンを制作することはまずなさそうね。それに、オンラインで嘆願活動を繰り広げたって、Nuts Onlineのやり方とは効果が比べ物にならないんだもの。Nuts Onlineのキャンペーンときたら、ナッツ製品を20トンもCBSの本社に送りつけちゃったのよ。これは、第1シーズンの最終回に出てくるセリフと関係があるの。

Nuts Onlineのアプローチにはいい教訓として学ぶべきところがあるわ。懐疑論者なら「自ら厄介の種をまき、無視できない存在になれ」なんて教訓を学ぶかもしれないけど、この事例については「迷惑な」広告モデルが効果を上げた。どうやらCBSもこのギャグを楽しんだようね。CBSのエンターテインメント担当プレジデントのニーナ・タスラー氏は、Nuts Onlineに送った書簡にこう書いてきたらしいわ。

あなた方の抗議行動は創造的で持続性があり、思慮深く礼儀正しい雰囲気がありました。あなた方の勝ちです。

追伸:どうか当社にナッツを送るのを止めてください :-)

巻き込んだオーディエンスの立場が悪くなるほどの迷惑を相手にかけることなく、それでも気付いてもらえる程度に厄介な存在になるには、巧みなキャンペーンが必要になる。

Nuts Onlineが、ナッツをCBSに送付する前に、キャンペーンの視聴者数を把握していたのかどうか知らないけど、非礼とユーモアとのバランスがうまくとれていたわ。このキャンペーンの場合、実際の行動はオフラインで行われたのだけれど、もっと広くオンラインマーケティングにも応用できる面が2つある。

  1. オンラインでユーザーを引き付けることは、オフラインよりもかなり易しい。

    これはご存じのことでしょうけど、繰り返し言っておく価値があるわね。

    オフラインのナッツ店だったら、米国の有力テレビネットワークを相手に回して、あるテレビ番組の第2シーズンを制作するよう説得するの一役買えたかしらね? そもそもテレビシリーズとして制作しようっていう考え自体が間違いだと思えるような番組だったのよ。私たち熱烈なJerichoファンの多くは、この番組をミニシリーズか映画にすべきだったという意見に賛成だわ。

    Jerichoのプロデューサーもたぶん、インターネットコミュニティのパワーに気が付いたでしょうね。主要なテレビネットワークのどんな番組にも劣らないほどの、熱狂的なファンが育っていたのよ。「Lost」のような番組には、フォーラム、グループ、掲示板が数え切れないほどある。でもLostなんて、いわばカフェテリアの特等席にのほほんと腰かけているようなもの。Jerichoの場合は冷たい仕打ちを受けてたから、番組を守るためにみんながオンラインに集まってきたのよ。

  2. 通常のメディアとは違って、ソーシャルメディアの広告は同じコストでも大きな威力を発揮する。

    テレビ広告を準備して配信するにはたくさんの資金が必要だし、その他の形態の広告やキャンペーンの料金も高い。でも、コストのことは別にして、ソーシャルメディア広告がすばらしいのは相互交流ができることね。

    もしだれかがJerichoを守る取り組みにファンを結集しようと、すばらしいテレビCMを制作していたらどうなっていたかしら?

    テレビ広告はインタラクティブじゃないものだから、せいぜい、関連するウェブサイトを見つけたり、番組がYouTubeにアップロードされているか調べたりするくらいね。私みたいに何百万人もの人々が、今もソファーに座って保険会社の退屈なコマーシャルを観ているけれど、それはすぐに、ブルック・シールズの登場する、同じぐらいおもしろくない歯磨きのコマーシャルへと変わる。だれも関心なんて持っていない。

    単にこういうテレビCMには独創性がないということだけじゃないの。仮に独創的なものだったとしても、テレビCMだと、アイデアや企業やブランドに対する共感を伝えたくても伝えられないのよ。別にテレビ広告に効果がないと言ってるわけじゃないわ。でもキャンペーンやブランドをオンラインで売り込む双方向マーケティングでは、広告を送り届ける相手はずっと少なくていいし、インパクトを与えるのに必要な資金も少なくてすむ。

相互交流こそが、人々をずっと引きつけておけるものだわ。私は今観ている大がかりな歌手発掘コンテスト(American Idolのことよ)でだれかに投票したことはないけど、審査員のサイモン・コーウェル氏が好きというだけでは、数千万人もの人たちが毎週この番組を観るということにならないでしょうね。番組作りに参加するというコンセプトが、American Idolのような番組に人々が引き込まれる理由の大きな部分を占めているのよ。

◇◇◇

話はちょっと変わるけど、私は先週末、オンラインで人とやりとりするための大事な手段の1つをなくしちゃったかと思ったわ。金曜の夜、大好きなFacebookへログインできなくなったの。そのとき、私はちょうど同僚のレベッカとチャットしていた。下の画面が表示されたんだけど、これは冗談でもなんでもなくて、本当にログインできなくなってたの。

Facebookへログイン
wall

Facebookの機能の1つ。各利用者のプロフィールページにある掲示板のようなもの

レベッカの話だと、Facebookに私がいたっていう痕跡がすべてなくなってしまったらしいわ。その日は異状が起きる前に、私はレベッカの「wall」にメッセージを書き込んだのだけれど、そのメッセージも消えちゃってたのよ。レベッカのニュースフィードには、「   があなたの写真にコメントを投稿しました」っていう奇妙なメッセージがあったんだって。私の名前が消えてるじゃないの。

映画「ザ・インターネット」のサンドラ・ブロックのように、自分を証明するものがなくなってしまった! 私はただ呆然としてしまって、「しばらくの間ご利用できません」というメッセージは大嘘で、どういうわけだかFacebookから追い出されたに違いないと思った。そういう話はときどき耳にするし、たいていはアカウントが使えなくなった理由を説明するメールが送られてくるけど、そんな説明を受け取っていないケースもあるって言うじゃない。そういう場合、ユーザーの目にするFacebookからの最後のメッセージは、上の画面で説明しているのと同じようなものだし。

私は友達にメールを送って、それぞれのwall、受信トレイ、ニュースフィードからも私の痕跡が消えてしまったどうか確認してくれるように頼んだの。私が知っている限り、自分がFacebookの利用規約に違反したことはなかったし、Facebookのサーバーでかなりのスペースを占領している以外に、アカウントを削除される理由なんて思い浮かばなかったしね。でも2時間後、私のFacebookアカウントは復旧したわ(愉快なことに、今度はレベッカのアカウントがオフラインになってしまったみたい)。私は復旧を祝い、笑って、自分のアルバムを眺めた。

利用規約には絶対に違反しないぞという気持ちを新たにしたことは別として、今回の件は思いもよらないことだったので、私みたいな人たちが(そしておそらくあなたも)オンラインで自己表現ができるさまざまな手段にどれだけ依存しているか、強く思い知らされたわ。Facebookに限ったことではないでしょうけど、私たちの多くは、アクセスできなくなるとほんとうに不自由してしまう「場」を持っている。もうすぐシドニーでSMX(Search Marketing Expo)が開催されることをFacebookが教えてくれなかったら、2週間後にオーストラリアまで飛行機で行くんだって、いったいどうやって思い出せばいいんだろう?

残念なことに、今夜で最終回を迎えるJerichoにとって、オンライン集まった人々やインターネット上の熱心な取り組みは、大した役には立たなかったわ。他のテレビネットワークが新たなシーズンの放映を始める可能性もあるけれど(すぐその気になるSciFiでJerichoを再放送中)、それまで私がテレビを見る時間は今の半分くらいになるでしょうね。ただ、ともかく私が第2シーズンを楽しめたのはインターネットのおかげだと知っておくのも悪くないわ。

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